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2011年08月30日

日本の支配階級の意識構造を解明する9~大転換すべき時期にきている

「日本の支配階級の意識構造を解明する」シリーズも、これまで8回に渡りお届けしてきました。
朝鮮半島の現状や歴史,宗教や東南アジアの歴史にまで踏み込んで追求してきましたが、このあたりで一旦まとめをしておきたいと考えています。
というのも、東日本大震災後、原発問題始め、政府の対応が後手後手に回る中、米国債暴落の兆候が表面化し、世界規模の経済破局が文字通り現実味を帯びてきました。
そのような中で、今後日本がどのような道を歩むべきか。必要な認識の一つであるからです。
Byさーね
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今日は、るいネットの投稿から、属国意識の構造をまとめてみたいと思います。
属国意識の形成過程(1)

そのきっかけは実質上の中国最初の統一国家、漢以降に行なわれた朝貢という国家関係にある。朝貢関係とは中国側から見れば圧倒的な国家の力関係を利用して周辺国との序列関係を確定する事であり、周辺国から見れば中国と朝貢関係を結ぶ事で侵略の危機を脱することができる。序列関係上の下を認め、言う事を聞く代わりに大国の庇護を受けるという関係になる。具体的には中国と高句麗、新羅、百済がそれに相当し、また日本も大和朝廷は大陸と朝貢関係を結んでいた。さらに高句麗や新羅が建国される前からも朝貢関係は中国国内で王朝と周辺諸侯が納める小国との間で結ばれていた。
(・・・中略)
そうして朝鮮半島を8世紀には統一し、戦乱で疲弊していた唐までも国内から追い出し、最終的には完全独立を達成する。この「日和見主義」で、「よらば大樹の陰」の新羅が半島を統一した意味は大きい。同じ扶余族出身であるが、百済や高句麗よりはるかに弱いという国家状況が新羅の危機意識を刺激し、それが強力な属国意識に可能性収束し勝つはずのない新羅が勝ち続けた。いわば、属国意識とは弱小国家の軍事戦略そのものであった。

強いものが勝つという序列社会の中で、弱いものが自立するという国家のあり方はある意味画期的。それ故に、属国意識はかなり強かったのでしょう。
属国意識の形成過程(2)

しかし朝鮮半島と日本が大きく枝分かれするのが、平安時代以降である。
899年遣唐使の中止などそれまでの朝貢関係を排除する事に成功したが、それは単に唐が内戦によって弱体化したという相手側のお家事情に他ならない。また、相手が弱体化すれば一気にそれまでの国家間の序列関係を排除できるというのも海という防衛網を持つ日本特有の動きである。同時代の朝鮮は一様に中国の圧力は受け続けている。
ここから日本は独立国としての路線をとり始める。しかし、一旦植えつけられた政治手法はその戦場を国内に移したに過ぎず、平安時代以降は内政としての属国意識が継続する。
寄らば大樹の陰、序列関係の形成と転覆の機会を伺うといったせせこましい政治意識はその後の日本の権力闘争に転写され、存続した。
一方朝鮮の方は高麗、李氏朝鮮と時代を経るに連れて中国との属国関係はより強力になり、まさに小中華として存続する道を選ぶ事になる。

一度、属国意識が形成されてしまうと、常に上位の大国を伺うしかなく、大国の国力が弱くなる時しか闘えない。属国意識だから、自ら判断や方針が出せないということを示しています。
古代日本と古代朝鮮における属国意識の違い

朝鮮半島での国家存続は、陸続きである中華帝国との関係に強く依存している。中華帝国との関係破綻は、国家滅亡に直結しているからだ。朝鮮半島の国家は、必然的に「中華帝国の属国」となることで存在の基盤を確保する一方で、属国という狭い枠の中で主導権争いを繰り広げることになる。
☆朝鮮半島では、属国であり続けないと、国家が存続できない。
日本は、朝鮮半島の敗者が日本に落ち延び、列島の縄文人・弥生人を支配するという国家が作られていく。圧倒的多数の縄文人・弥生人に対して渡来系支配層は敗者であり少数派、かつ支配氏族間の序列関係もはっきりしなかった。このため、「中国皇帝のお墨付き」を武器にして、序列上位に立ち、支配を正当化する氏族が登場する。
☆日本列島では、他を圧倒する「力の基盤」がない為に、中国皇帝の威を借りる属国意識が登場した。

日本は、力の基盤をつくるために大国の後ろ盾が絶対に必要だった。アメリカべったりであった首相とよく似た政治手法ですね
「支配階級の属国意識」と「被支配階級のお上意識」はどのようにつながっているか?

日本の支配階級は大衆の側よりも宗主国の意向を伺う。そうしないと政権が安定しない。そのことは、自民党末期における日本の首相が長続きしなった事実と、他方で中曽根・小泉・菅といった属国意識丸出しの首相だけが長続きした事実からも明らかだ。こうした支配階級の属国意識の強さは、遡ること、南朝へ日本国王としてのお墨付きをもらいに行った、5世紀の「倭の五王」にまで遡るだろう。
・・・(中略)
まとめると、日本の支配階級は半島の私権闘争の敗者であるが故に属国意識が強く、同時に内政的には土着豪族たちに頭が上がらず、従って婚姻関係を重視した連合戦略となった。そのようにして土着豪族たちの生活基盤、共同体の共認充足が保持された。そのことによって逆に激しい戦争もなく、それ故に政治に対する期待も「安定期待」以上のものにはならず、共同体を超えた社会統合は「お上」のやること、という意識が生まれていった。・・・ということではないか。

日本では、支配階級の属国意識に対して、庶民は共同体が崩壊せず存続した。よって、自らの集団のことは常に考えてきたが、その上の国のことは全く考えてこなかった
この意識構造は、今後の日本にとって弱点になり得る危険性がありそうです。
例えば、最近こんな記事があります。

宮本大使は中国の大国化を望む「朝貢国の使節」か
政治家は相変わらず属国意識のまま、単に大国に寄り添うだけなのではないか。
世界規模の経済破局を迎えれば、中国は、元の戦国時代さながらに掠奪,暴動となり、大国崩壊の危険性もあります。
ところが、支配階級の属国意識は相変わらず変わらない。これまで見てきた歴史もそれを証明しています。

だとすれば、属国意識が染み込んだ支配階級に代わり、素人が国のことを考える。
大転換が必要な時期に来ているのではないでしょうか。

投稿者 sawatan : 2011年08月30日 List  

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