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2018年10月28日

縄文体質の史的足跡~第1回 今でも息づく縄文気質を継承した職人技術の世界

今回から新しいシリーズをスタートさせます。

これまで6回に渡り、「縄文体質とは何か?」を考察してきました。 これらの縄文体質は、古代、中世、近世の時代を経て、現代まで日本人に脈々と受け継がれています。

今シリーズでは、その系譜と足跡を

1、日本語 2、技術 3、神社 4、惣村・一揆 5、夜這い・婚姻 6、芸能 7、災害時の動き方

の7つの視点で考察していきます。

第1回は、縄文時代の気質、体質を受け継いで伝承してきたものづくりの技術について考察します。

大工や石工といった職人技術はもとより、ものづくり大国を支えてきた日本人の特異な感覚、縄文人気質を色濃く残した『自然観』と、組織を強化していく『人材育成力』を持つことで、必然的に「老舗企業」として生き抜いていく日本企業など、縄文体質は着実にその根をおろしているのです。

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以下、縄文体質を継承する現代の技術について、るいネットから引用します。

【職人の世界:職人文化~思いやりとやさしさ】http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=338595

昔から職人文化という言い方をしますが、これは職人=文化ということです。人の育成に於いてまで文化の高みに到達していたのが私たちの先祖であり日本であるように思います。

小川三夫さんの「棟梁」(文春文庫)の中で徒弟制度のことが書かれていましたがいくつか抜粋します。

「大きな建物は一人ではできん。大勢の力ではじめて建て上がるんや。一緒に仕事をしていくには、やさしさと思いやりがないと無理や。一緒に飯を食い、一緒に暮らし、同じ空気を吸っていれば、自然にやさしくなる。思いやりがなければ、長いこと一緒には暮らせん。隠し事も十年は隠せない。いい振りをしていても地が出る。素顔で暮らすのが一番楽や。そうしているとやさしくないと暮らしていけないことに気がつくんや。」

一緒に働くことにおいて何よりも大切なものが何かを知る人だからこそ、「同じ釜の飯を食う」ことの大事さを説きます。共視共食もそうですがなぜそうする必要があるか、それは心を通じ合わせて心を入れる志事だからです。頭だけでやれることなどはたいした仕事ではなく、本物の志事は其処に心が入っています。何より理念を重んじる組織に於いてはその心がどうであるかを何よりも優先であるとするのです。

如何に日本は職人文化の中でお互いに心を通じ育ち合ってきたか、師弟一体にあるがままに学びを与えあう環境構成と活人技継承の仕組みには感服することばかりです。そしてこう続きます。

「しかし、言っておくけどな、共同生活で、思いやりも、やさしさも身に着けていくが、本当のやさしさというのは、ただ人の面倒を見るのとは違うで。本当のやさしさは、自分自身に厳しく生きてないと身につかんもんや。厳しさのないやさしさは、甘えにつながる。そんなものはうちにはいらんし、人も育っていかん。技も身につかん」

今の時代は、やさしいばかりで叱れない人も増えてきています。叱咤ができないのはその人が自分に甘いからです、叱咤激励とはその人に期待しているということです。期待しているというのは、己に克てと応援するのです。逃げようとするその人の心に厳しい「喝」を入れられるのはその人が優しいだけではなく「自分との勝負を続けている自分から逃げない厳しい実践者」だからです。私のメンターもまた厳しい人です、まるで不動明王のように自分の中で打ち克っている人だからこそその人に憧れ私淑しています。

人が他人を尊敬することが大切なのは自分が成長できるからであり自分が素直になれるからです。足るを知らず傲慢になり自分の実力を見誤れば多くの人たちに大きな迷惑をかけてしまいます。だからこそ真摯に真独して一心不乱に一つごとに打ち込んでいくことが弟子の志業のようにも思います。そのことではこう言います。

「まず修行中は大工ということに浸りきることや。寝ても覚めても仕事のことしか考えんでいい。それでは仕事バカになると思うかもしれなんが、そうやない。一つのことに打ち込んでおれば、人間は磨かれる。中途半端よりずっといいで。自分の自由になる時間なんて全くないんだが、こういう暮らしをしていると、自分の癖や自分のことがなんとなくわかる気がしたな。アパートから通わせてくれという弟子もおったが、そういうのはお断りや。体から体に技や考えや感覚を移すのが職人の修業だ」

まさに頭で学ぶのではなく、体で学べ、体得せよ、つまり全身全霊でやれと言い切ります。そして最後に、本物であることの重要性を説きます。後世が判断するのはどの仕事でも同じです、自分で責任を以て成し遂げた仕事だからこそその仕事の後を見た人はその人がどのようにその前に仕事をしたかが自明します。隠せません。だからこそ全身全霊で人事を盡して精一杯だったかを重んじるのです。

