シリーズ「潜在思考の原点・カタカムナ」~似て非なる「陰陽道」~ |
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2012年04月22日
日本と中国は次代で共働できるか?15 エピローグ2~日本が中国と共働する必然とは
このシリーズではいくつかの投稿で中国と日本の協働の可能性について触れてきました。
日本と中国は共に倭人と騎馬民族が作った国で、倭人は中国国内では江南地方に多数居住しています。その後の歴史の違いにより、双方の国民性は現在では大きく異なっていますが、それでも西洋や中東の人々との違いと比べれば極めて近く、文化や言語、生活環境も含めて同質の文化圏にあるといえます。協働できるか否かと点ではマクロ的には意思疎通が可能で、可能性は決して小さくないと思っています。
「日中学生会議実行委員会公式ブログ」より借用しました。
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しかし、巷の書籍では中国人や中国の問題は取り沙汰され、日本人は決して中国人を信用してはいけない、騙される、交渉上手な中国人には赤子の手を捻られるようにまんまと騙されるなどの紙面が踊ります。たしかにそういう部分はあるでしょう。しかし中国と日本の悪しき関係は近年作られた政治的色彩がかなり強い側面もあります。
現在は中国と日本の間にアメリカが割って入り両国の国交を決して前に進めさせないようにコントロールしています。さらに中国国内では共産党独裁の手法として対日戦略が取られ、中国国民のガス抜きとナショナリズム形成の為にアジアの経済大国である日本を目の敵にしてきました。
現在でも情報統制がなされる中、日本の実態や歴史の事実は大衆には正しく伝わらず、しばらくは日中の険悪な関係は継続すると思われます。
一方で日本の国政も田中角栄を除いては中国に近づくことができず、近づけばアメリカからの要請や下手すれば失脚に繋がるわけで、小泉のように中国が最も嫌う靖国参拝をすることで己の親米意識を示すなど、反中国の政策が政治生命に直結してきました。
このようにアメリカの監視の中で日中の関係は常に緊張と反発を続けるのですが、すでにアメリカの力はこの間失われてきており、早晩ドル暴落と共に自国の事で目一杯になり、日中監視に手が回らなくなるはずです。
また、中国でも先の記事でその可能性を観たようにすでに共産党独裁の萌芽が始まっており、こちらも最大顧客のアメリカ崩壊に引きづられて国内の混乱、共産党の崩壊が進行するでしょう。未来論にはなりますが、共産党崩壊後は中国はいくつかの地域に分裂する可能性があります。
ここからは中国との協働の可能性基盤を見て行きます。
国レベルと民間レベル2つの視点で見ておきます。
国レベルの共働の可能性
アジアでは中国に限らず、先行している日本の状況を良くも悪くも注視しています。
日本はバブル崩壊を経験し、低成長経済も経験、高齢化社会にも最も早く直面しました。また、政治の腐敗、機能停止もアジアの中である意味先行しています。
日本がさまざまな外圧にどう対処しているかはアジア諸国の先例になっているのです。中国が次に必ず直面するのがバブル崩壊です。さらにその後の低成長経済、マイナス成長経済です。
上記で示したように分裂した中国国内の中で日本と手を取る事を選択する地域が必ず出てくると思われます。それは私には台湾も含めた南の方の地域、稲作農耕地域を保有する郡、国ではないかと予想します。なぜならば南の地域はいまだに共同体性を温存させており、文化的交流、経済的交流を通じて中国の再建を支援していく形で日中は繋がっていく可能性が歴史的にもかなり高いのではないかと期待します。
一方、中国の北のほうはロシアに取り込まれ、日本との関係はより一層、緊張関係になるように思います。
民間レベルでの共働の可能性
日中民間交流は現在でもあらゆる分野で進行しています。2万5千社の日本企業が中国に進出し、1000万人以上の中国人労働者を雇用しています。中国から日本への進出はまだ少ないですが、それでも年々増加しています。
民間レベルでの交流は経済ベースではありますが、既にしっかりと協働しているというのが現在の時点で、今後アメリカ経済の崩壊に伴い、よりその協働は進行していくのではないかと思われます。
これまでも日本企業は中国を理解しなければ現地での商売はできないなどと言われて来ましたが、逆に言えば中国に同化し最も理解できる最右翼は日本でしかなく、欧米でも韓国でもないのではないかと思われます。先の記事に道教の例を挙げましたが、大衆レベルでは無宗教で西洋型個人主義に染まらず(相手にせず)バンといういびつな形とはいえ集団をベースに生活を営んでいる中国国民は共同体体質の日本とある意味共通性がなくはありません。
問題は現在も貧富の差が大きく、いまだに私権社会(お金が全て)が濃厚に残っている中国人と既に私権社会から共認原理(お金よりやりがい)に移行している日本人との価値観の差です。しかし、それも今後徐々に差が縮まり、長い目では中国が変わっていく事になると思います。
これら、非常に楽観的な予測かもしれません。もしうまくいかなかったらどうする?中国は核も持っているし、いざ国内が荒れたら日本に何をしてくるかわかったものじゃない、 👿 などとお叱りの意見を受けるかもしれません。
しかし、これだけは言っておきたいという事があります。
数年以内におとずれる可能性がある経済破局以後の世界は必ず様相が代わります。
それまでの西側優位の市場社会が破綻混乱し、市場原理によらない社会が模索されていきます。一説ではアジアかイスラム圏から次の牽引国が登場すると言われています。日本に期待されているのは市場主義以後の社会の世界共認の先頭を走る事です。
私権原理から共認原理へ転換しつつある現在、共同体性を備える日本がその可能性を有していますが、現時点でアメリカという負の関係を維持し続けている日本はどの時点でその関係を解消して自ら歩き出すかが問題となっています。
しかし一旦歩き出したら、協働する国をいくつかみつけていかなければなりません。それが同じアジア圏での大国インドであり、中国であり、東南アジアの友好国なのだと思います。彼らとの協働なくして、世界共認は作れないでしょうし、次の流れは作り出せないと思います。その意味で、日本と中国とは必ずどこかで協働路線に移行していかなければならないと思うのです。
その為にも中国との関係の中で、まずは互いの国の史実をより深く理解し、現在覆っている国家的イデオロギーを除いていく必要があります。今回のシリーズはそのきっかけとして位置づけていきたいと思います。中国の方、中国関係者の方もこの記事を読んでおられると思います。日中は理解しあえる、その為には相手を否定せず、自ら事実を学ぼうとする事だと思います。
長く続いたこのシリーズも今回をもって終了します。
お付き合いありがとうございました。(管理人)
投稿者 tano : 2012年04月22日 TweetList
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