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2012年08月14日

縄文考“ヤマト”とは何か?本編⑤~アヤで解く“ヤマト”~

縄文考“ヤマト”とは何か?本編③~“ヤマト”を日本語で探る~では、“ヤマト”が2音で構成されている考え“ヤマとト” “ヤとマト”の意味を考えてきました。そして、言葉のアヤ(綾)からはどちらも“縄文人体質・気質”を表しているヤマトコトバとしての「ヤマト」だと推測しました。

文字も持たずに話し言葉だけ生活し、2種類の意味を兼ねた『ヤマト』を見出した縄文人。今回はこの2種類の意味、言葉のアヤ(綾)についてみてみたいと思います。

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4.アヤで解く“ヤマト”
前述したようにヤマトを“ヤマとト”に分解した場合、“ヤマ”を“大きな”“たくさん”と捉えると、“ヤマト”ではなくて“オオト”でもいいのではないか?と考えられます。
実際“ヤマト”の地名があるように“オオト”という地名も多くあります。(地名:オオトのリンク

ではなぜ“オオ”ではなく“ヤマ”が選ばれたのか。“ヤマト”を読み解く次の疑問になります。それは「アヤ(綾)」ではないでしょうか。
「アヤ」とは

文章などの表現上の技巧。いいまわし。ふしまわし。
経糸(たていと)緯糸(よこいと)が交差した模様、織物
になります。

古代の人々は言葉や文章が醸し出す深い意味を織物に例えました。
日本語の表現技法である「アヤ」の他にも、「原文・文章」の意味を持つ「TEXT(テキスト・テクスト)」の由来はラテン語のTEXTUS(織物の意)になります。
縦軸の意味、横軸の意味が交差し織りこまれ、言葉や文章の織物が出来上がります。

次に「アヤ」はレトリック(修辞技法)とほぼ同義だと考えられます。レトリックとは
・相手に感動を与えるように最も有効に表現する方法・・・広辞苑
・文章表現の効果を高めるための方法・・・明鏡国語辞典
「アヤ」は文章表現の技術(テクニック)になります。

本居宣長「うひ山ぶみ」から「アヤ」について抜粋します。
〈ウタ(歌)についての心得〉
そもそも歌とは、思う心を言い述べる術のうちでも、日常の言葉と違って、必ずことばに綾(アヤ)をなして、しらべを麗しくととのえる道具である。このことは神代のはじめからそうであった、ことばの調べに無関心でただ思うままに言うのは、普通のことばであって、歌というものではない。
人が聞いて、ああいいなと思い、神が感心するのもよい歌に限られるのである。よくよくことばを選んで、麗しく歌を詠まなければならない。(下線筆者)

この「アヤ(=レトリック)」の技法を“ヤマト”に当てはめると“オオト”では表現が
直接的で受けるイメージに広がりが持てません。“オオ”ではなく“ヤマ”にすることで“ト”の重要性や自然界の広がり、万物の繋がりがイメージしやすくなります。
“オオ”の場合は“たくさん”“多い”ことは理解できますが、そこまでになります。
“オオ”を“ヤマ”に変更することで日本列島の風景が浮かび上がります。
日本の景色は世界中の絶景に見られるような人智を超えた風景ではありませんが、個性的な山があふれる国です。日本では特徴のある山が多く、日本人は山に対して尊さと親近感を持ちます。
数量的な多さを表現するだけではなく、偉大で、ゆったりとした安定感を感じる大きさを“ヤマ”に込めているのではないでしょうか。
この根底にある感情が“ヤマト”の“ヤマ”であると考えられます。

“ヤマト”はわずか3文字ですが、意味の重層性そしてイメージの広がりがあります。
それがヤマトコトバの「アヤ」であると考えます。
漢字表記には“呪能”があり意味を固定し縛りつけます。
音声言語のヤマトコトバは複数の意味がタテとヨコに織られアヤをなします。

“ヤマのフモト” (富士)山のフモト
“ヤマと” 山と共に暮らす。
“ヤ・マト” 同心円上に何層も拡がる
“ヤマ・ト” たくさんの人々が繋がる
以上、4点の内容を含んでいるのが“ヤマト”だと考えます。
どれか一つが正しいのではなく、すべてを含み、まだ他の意味があると考えられます。

ここまで調べた結果、“ヤマト”の意味することは
「(雄大な)山のフモトで暮らす人々が、山の恩恵を得て、たくさんの“~と~”によって“ツナ”がり“マト”まる。」

ここで最初に記した縄文土器の装飾が表す「ツナの思想」を思い出してください。
縄文土器は「人と人とが“ツナ”がることの重要性」を表しています。
ヤマトは「人と人とが“ツナ”がり“マト”まること」を表しています。
ならば“縄文土器”“ヤマト”は関わりがあるかもしれません。

img_news.jpg 1-s023.jpg
ベニバナで染めた国内最古の
布製品と確認された正倉院の
「紅布衫」(正倉院事務所提供)
福井人の生活
昭和五十六年の第一号丸木舟
発見時 編布の発見

【縄文土器「ツナの思想」とヤマトコトバ「アヤ」について】
植物繊維を撚り合わせると「糸(イト)」になります。糸を撚り合わせると「紐(ヒモ)」になります。更に撚り合わせると「縄(ナワ)」になり、「綱(ツナ)」になります。
細い繊維を撚り合わせ次第に太くしていくと、力強い螺旋を形成し「ツナの思想」に行き着きます。
植物繊維を撚り合わせた糸をタテとヨコに交差し織りあげると「線」の集積が「面」になり、「布(ヌノ)」になります。布にはコトバを織物として捉える「アヤの発想」があります。

世界の人類史では時代区分を石や鉄などの「切る道具」によって分類します。
石器時代・青銅器時代・鉄器時代です。
たしかに重要な道具であり劇的な時代の変化ですが、人類の歴史において繊維を束ね
「撚る(ヨル)・織る(オル)」という工夫をした祖先の営みも重要だと思います。
考古学上の遺物である石器・青銅器・鉄器には確かに神聖・霊性・呪術性を感じます。
また、「結ぶ・巻く・纏う道具」の縄や布にも同じように神聖・霊性・呪術性があると
感じられます。
日本での時代区分は新石器時代の代わりに縄文時代が充てられています。
共認関係でツナがっていた時代に相応しい名称だと思います。
ツタ考から続く道具に対する見方、植物繊維から作られたナワ・ヌノの重要性を
もう一度、「アヤ」の考察により確認することになりました。




【まとめ】
如何でしたか?アヤを通して「切る文化」以前の繋ぐ・結ぶ文化である”ヤマト”・縄文時代の息吹を感じていただけましたでしょうか?
次回で本シリーズの区切りとなります。次回もご期待下さい。

投稿者 yoriya : 2012年08月14日 List  

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