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2022年04月15日
人類の二足歩行は地上ではなく、樹上から始まった
こんにちは!
約600万年前のアフリカにいた人類の祖先、猿人はすでに直立していて、約300万年前には完全な直立二足歩行になったそうと通説では言われています。
今日は「人類はなぜ二足歩行をしたのか」について追求します。
ネットで調べると色んな仮設が飛び交っているので一旦整理してみましょう。
■「運搬説」「子育て仮説」
二足歩行が発達した考え方の一つに「もの(食物、道具等)を運ぶため」という説があります。
“オスがメスに気に入ってもらおうとして、食べ物を持って行ったという「プレゼント仮説」が考えられている。
「子育て仮説」とも言う。子供を育てているメスのところにせっせと果物や肉を運んだのかもしれない。
また、原始的な道具として木の棒や石を持ち歩いたという説もあり、両方の説が同時に起こった可能性もある(リンク)”
上記の仮説では「地上に降りて適応するために二足歩行になったのか?」「なぜ地上に降りる必要があったのか?」という疑問が残ります。
■直立二足歩行は草原ではなく森林で進化した
前説では地上に降りてから二足歩行が発達したと考えられていますが、
下記のサイトでは樹上で類人猿が二足歩行を発達させたと考えられています。
“類人猿には、尾のないことの他にも大きな特徴がある。それは体が大きいことだ。枝が細いと、折れてしまうのだ。
枝を折らないためには、複数の枝に体重を分散させて、1本の枝に掛かる重さを減らせばよい。
このように、複数の枝に体重を分散させながら枝の上を歩くには、四足歩行よりも二足歩行のほうが便利だろう。
足で枝の上を歩きながら、手で他の枝を掴むことができるからだ。(リンク)“
枝先の果実を食べようとすると、枝が折れて落ちてしまうかもしれない(写真はオラウータン)
また類人猿の骨の特徴からも樹上で生活していたと考えられます。
“アルディピテクス・ラミダスは初期の人類の1種だが、木の上を二足歩行していた可能性がある。アルディピテクス・ラミダスの足の親指は、他の4本の指と離れており、足で枝を掴めたからだ”
■地上に降りたのは森の気温と季節の出現によるもの?
では、そもそもなぜ猿は地上に降りたのでしょうか。
竹元博幸氏(霊長類研究所研究員)はその理由をチンパンジー、ボノボの生活様式から考察しています。
“チンパンジーとボノボの観察を通して、気温の低い雨季はほとんど樹の上で生活しているのに対し、暑い乾季には地上で過ごす時間が大きく増えることが分かりました。”
“初期人類化石の発見地は、 2,300万年前から1,800万年前には広くアフリカ大陸を覆っていた熱帯林の周辺部にあたります。
およそ900万年前から800万年前に始まった乾燥化は、北東アフリカなど当時の熱帯林の周辺部から始まりました。
このことから、乾季の出現という季節の始まりがヒトの地上生活のきっかけだったと考えることができます。
乾季が4ヶ月から5ヶ月以上続くと熱帯林は存続できません。森林が後退した後、樹が点在する開けた環境に適応できたのは、
森林内で既に季節的な地上生活を経験していたからだと思われます。(リンク)”
類人猿は「直立二足歩行は草原ではなく森林で進化した」こと、「気候変動による森林の後退⇒地上適応する必要があったこと」
から地上に降りてから直立二足歩行がスタートしたことは考えにくいかもしれません。
投稿者 hanada : 2022年04月15日 TweetList
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