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2007年02月06日

「贈り物」の起源?!アカに見る食料分配

Akahunting3thumb1.jpg
一日平均2~5時間で食料を確保することができ、農耕をしないのか?との質問に「ふんだんにモンゴンゴの実 があるのに、何でわざわざ作物 を植えたりしなければいかんのかね」と語ったという狩猟採取民。あとの時間は、歌 や踊り など余暇?を過ごしていたりするそうです。
                       
う~ん、うらやましいような。。。
でもでも、それで集団が統合できたの ってずーっと疑問だった、みつこ 😀 です。
                   
外圧が低下した狩猟採集民がどのように集団を統合していたか?
その社会システムがわかる研究を見つけましたので、報告しまーす!
山口大学の北西功一氏のHPより「中央アフリカの熱帯雨林に住む狩猟採集民アカ」についての記事から引用させてもらいました。とても詳しくて嬉しくなりました~
注目したのは、彼らの「食料分配」
彼らは獲得した食料を成員に平等に(?)分配しているのですが、、。
さて、いかに?
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食料供給の安定ということだけを考えるのなら、集団のメンバーがとってきた食料をいったん集団全体でまとめて、それを個人ごともしくは家族ごとに分けていったほうが簡単でみんなに見える形でわかりやすく集団全体にいきわたるように思える。つまり、食物を集団によって共有するのである。
 
しかし、アカでは食物の所有者は常に個人であり、その個人が食物を分配する。彼らの経済はルソーやモルガンによって想定されていた「原始共産制」とは異なり、個人による物の所有は認められている。ただし、その所有は私有財産制における物に対する権利や義務とは異なっている。結局分けてしまうのにどうして個人が所有者になっているのかということを考えてみたい(実は分けるためにこそ個人が所有者になっているのだが)。

このような分配を前提とした所有をどのように考えたら言いのだろうか。私は当初「彼らはなぜ自分のものである食物を分けないといけないのだろうか」と考えていた(これは自文化中心主義的な考え方である)。そこで、私はアカにどうして食べ物を分けるのかという質問をしたが、そのとき彼らは私の質問の意図を理解できなかった。つまり、彼らにとって食物を分けることはあまりにも当たり前のことであり、分けることに理由など必要ないのである。彼らにとって実際に問題になるのは「なぜ分けるか」ではなく「なぜ分けないか」であって、分けないことにこそ理由が必要となる。だから、分けなかったときに理由を尋ねるとすぐに答えが返ってくる。ただし、その理由はいつも同じで「(食物の量が)少ないから」というものである。

アカや他のピグミーでもはたから見ていると無意味とも獲れる分配を盛んにおこなっている。市川(1982)にあげられたムブティ・ピグミーにおけるハチミツの分配の事例では、キャンプのみんながその日ハチミツ採集をおこない、みんながハチミツを手に入れたにもかかわらず、キャンプでさらに分配し合い、結局ハチミツを分配しあう前と後で各々の家族が所有するハチミツの量にはほとんど違いはなかったということであった。
 アカにおいても、料理の分配では、女性は夕方にみんな同じような料理を作っていることがよくある。なぜなら、大きな肉が獲れればみんなに分配し、採集も女性が集団で出かけることがあるので、料理の材料とその量に違いがないのだ。そのようなときでも自分の作った料理を他の女性に与え、自分は他の女性の作った料理を食べている。結果的には、分配してもしなくても食べる料理の質と量に大差はない。

うーん、不思議ですね 🙄
どうして彼らはわざわざそんなことをしているのでしょう?気になります
北西氏は以下のように述べておられます。

見返りを求めない贈与は人間関係に影響を与える。プレゼントは与える人が受け取る人と仲良くやっていきたいから、そして/もしくはプレゼントを与える人と受け取る人の仲が良いからわたすのである。つまり、両者の関係の形成、維持、確認の意味を持つ。

なるほど!!
つまり、集団維持(集団内の共認形成)のためってことですね。
るいネットに、
>「贈り物」とは互いに顔の見える範囲の個体と集団の統合原理である共認原理を集団外にも延長したもの
との見解があったのですが、まさに集団内においてはこのような分配を通して規範化されていたのですね!
食料が豊富な環境下にあって外圧が緩んだ狩猟採集民が集団統合のためにとった手段は、このような一種儀礼的な規範収束。これを成員が守ることで、充足を得られる仕組みだったんだ
とっても納得でした

投稿者 mituko : 2007年02月06日 List  

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