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2006年09月30日
縄文晩期の気候変動が農耕につながった?
るいネットの衛藤さんの投稿にタイムリーな気象データーがありました。
日本列島のヤンガードリアス期後の1万年前からのデーターです。縄文時代の気候状況
>10200~10000年前 再び急速に上昇
10000年前 -2℃日本列島分離
10000~ 7500年前 ここからはゆっくり上昇
(9500年前まで漸暖期)
(8000~5000年前ヒプシサーマル(高温期))
7500年前 0℃
7500~5000年前 さらに上昇
(6500年前~照葉樹林)
(5700年前~スギ林)
5000年前 +2℃最高期縄紋海進期海面+5m
5000~4000年前 急速に下降
4000~3000年前 0℃かすかに上昇がみられる
(3500年前サントリーニ火山の大爆発)
3000~2500年前 急速に下降
(2500年前まで減暖期海面0m)
2500年前 -1℃極小期
2500~2000年前 急速に上昇
2000年前 0℃現在まで続く
注目していただきたいのは太字の部分です。BC1000年、この時期は世界的にも大きな気候変動が起きています。気候変動は同時に世界の文明史を大きく動かす事になります。
中国は安定した殷の時代が終わり、この後戦国時代に突入します。
また西アジアではアッシリアができ、ユダ、イスラエルが登場し各国がせめぎあう時代に入ります。
ヨーロッパでは鉄器時代に突入し、ギリシア支配が始まります。その後しばらくしてギリシャ哲学が生まれます。つまりBC1000年~BC0年は世界中で思想(宗教や哲学)がはじまり現在の国家の原型がでいあがる時代です。
当然、縄文時代においてもこの時代に大きな変化が起きているはずです。
その上で3000年ー2500年の気候変動の動きは一つの軸になるのではないでしょうか?
海岸線が変わるほどのこの時期の気候変動、どれほど凄まじかったのだろうか?
大阪平野もこの時代に生まれたと言われています。
何か情報がありましたら投稿願います。
追記に縄文時代の主要な遺跡と気候に関する情報をまとめてあります。大雑把に縄文時代を押さえるのに使ってください。
(tano)
縄文草創期:
BC10000年/与那嶺海底遺跡(世界最古の巨石文明か?)
BC7500年/上野が原遺跡(南九州の縄文文化の最盛期)
BC7000年/垣の島B遺跡(世界最古の漆塗り製品が出土)
BC7000年/粟津湖底遺跡(ヒョウタンの表皮と種子を検出。根菜類栽培の裏付けとなる
縄文草期
BC5000年/桑野遺跡(中国の長江文明に起源を持つけつ状耳飾りを大量検出。日本列島と中国大陸の関係を示すか)(中国長江でけつ状耳飾りが大流行)
BC4300年/南九州の縄文文化火山噴火で壊滅状態(喜界カルデラの大噴火)
縄文前期
BC4000年/三内丸山遺跡(栗の栽培、大型集落の確認、組織的な社会の形成)(気候温暖化のピーク。縄文海進のピーク。以降寒冷化に向かう)
朝寝花貝塚(稲のプラントオパールを検出。縄文時代の稲(陸稲)の栽培が行われていた可能性)
縄文後期
BC1500年/寺野東遺跡(東京ドームの2倍にも及ぶ巨大な盛土遺構。宗教的儀礼の活発化を示唆)(世界的な民族移動説・世界的な気候の寒冷化)
縄文晩期
BC300年/菜畑遺跡(縄文時代晩期には本格的な水稲耕作が伝来していた事を決定付けた遺跡)(気候の寒冷化が底打ち)
投稿者 staff : 2006年09月30日 TweetList
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