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2022年02月08日

【縄文再考】 人類のアジア起源説 オランウータン~から縄文人まで

皆さんこんにちは。

今回は、縄文人がどこから来たのか、人類の起源までさかのぼって検討します。

実は、人類の起源は、オランウータンとの共通の祖先で、従ってアジア起源、そのまま東アジア地域の人類進化に繋がり、縄文人もその中に含まれる、と言うお話です。

古人類 化石人骨年代一覧と人類進化系統樹

(進化系統樹はこちらから)

人類起源に関して、古人骨に対する分子生物学のDNA解析で様々な見直しが生じています。従来の形態学的解析と照査し、人類のアフリカ単一起源説や、チンパンジー祖先説さえも見直しが可能な状況です。

上の表は、化石人骨の年代測定の結果と出土場所別に一覧化したものです。まず、最も古い化石人骨は、インド北西部のシワリクで1910年に発見されたシヴァピテクスで、アフリカではありません。その後アフリカで様々な古人類(アウストラロピテクスやパラントロプスなど)が年代的に継続して発見されています。しかし、最も古い古人類が北インドとなると、何時アフリカから出てきたのでしょうか⁉

比較的新しい年代では、ホモハビリス、ホモエレクトス、ホモサピエンスと、アフリカからアジアへ展開したように見えなくも有りません。しかし人類の祖先となる類人猿まで広げて考えた場合、アジアに生息するオランウータン、アフリカのチンパンジーやゴリラとの関係が考慮されるべきで、実は大型類人猿で最も人類に近いのは、オランウータンであることも分かっています。

 

直立二足歩行できるのはオランウータン

アウストラロピテクスが、骨格的に直立二足歩行をしていたことがコンピューターシュミレーションで明らかになっています。チンパンジー、ゴリラは、ナックルウォーク(二足歩行ではない)で、骨格も異なると言います。樹上生活をしていたオランウータンだけが、「大きな安定した枝の上を歩く時や細い枝の下を渡る時は四足を用い、直径4cm以下の細い枝の上を歩く時には腕でバランスを取りながら二足を用いて歩行することが明らかとなった。」wikipediaいます。

もし、人類の起源がアフリカの類人猿でなく、アジアの類人猿=オランウータンに近いのだとしたら、人類はアジアで進化し、アフリカに到達した可能性もある。

因みに、オランウータンと人類の分岐は1400万年前で、チンパンジーがヒトと分岐したとされる478万年より古い。しかも、シヴァピテクス以外にも、サヘラントロプス・チャデンシス(700~680万年前)、オロリン・トゥゲネンシス(610~580万年前)、アルディピテクス・カダッバ(580~520万年前)など、チンパンジーとの分岐以前に人類化した人々が存在している。

もはやチンパンジーとの分岐は、成り立たない。

現実的には、様々な古人類が各地を往来しながら交配し、遺伝子を分け合いながら時には別の進化をしたり、一部は絶滅することもある。そう想像したとき、アフリカからユーラシア大陸、東アジアのスンダランドや島しょ部など、往来しながら次第にホモサピエンスになっていったのだとすると、各地域に各段階の骨が残っていても不思議ではない。

 

ネアンデルタール人とデニソワ人と縄文人、現日本人

ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)とデニソワ人(ホモ・サピエンス・デニソワ)は、交配し現生人類へもその遺伝子を継承していると言う。デニソワ人は、ロシア中南部のアルタイ地方の出自と言われる。

 

「デニソワ人と東アジアやヨーロッパの集団との間には交雑が認められず、メラネシア人のゲノムの4~6%だけがデニソワ人固有のものと一致することが示されました。その後に行われた東南アジア集団の詳細な解析で、デニソワ人のゲノムがこの地域の広範な集団に共有されていることが明らかとなり、交雑の起こった地域も東南アジアである可能性が指摘されています。」(篠田謙一博士「DNAで語る日本人起源論」岩波現代全書)と篠田博士は言います。

この東南アジアの交配の豊かさと、その後の縄文人の東アジア各地から来た人々の交配から縄文人が、日本列島で多様性に満ちて暮らしていた様々な人々が「縄文人」とする可能性も有ります。

縄文人が「均一」ではなく、南方、大陸の北、朝鮮半島の様々な同時代人とその都度交配して、少しづつ違う文化を持つ人々が地域ごとに日本列島に根付いた。そう考えることもできると篠田博士は言います。

特に南方からの渡来は、古人類 化石人骨年代一覧と人類進化系統樹表の通り、旧石器時代の人骨が沖縄列島や青森県で見つかることも、既に旧石器時代に日本の南部から北部まで到達していた、と言えるので、その後の縄文時代も決して単一的な民族ではなく、多方面由来の人々がそれぞれ暮らしていた、と考えられます。

 

東アジアの色濃い多様性の一部に縄文人=縄文時代に日本列島に居住した多彩な人々

約170万年前のホモ・エレクトス・ユァンモウエンシスホモ・エレクトス・エレクトスホモ・ぺキネンシスホモ・フローレシエンシスホモ・ ネアンデルターレンシスホモ・サピエンス・デニソワ沖縄・青森の旧石器人。その流れの中に縄文時代の日本人も居た。

その後弥生時代に朝鮮半島より渡来した人々とも混血し、弥生人、その後の古墳時代人が形成され、次第に「日本人」となった。

遺伝子や化石人骨はそう語っている、と思うのですが、如何でしょうか。

投稿者 sai-yu : 2022年02月08日 List  

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