技もまた生き方なのです。職人文化とは、勘違いしていますがそれは古臭いのではなく「本物の香り」なのです。

【現代に奇跡の技をつなぐ、伝説の石工「穴太衆」~頭で考えるな、石の声を聴け】http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=337431

かつて日本に、城の石垣づくりを専門とする技術集団がいたのをご存じだろうか。戦国時代、各大名がこぞって召し上げた伝説の集団、その名も「穴太衆(あのうしゅう)」。戦国時代の城はその石垣の高さや強度さが戦いの士気を左右し、戦いを制するには「穴太」の力が求められたという

なぜならば、穴太衆が得意とした「野面積(のづらづみ)」と呼ばれる自然の石を組み上げる石工術は、現代技術を凌ぐほどの強度を誇ったからだ。その技術力があってこそ、地震大国日本において、高さ数十メートルに及ぶ自然石を積み上げただけの石垣を今に残す。

そんな古代技術を奇蹟的に現代へとつないでいるのが、滋賀県大津市坂本を中心に活躍する「粟田建設」だ。現会長の粟田純司氏は「第14代目石匠」の名跡を継ぎ、平成12年には当時の労働省(現厚生労働省)から「現代の名工」に認定、平成13年には「大津市文化奨励賞」を、そして平成17年には「黄綬褒章受章」を授与されている。

頭で考えるな「石の声を聴け」

現代の技術をもってしても超えられない「穴太」の技術だけに、「一人前になるのは最低でも10年」。しかも純司氏が先代に言われたのは「石の声を聴け」という徹底した現場経験の積み上げだった。

「最初はね、“石の声を聴け”なんて言われてもなんだか分からない。こっちはメジャーを持って石を測っては石垣に押し込んだりしてたんですわ。でも親父の場合は、集積場で石をじっと眺めては“はい、これそっちに持ってって”とはめるとストンと収まる。『親父なんで分かるの』と聞くと『わしは石と話している』というんですよ。なんのこっちゃと思ってましたが、自分が11年目の時に、安土城の修復を任されました。いつもだったらメジャーで測るのですが、その時は集積場で石をみていると、何度も目につく石がある。それであの石持ってこいって現場に運んだらストンと合いました。なんだかね、石が“ワシを使え”と手を挙げているように感じたんですよ。ああ、これが親父の言ってた石の声を聴くということなんか、と思いました」(粟田氏)

“石の声”を聴いた方が圧倒的に現場はスムーズに動くという。まさに職人の技、経験だけが到達できる究極の世界がそれなのだ。

かつて、城の石垣という守りの要に関わる技術を要した穴太衆には、技術を伝える文書や家系図は残っていない。今でいう軍事機密が敵方に渡らないため、一切の技術伝承は口伝であり、一族は表に出てはいけないものだった。粟田家が古代より脈々と技を受け継いでいるにも関わらず、15代と代数が少ない所以はそのあたりにある。一般的に過去帳や戸籍が作られるようになった江戸後期からの記録しか文書としては残っていないからだ。

しかし、技術は確実につながれている。古代からの秘技が現代につながれている奇蹟。いち日本人としても、粟田建設の方々に感謝をしたい気持ちになった。

【日本の技術力が世界的にすごい本当の理由】http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=340079

今回の日本出張の際に、とあるアパレル系ブランドの海外進出プロジェクトの一環として、彼らのものづくりに関しての現場を見るためにいくつかの工場と品質管理センターを見学させていただいた。そして、その経験は今までの人生の中でも1,2を争うほどに度肝を抜かれる結果となった。

繊維系の製作現場という特性もあるだろう、決してテクノロジーがすごいわけでも、難易度の高い複雑な作業を行なっているわけではない。しかし、そこで働く方々のものづくりに対する姿勢や、その工程における繊細さなど、”さすがにこれは日本でしかできないな”という内容である。

何がすごいかというと、ものすごく細かく単純な作業をただひたすら続ける忍耐力、機械でも読み取れないようなナノ単位でのズレを感覚で認知する感覚、そしてやろうと思えば簡単にできるごまかしを行わない仕事に対する誠実さがそこにはあった。

これは本当にすごい。日本国内の感覚だと”当たり前”と思われるかもしれないが、実は海外から見ると、こんな事ができる人種は他にいないのではないだろうか?例えばこれが怠け者のアメリカ人だったとしたら、”こんな退屈な仕事バカらしくてやってられない”と言ってすぐに辞めてしまうかもしれない。そして米国企業は最小の労力で利益が出るための効率化を最優先する。

