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2008年08月02日

人格神信仰の始まり~古代中国~

中国最古の都市国家が成立していた紅山文化では、大規模な祭祀センターの形跡があり、遺跡からは、女神像と、熊、猪、巨鳥崇拝を表す塑像や、大規模で複雑な建築物も発掘されています。
それぞれの信仰対象から、その宗教的特徴を取り出してみると、
女神    →  母系集団
熊、猪   →  狩猟民族
鳥     →  天・太陽への信仰
これだけ見ると、なんでもありな感じで、なんだかよく分りませんね。
実は人類の信仰対象は、段階的に移り変わっていく様です。
諏訪春雄さんのHPに、こんな記事があったので紹介します。
kouzan.jpg
この写真は、現在の中国内モンゴル自治区に位置する紅山遺跡のものです。

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私たちは神といえば、人間の形をした存在をかんがえますが、これはかなりのちの段階の神観念であろうとおもわれます。以前にものべたように、えらばれた特殊な人間が自然を征服する力をもち、文化や社会をつくってゆくものは、そのえらばれた人間であるという認識の生じたときが、人間の形をした神、人格神の登場するときであります。
 そうした信仰の発生した実年代をさだめることはかんたんにはできませんが、考古学の遺品から人間の形をした神像が出現することを一つの目安とすれば、紀元前5800年から前3000年仰韶文化後期紀元前3500年から前3000年紅山文化などにまでくだってしまいます。
 そのような人間の形をした神像の出現する以前の神はなにかといえば、圧倒的に多いのが動物の形をした神でした。もちろん、動物にたいする信仰は、いわゆる霊魂信仰のまえ、自然物信仰の段階からさかんでしたが、霊魂信仰の段階になってもはじめ中心をしめたのは動物信仰であり、その勢いは人格神があらわれるようになっても衰えることなくつづきました。
 その資料は枚挙にいとまがないほどですが、考古学資料にかぎっても、人格神の神像のあらわれる仰韶文化や紅山文化の遺跡でも、おびただしい量の鳥、魚、獣などの模様、像が出現していますし、人格神の神像のみられない、紀元前5000年から前3500年河姆渡文化紀元前3300年から前2200年良渚文化の遺跡などからも、鳥や獣の信仰をしめす遺品が出土しています。
 また、中国の少数民族のなかには、自分たちの先祖が動物と血筋がつながっているとかんがえ、今もその動物を信仰の対象にしている民族は数多くいます。広い意味のトーテミズムとよぶことのできるものです。中国北京で刊行された『中国各民族宗教と神話大詞典』(学苑出版社)からひろいだしてみます。
ペー族      虎 熊 蛇 鼠
朝鮮族      熊
トンシャン族   ひきがえる
エヴェンキ族   水鳥 熊
ハニ族      蛇
カザフ族     狼 白鳥
ホジェン族    虎
ミャオ族     胡蝶
ナシ族      コウモリ 大鵬 猿 鷹 竜 獅子
 ちなみに漢族は竜、虎、蛇、豹などを信仰しています。これらはあきらかに動物の力にたいする信仰に由来し、自分たちのなかに動物とおなじ血がながれていることを確認して、その動物のもっている神秘な力にあやかろうとするものです。
 このような動物の力にたいする信仰はながくつづき、それは現在にまでゆきわたっている信仰ですが、一方で、徐々に自然を克服して文化をつくる人間の力にたいする自信が生まれてきます。人格神の段階の到来です。

信仰とは、自然の力を畏怖することから始まり、次には動物の力にあやかろうとし、そうやって目の前の外圧を乗り越えていく中で、やっと人格神が生まれてくる様です。
古代中国では、自然の脅威の中で最も強大だった黄河の流れを治水によって制することで、人間の力への自信が強まり、伝説の王を始祖とする夏、商、周の初期国家形成に繋がっていったと思われます。
この前段階に位置する紅山文化では、大規模な部落連合体の形跡があり、階層を持った権力機構もあった様です。
一体何の力で、この連合体を統合していたのでしょうか? 
まだまだ謎は解けませんが、引き続き掘り下げていってみようと思います。

投稿者 maeyan : 2008年08月02日 List  

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コメント

古代の人たちが、神秘的に、畏敬の思いを抱いたひとつは、命の誕生ではなかったのでしょうか
生殖という認識ではなく、新たないのちが、うまれてくる、神秘性、それのはじまりとして、胎児が最初に形らしくなってくるときの、その形をあらわしたものが、まがたまではないでしょうか

投稿者 孝彦 : 2008年9月19日 00:29

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