【縄文再考】 人類のアジア起源説 オランウータン~から縄文人まで |
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2022年02月11日
【縄文再考】鬼界カルデラ噴火による自然サイクルの乱れが縄文人の人口減少につながった?
皆さんこんにちは!
先月は日本からおよそ8000キロ離れたトンガの海底火山が噴火しました。
今回のトンガ噴火で放出した力学エネルギーは広島原爆爆発の数百倍といわれています。
縄文時代でも鬼界巨大カルデラ噴火によって南九州縄文人が絶滅した可能性が高いと言われています。
今回は縄文時代の噴火による自然災害の影響、縄文人が滅亡するまでに至った彼らにかかった外圧について順を追って追求していきたいと思います。
■1000年に1度のトンガ噴火は何が起きたのか
先日(2022年1月15日)にフンガ・トンガ フンガ・ハアパイは海底火山でありその被害の影響をNASAでは以下のように述べています。
“NASAによると、今回の噴火は非常に強力だったため、新しい陸地は全て破壊されたほか、古い2つの島の「大部分」もなくなったという。
トンガ政府は、人口の80%以上が噴火とそれによる津波、火山灰の影響を受けていると発表した。これまでに津波で3人が亡くなったと確認されている。リンク “
そもそも、カルデラ噴火とは、大量のマグマが短時間のうちに地表に噴出し、大規模な陥没孔(=カルデラ)が生じる現象です。
カルデラとは直径約 2 km 以上の陥没地形を意味しますが、火山性カルデラの多くは大量のマグマ噴出を伴う巨大な火山噴火により形成されたものになります。
過去 1 万年間に大型カルデラを形成した VEI 7 以上の噴火は,地球上で少なく
とも 8 回,そのうち 1 回は日本での 1 回は 7300 年前に鹿児島南方の東シナ海で発生した鬼界アカホヤ噴火であり,これは完新世(約 1 万年前以降)における地球上で最大の噴
火であるといわれていますリンク)。
■南九州縄文人は鬼界カルデラ噴火で絶滅した?
日本で巨大カルデラ噴火が起きたのは約7300年前と言われています。
この時期は縄文中期と呼ばれる比較的豊かな時期で近年では比較的高度な技能集団だった集落も鬼界カルデラ噴火によって全滅したとされています。
“ 火山灰は南九州一帯の地層に 60 センチ、大分県で 50 センチの厚さで残っているが、通称「アカホヤ」と呼ばれる。”
“比較的近年、アカホヤの地層の下から縄文時代の大集落が発見されて、縄文文化再評価のひとつとなった。
その集落は舟作の工具(世界最古)や燻製施設と大量の炉、独自の貝殼紋の土器などをともなっていた。この高度な海洋民族を思わせる縄文人を全滅させたことがわかるリンク。”
縄文中期の当時最先端だった集落をも全滅させてしまった巨大な噴火ですが、なぜ南九州人は“絶滅”まで至ったのでしょうか。
■火山噴火による降灰とエアロゾル(空気中を漂う微粒子)による自然の生態系への影響で段階的に縄文人を蝕んでいった
縄文人を襲った噴火は降灰や落石による物理的な攻撃を受けるのみならず、火山によって自然のサイクルが乱されたことから絶滅までのプロセスを辿っていったと考えられます。
“南九州を襲ったこの「鬼界アカホヤ噴火」によって、当地では30センチ以上もの降灰があったことがわかっている。これほどの降灰があると、森林は完全に破壊され、その回復には200年以上の時間が必要だと言われているhttps://toyokeizai.net/articles/-/119861?page=3”
また火山噴火による寒冷化への現象も指摘されています。
“ピナツボ火山の噴火では、成層圏にまき散らされたエアロゾル(空気中を漂う微粒子)によって太陽の光が遮られ、地球の平均気温が0.5度ほど下がった”
“1815年のインドネシア・タンボラ火山の噴火では、翌年の北米と欧州に夏が来なかった。北米東岸の平均気温は例年より4度も低く、6月に寒波が襲来して雪が積もり、池に氷が張った。また、8月には霜が降りたため、主要作物のトウモロコシが全滅したリンク。“
縄文人の人口減少は南九州縄文人の全滅のみならず、日本列島全体が噴火による寒冷化と作物採取・狩猟、漁猟ができなくなってしまったことに起因すると考えられます。
鬼界カルデラ噴火によって自然の生態系が破壊され、南九州縄文人のみならず、
広範囲で縄文人は階的に人口減少まで追い詰められていったと考えられます。
自然のサイクルと共に生きてきた縄文人にとって、自然循環が乱されることは死に直結するような大災害だったんでしょうね。
次回もお楽しみに!
投稿者 hanada : 2022年02月11日 TweetList
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