実際に工場長に聞いてみたところ、東南アジアから来た労働者を採用してみた事もあるが、うまくいかなかったという。その理由は、文字や数字では説明のつかない最後のニュアンスが理解できないからという。日本人が得意な”あうんの呼吸”や”微妙なニュアンス”というものは、日本特有のものであり、海外にはほぼ存在しないらしい。

一言で言うと、こんな素晴らしい国無い。

そんな中で日本国内のものづくりの現場では、職人さんやパートのお姉さんたちが、ロジックでは説明のできないセンス、感覚、忍耐、正確さ、継続性を通じ、品質の高い製品を毎日作り出している。これは実は本当にすごい事で、シリコンバレー的な技術革新をメインにしたイノベーションよりも、単純作業を安定した水準でただひたすら続けることの方が何十倍も難易度が高いだろう

誰にもできないような難しい事ができるよりも、単純でつまらない事を正確にやり続ける方が難しい。毎日パソコンやスマホを活用して楽で効率的な仕事のプロセスばかりに気を取られていた自分にとっては、後頭部を殴られるほどの衝撃を受けた。

技術革新による効率化も素晴らしいが、アナログな作業をひたすら続けられる事と、その仕事のクオリティに対するスタッフのコミットは簡単には真似ができない。なぜならそこには信じられないレベルの忍耐力が必要とされるから。この一つの事をひたむきに続けられる忍耐力こそが日本が世界に誇るべき技術力の根源であり、イノベーションにもつながるきっかけにもなるだろう。

 

【日本企業の特徴 ~技術の継承が人材育成力をもたらし老舗企業になっていく~】http://bbs.kyoudoutai.net/blog/2018/04/5822.html

以前、日本の老舗企業を紹介しました。

老舗企業大国日本

① 貴金属の声を聴く田中貴金属工業 老舗企業大国日本

② 米の持つ力を引き出す勇心酒造 老舗企業大国日本

③ 木ロウ技術をコピー機に取り入れたセラリカNODA

そこには老舗企業になるべくしてなっていった、いくつかの共通点があります。それは老舗企業のみならず日本の企業の特徴ではないか、と考えています。「世界が賞賛する日本の経営」(育鵬社:伊勢雅臣著)を参考にしながら、その特筆すべき3つの特徴を押さえていきます。

まず特徴の第一として、老舗企業の多くは箔粉技術や醸造・発酵技術など、伝統技術を現代社会で必要な製品に転用している、という点。時代が進むに連れて、人々の生活様式も変わっていくのに、旧来の商品にしがみついていたら、企業は時代の波を乗り越えられなかったでしょう。「伝統は革新の連続」という言葉がありますが、その革新を続けてきた企業が、老舗として今も続いているのです。

第二に、革新といっても本業の技術から大きく離れていない点。本業の通じて、独自の技術を軸に営々と蓄積してきたことが老舗の強み。そこを離れては新参企業と同じになってしまいます。

第三に、「貴金属の声が聞こえる」「自然に生かされている」「生かす思想」などの言葉に見られるように、大自然の「生きとし生けるもの」の中で、その不思議な力を引き出し、それを革新的な製品開発につなげている点。これは日本の伝統的な自然観に基づいた発想であると共に、「人間中心主義」でご都合主義に陥っている西洋科学とは違う、合理的・総合的なアプローチといえます。

したがって大学で西洋的科学技術しか学んでこなかった研究者・技術者が、欧米企業と同様な研究開発アプローチをしても、同じ土俵で戦うだけ。老舗企業には日本の伝統的自然観が残っており、それが西洋科学では見えてこない、独自の技術革新をもたらしています。

アジアの億万長者ベスト100のうち、半分強が華僑を含む中国系企業であるらしい。その中で百年以上続いている企業はない。創業者一代か二代で築いた「成り上がり企業」ばかりである。 これに比べると、企業規模では比較にならないほど小さいが、百年以上の老舗企業が10万社以上あるといわれる日本とは実に対照的である。

ノンフィクション作家野村進氏は「商人のアジア」と「職人のアジア」という興味深い概念を提唱している。「商人」だからこそ、創業者の才覚一つで億万長者になれるような急成長ができるのだろう。しかしそこには事業を支える独自技術がないので、創業者が代替わりしてしまえば、あっという間に没落もする。

それに対して「職人」は技術を磨くのに何代もかかる。冨を蓄積より、技術を蓄積することに重きを置き、その技術を継承することで「技術者≒人」を育てることに繋がり、何代も看板を継ぐことで老舗企業になっていくのです。  日本企業は、縄文人気質を色濃く残した『自然観』と、組織を強化していく『人材育成力』を持つことで、必然的に「老舗企業」として生き抜いていくのです。

投稿者 tanog : 2018年10月28日 List  

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