| メイン |

2007年10月20日

中国文明:中国という国の本質は?

今晩は、さーねです 😮 以前、おざわさんが記事をアップされていた中国の夏王朝はあったのか?その投稿に、tanoさんがコメントされていた一文です。

それにしてもこれまで中国は周から始まったといい続けられてきたのはなぜでしょう?単に遺跡が発掘されなかっただけでしょうか?中華思想にとって周以前の歴史事実は不要である。伝説にしてしまえ。そんな国家側の意図があったようにも思います。
夏王朝が伝説にされたり、商王朝が極めて卑劣残虐な王朝と伝えられるのは僕は事実を歪曲して伝える中国の体質があるように思うのですが考えすぎでしょうか?

このブログで中国文明の勉強を始めて感じることですが、歴史事実をなかなか見極められないのが僕の実感です
今日は、東アジア考古学の研究者である京都大学 岡村秀典氏の著書「夏王朝 中国文明の原像」より、氏の問題意識を紹介し、中国の本質とは?その一助になればと思います 😮
31919214.jpgこの本、ブログでも結構評判良いようです 😀
みんなで事実を追求するために 応援を
Blog Rankingにほんブログ村 歴史ブログへ

 にほんブログ村 歴史ブログへ


では、本より抜粋しながら、中国の本質について読み解いていきたいと思います 😛
『プロローグ 中国のルーツを求めて』

夏王朝が書物に記録されるのは、王朝が滅んで1000年以上たった戦国時代(前450ごろ~前221)のことである。周王朝が衰え、それに代わる中国の再統一をめざして諸国が互いに争った戦国時代、各国の王は自分たちの国こそもっとも正統な中国であると主張し、祖先の系譜をどんどん古くさかのぼらせて伝説の聖王にむすびつけていった。都合のいいように聖王の伝説を作為することも少なくなかった。このような時代に諸国を渡り歩き、弁論巧みに王たちにとりいったのが諸子百家といわれる論客たちである。

武力による権力闘争時代ですから、各諸国の王は絶対の存在。その中で、弁論に長けた諸子百家の役割は一つしかない。王の伝説をつくり、それを庶民に示すこと。ある意味、思想による洗脳役だった

諸子百家のうち古い時代に理想を求めたのが儒家である。その開祖である孔子(前551~前479)は、古代の聖人君子を尊び、政治の範とした。尭(ぎょう)・舜(しゅん)・禹(う)は天になぞらうべき偉大な聖王で、夏王朝を開いた禹はもとより、殷王朝を建てた湯王(とうおう)、周王朝の基礎をきずいた文王・武王と周公にたいする賞賛のことばは『論語』にしばしばあらわれている。政治の理想は夏・殷・周王朝にある-その教えは、儒教が国教となった漢代以後、20世紀までの歴代の王朝にうけ継がれた。

20世紀といえばつい最近まで それだけ、中国では儒教≒夏殷周の歴代王の思想が貫通してきたというところだろうか?ちなみに、湯王や文王も史実は以前の王を謀略で打倒し、王位についているようです。湯王や文王は歴史上徳のある人物と言われることが多いようですが、支配者であることを忘れてはいけません。
※尭・舜・禹は五帝伝説の王の名。夏王朝よりも以前の王です。

しかし、夏王朝や殷王朝の制度については、春秋時代(前770~前450ごろ)にはすでにわからなくなっていた。夏人や殷人の子孫である杞(き)や宋の国には、かつての王朝の制度についての証拠が十分に残っていない、と孔子自身が嘆いている(『論語』『礼記』)。孔子が理想とする聖人君子の時代は、子孫たちがうけ継いできた伝統によって正確に把握されていたのではなく、あくまでも孔子が頭のなかで想い描いた理想像にすぎなかったのである。夏王朝や殷王朝の時代ですらわからないのだから、それよりさかのぼる尭・舜の時代は、なおさらわからないことばかりであったにちがいない。しかも、それらが書物に記録されるのは、孔子の時代よりものちのことである。夏王朝がかりに実在したとしても、その歴史を古典籍から正確に知ることは難しい。

これも、実は時代背景を読めば当然のことかもしれません。武力闘争の圧力が渦巻く時代の本質は、他国を打倒し権力を手に入れ、冨を集約し自らがいかに豊かになるか?まだ歴史という学問が不在の権力時代は、頭の中で別の理想を創りだすしかなかったのだと思います 😥
改めて、tanoさんのコメント文より 😉
>夏王朝が伝説にされたり、商王朝が極めて卑劣残虐な王朝と伝えられるのは僕は事実を歪曲して伝える中国の体質があるように思うのですが考えすぎでしょうか?
戦国時代にごまかしの思想や人物像が氾濫し、それが20世紀まで継承されていた歴史。これが、中国という国家の本質を示しているのではないでしょうか
※ちなみに、著者の岡村先生は、このような問題意識に至った根拠を、歴史書と考古学史料の両面で、その時代の社会背景などを元に注意深く読み解きながら、夏王朝を通して中国文明に迫ろうと追求されています。また、このブログでも紹介していきたいと思います 😮

投稿者 sawatan : 2007年10月20日 List  

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://web.joumon.jp.net/blog/2007/10/354.html/trackback

コメント

行ってきました!白門祭☆

白門祭記事盛り上がってますね!
今回はお手伝い代表として、いろんな露店に参加させてもらっている私、さちが記事を書かせてもらいます。
私は学園祭最終日に…

投稿者 ブログ de なんで屋 @東京 : 2007年11月9日 21:24

コメントしてください

 
Secured By miniOrange