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2022年03月11日

現生人類の進化の謎を握る原人=ホモ・エレクトス。ユーラシア発の可能性

写真は原人の故郷ジョージアのドマニシ遺跡

 

現在の学説では、ヒトの進化は、猿人→原人→旧人→新人へと進化したとされています。

しかし、猿人(アウストラロピテクス)の脳容量は、現生人類の1/3程度の400~450mLで、チンパンジー400mLとほぼ変わりません。また、猿人は進化の過程でほとんど脳容量が進化していないことから、類人猿に近い存在と考えた方が良さそうです。

 

それに対し、原人(ホモ・エレクトス)の脳容量は、初期は750~1200mL程度で、ホモ・サピエンス(新人)1400~1600mLに近い。

原人以降、急激に脳進化が進んでおり、ヒトの進化を考える上で、原人の進化史を分析することが重要です。

こちらから

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■頑丈な骨格のホモ・ハビリスは猿人に近い

なお、これまでの学説では、初期原人はホモ・ハビリスといわれます。

エチオピアのレディゲラルで発見され、約280万年前の化石といわれます。礫石器を使った痕跡があり名前の通りホモ属となっていますが、現代の研究ではホモ属ではないという説が有力です。全身の骨がみつかっているわけではないですが、頑丈な骨格で、短い足と長い腕が特徴であるため、どちらかというとアウストラロピテクス=猿人に近いと言われています。<『われら以外の人類』内村直之著 2005年 p.158-162>

写真はホモ・ハビリス

 

■華奢なホモ・エレクトスが人類に近い

写真はホモ・エルガステルのトゥルカナ・ボーイ(写真はこちら

 

したがって、原人で注目すべきは、ホモ・エレクトスです。特徴は華奢な体格で、大きな頭蓋の容量を持ちます。脳容量は750~1200mLで、現生人類の75%程度。また、歯はより小さく、現代人に近いのが特徴です。

同じような原人でホモ・エレガスカルという原人もいますが、近年の研究ではホモ・エルガステルの変種(亜種)と考えられており、とりわけ区別する必要はなさそうです(アフリカで発見されたものをホモ・エルガステル、ジャワ島で発見されたものをホモ・エレクトスと呼んでいる程度の違い。)

 

 

■広域で移動したホモ・エレクトス、最古のものはユーラシアで発見

ホモ・エレクトス(ホモ・エレガスカル含む)の骨は、はインド、インドネシア、中国北部、シリア、イラク、アフリカなど広域で発見されており、移動範囲が広いことが特徴です。

股関節の構造や大腿骨と背骨の角度が120度であることから、完全な二足歩行が可能であり、大移動を実現できたと推測できます。

ホモ・エレクトスの骨の発掘場所 図はこちらから

※なお、バルカン半島以西のヨーロッパへの進出は90万年前以降

 

分析手法によるため一概に比較はしづらいが、旧い順に年代別で見ていくと、

 

①リワット(パキスタン、190万年前)

②ドマニシ(ジョージア、185万年前)

③オルドバイ渓谷(タンザニア、180万年前)

④モジョケルト(インドネシア、180万年前)

⑤スタルクフォンティン(南アフリカ、180~150万年前)

⑥ウベイディア(イスラエル、160万年前)

⑦サンギラン(インドネシア、160万年前)

⑧人宇洞(中国、150万年前)

⑨アタブエルカ(スペイン、120~78万年前)

⑩トリエール(インドネシア、110万年前)

 

※年代はNational Geographic人類史マップを参照

 

 

年代順に古いのが、パキスタンのリワット(パトワール高原、190万年前)、そして、ジョージアのドマ二シ(185万年前)、タンザニアのオルドバイ渓谷(180万年前)。また、古い順にトップ10でみてみると、ユーラシア大陸で発見されたものが8つ。

従来、原人はアフリカ発と考えられていましたが、近年の発掘でアフリカ起源説が揺らぎ、ユーラシア起源説の可能性が高まっています。

 

なお、インドネシア・ジャワ島はホモ・エレクトスの遺跡が集中しており注目に値しますが、最近の日本・インドネシア合同の調査・分析の結果、サンギラン遺跡の骨は古くても130万年前に修正されています。

ただし、推定年代は分析手法によって年代が動くため、世界中の遺跡で統一の分析手法による比較を行う必要があります。

ジャワ原人の年代、絞られた? | 検索サイト2021 (sakura.ne.jp)

初期のジャワ原人の古さ、明らかに | Research at Kobe (kobe-u.ac.jp)

 

今後、当ブログで、原人の拡散について詳細にご紹介していきますので、お楽しみに!!

投稿者 ando-tai : 2022年03月11日 List  

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