弥生以降の国際的外圧と国家統一の流れ |
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2008年07月19日
【古代中国】遼河文明の概要~基礎データ
こんばんは!
これまで中国第三の文明として「遼河文明」について扱ってきましたが、ここで一度基礎データとして周辺文化も含めまとめて置こうと思います。
遼河文明の遺跡図です。(こちらからお借りしました。)
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【内モンゴル東南部、遼寧省西部】
★興隆窪文化(紀元前6200~5000)
落葉広葉樹と針葉樹の混交林地帯であり、当時の気候は温暖湿潤。
採集狩猟漁労が主で、豚の家畜化をしていた可能性あり。(豚と一緒に埋葬されている墓もある)
環壕集落のルーツ、中国最古の玉器文明と言われている。
(興隆窪遺跡) 紀元前6000(新石器早期) 内蒙古赤峰市
環壕集落(約2万平米)
竪穴式住居(住居址70数基)
中国最古の玉器(けつ状耳飾り)
単人仰臥伸展葬(頭東向き)
(白音長汗遺跡)紀元前6000 内蒙古林西県
竪穴式住居
石彫り女神像
(揚家窪遺跡)紀元前6000 遼寧省葫芦島市
堆石で地面に二匹の龍を描く(龍の形象物の起源)
(敖漢旗遺跡)紀元前6000 内蒙古
龍文陶器
★興隆窪文化後期
(査海遺跡)紀元前5500~5150 遼寧省阜新県
竪穴式住居
集落のほぼ中央部で、赤褐色の石で積んだ龍形配石遺構
手捏ね土器(蟇蛙や蛇の模様)
龍形の堆石、龍文陶器
単人仰臥伸展葬(頭北向き)
(白音長汗遺跡)
環濠集落の近くの尾根に横石墓または石囲墓が営まれ、いろいろの玉器が副葬された
住居址の中央に板石で囲んだ方形の炉が出現
★趙宝溝文化(紀元前5000頃)
漁労を中心とした採集狩猟漁労文化。
磨製石鋤と打製石庖丁が大量に出現。
石器:打製石鋤、石鍬、石斧と石皿、磨棒及び大量な細石刃
土器:櫛目文や箆描き文を施した変形円筒形土器、精製の壷形土器
なかでも、鹿・イノシシ・鳥の頭を持ち、しっぽは魚の尾びれで全身がうろこで被われた「龍」の土器が出土している。
★富河文化(紀元前4700~4000)
(富河溝門遺跡)興隆窪遺跡より北へ約250キロ
採集狩猟漁労文化。
石器:打製石鋤、石鍬、石斧と石皿、磨棒及び大量な細石刃などがある
土器:櫛目文が施された円筒形土器
骨製の鍍、釣針、やすが非常に多い。
遺跡から動物の骨が多く出土しており、50%はシカ。
★紅山文化(紀元前4000~3000)
発達した農耕社会。
女神像が置かれた祭祀建築 祭祀用の平台、積石塚、積石塚、祭壇など。
小型の銅器とその鋳型の出土。
発達した玉工芸。
後の黄河流域文明に多大な影響を与えた。
少なくとも三層の階層社会が営まれていた(と予測される)。
(牛河梁遺跡)紀元前3500 遼寧省凌源・建平県
紅山文化の代表遺跡。
モンゴロイド系の顔に青い目の女神像(粗泥中空の像で、淡紅又は朱塗り)。
大型龍形玉、豬(ちょ)頭龍形玉。
(城山遺跡)紀元前3500 遼寧省凌源県
建築技術の進歩(防湿のため床面に石灰を敷く。補強のため石壁を設置)
(三星他拉遺跡)内蒙古翁牛特旗
大型龍形玉(26センチ)、龍玉
玉蚕
(東山嘴遺跡)遼寧省喀左県
泥質紅陶裸体妊婦像
双龍首形の玉(ぎょくこう)
興隆窪文化後期には、遼寧省西部ばかりでなく、その他の地域でも新しい文化が発見されています。いずれも興隆窪文化に似ているところが多く、採集狩猟漁労文化圏内の諸文化であるようです。
【遼寧中部】
★新楽文化(紀元前5200~)
【遼寧南部】
★小珠山文化(紀元前5000)
【吉林中部】
★左家山文化(紀元前5000~4000)
【黒龍江省東部】
★新開流文化(紀元前4000)
(新開流遺跡)
黒龍江省東部の興凱(こうかい)湖近く
漁労を中心とする漁労狩猟採集文化。
遺跡から何枚もの魚骨が重ねて出土する貯蔵穴が多く発見(魚を貯蔵する施設か?)
出土した道具は、鏃、銛、やす、釣針など狩猟漁労用のものがほとんど
ロシア側のチョールトヴイ・ヴォロタ洞窟からはけつ状耳飾りが出土している。
こうしてみると、紅山文化の時代にそれまでの採集狩猟漁労から農耕へと転換し、さらには神権支配に転換した形跡が見て取れます。
紅山時代に何が起こったのでしょうか?
(by eto)
投稿者 nishipa : 2008年07月19日 TweetList
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コメント
投稿者 ウパ : 2008年8月18日 13:18
シュメールには印鑑も別にあったようですが、印鑑の役割はどーだったのですか?教えてください。
投稿者 犬 : 2008年8月18日 22:19
ウパさん、コメントありがとうございます。
記事の最後に画像をupしたので、ぜひ見てみてください。
投稿者 カッピカピ : 2008年8月19日 21:12
犬さん、コメントありがとうございます。
人類最古のはんこであるスタンプ印象は、粘土に押すための印象で、石を加工して作られたと言われています。スタンプ印象は、紀元前7,000年紀後半にあたる北シリアの遺跡から出土するものが最古とされており、所有権を表すものであったようです。
ちなみに、ブッラの表面にトークンを押し付ける、といったアイデアは、このスタンプ印象の習慣から生まれたものであると考えられています。
投稿者 カッピカピ : 2008年8月19日 21:25
尖筆ってどんなものなのですか?
鉛筆とはまた違うんですよね?
板とかに彫り物をするようなものなのでしょうか?
写真などあれば、見てみたいです。