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2007年04月22日
農業と文明と環境の関係
農業は産業革命と並んで文明発展の転換点となったといわれていますが、「人類は何故農業を始めたのか」、またその「農業が生んだ古代文明はその農業の失敗によって滅んだ」という視点から「ユーラシア1万年の農業史から人類の未来を考える 」取り組みをしている人を紹介しよう。
佐藤洋一郎
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この研究活動をしているのは、植物遺伝学者の総合地球環境学研究所 教授 佐藤 洋一郎さん達です。
以下このサイトからの抜粋です。
>総合地球環境学研究所(以下、地球研)上級研究員の丹野 研一さんらは、1万200年前の遺跡から6500年前のものまで4つの異なる時代の遺跡から採集した804個の小穂の脱穀の跡を調べた。
その結果、9250年前に11%を占めた栽培種は6500年前になってもまだ65%であったことがわかった。
>つまり、人類は1万年前にコムギを発見したが、それをきちんと管理して栽培するようになるまでには優に3000年以上はかかっているらしいのだ。<
>「人類はなぜ農業を始めたのか-これは極めて重要な問いです。彼の研究は、温暖になったことは農業開始の直接のきっかけではないことを示しています。では、文明が進歩したから農業を始めたのかというと、そう単純な話でもありません」<
>おそらく農業というものはなんらかの理由でやむなく始められたもので、必要なくなったらまた止めてしまうんですよ」。佐藤さんは人類史に対する発想の転換を迫る。
>食料問題は重要だという認識がありながら、これまで環境問題という観点からは農業や食べ物について十分に議論されてきませんでした。プロジェクトを通じて、各地の風土ごとに環境破壊を起こさない農業のあり方についてメッセージを残すのが最終的な目標です<
この問題意識から、’06年から5年がかりで佐藤教授の主導の下、総勢63人からなる調査団により>ユーラシアの1万年間の農業と環境の関わりを明らかにしようという壮大な計画で、その他の調査サイトとして、長江流域や東南アジア、タクラマカン砂漠などでも準備が進められている。<
これまでの研究でも例えば、
>中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区にある小河墓(しょうがぼ)遺跡(3000~4000年前)や桜蘭王国の遺跡(2000年前)の調査結果では、灌漑によって導入された水を通じて地下の塩が地表に析出してきたり、引いてきた水に含まれている塩が堆積したりして生じる塩害によって、農業が衰退したことが解明されている。<
つまり、砂漠化は気候変動ばかりではなく、灌漑のやりすぎが原因という可能性が高い。
>人間が定住し農業を営むことで作りかえられた生態系を「里」と呼ぶ。
>里は自然が森に戻ろうとする力と人間の営みによる撹乱(かくらん)の力が均衡することで保たれており、人間が過剰に撹乱すればバランスを崩してしまう。
>佐藤さんの主張を一言でいえば、里の保全を農業の前提にするということだ。そして、里の保全でポイントとなるのは生物の多様性である。
>多様性の少ない生態系は脆弱で、天候不順や外部からの生物の侵入があった時にそれに耐える弾力性がない
>江戸時代の飢饉や、最近では1993年の外米を輸入することになった大冷害などは、栽培作物が少量の品種に絞られていたために被害が大きくなったと言えます
○連作や連作の弊害は良く知られていますが、商品作物に特化した現在農業もいずれ自然からの痛烈なシッペ返しを受ける恐れがあります。
○佐藤教授曰く、「なるべく年代を精緻に分析して、古文書なども含めたあらゆるデータを集めれば、これまで気が付かなかったものが見えてくるのではないかと思っています」
調査のための調査に終わることなく、「事実探求」に徹することで、文明と環境と農業の新たな発見(歴史的史実)が期待されるところです。
投稿者 ryujin : 2007年04月22日 TweetList
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