2022年3月18日

2022年03月18日

猿から人類の夜明け~猿人の進化・拡散の変遷~

画像:「人類史マップ」サピエンス誕生・危機・拡散の全記録P82-P83(日経ナショナル ジオグラフィック社)人類の群島より

みなさん、こんにちは!

今回は、原人からさらに遡って「猿人」と呼ばれる時代の人類の進化について調査・整理してみたいと思います。

 

現在、この地球という惑星に生息する唯一の人類「種」はホモ・サピエンスですが、その昔の約300万年前にホモ属が現われ、複数の「種」が存在していました。ホモ属からさらに遡ると、アウストラロピテクス属、パラントロプス属、ケニアントロプス属、アルディピテクス属、オロリン属、サヘラントロプス属など、多くの「人類以前」の多様な進化があったこともわかっています。

 

さらに約1300万年前に生物界において1つの発明がありました。熱帯地域(アフリカ、ユーラシア)のどこかで、「脊椎動物」に属する「哺乳類」の中で「霊長類」と呼ばれる長い4本の足を地面につけて歩いていた生物(シヴァピテクス属)が森林の草原化に適応するため2本足で立ち上がったということ。この人類の基礎と呼べる私たちの近縁種の歴史が始まったのです。彼ら「人類以前」の種たちは見事な系統樹ができるほど多様な適応と放散の中で絶滅を含む自然淘汰、進化積層のプロセスを経てホモ属(原人)に進化していきました。

画像:「人類史マップ」サピエンス誕生・危機・拡散の全記録P26-P27(日経ナショナル ジオグラフィック社)人類の進化図より

未だに解明されていないことだらけの「人類の進化」ですが、唯一確かなのは、この入り組んだ進化系統樹の中で、私たちホモ・サピエンスだけが淘汰適応の結果生き残ったということ。私たちは、まだまだ私たちのことを知らないのです。今回ご紹介するのは現在わかっている範囲に留まりますが、今後さらに新たな発見がなされる過程で、思いもよらない人類の進化のターニングポイントに出くわすかもしれません。

(さらに…)

投稿者 asahi : 2022年03月18日  

2022年03月18日

原人の変遷と特色~最も古いホモエレクトスはアフリカで発見

人類の出現と進化は、大きく「猿人→原人→旧人→新人」の流れで語られます。前回の記事では、初期原人と呼ばれてきたホモ・ハビリスは猿人に近く、注目すべきはホモ・エレクトスであることを紹介しました。
とはいえ、原人とは、約200万年前~1万年前に登場した人類(化石人類)の総称であり、その過程では多くの種類の人類が存在します。
今回は、そんな原人の種類、違いを詳細に分析することで、人類の起源の追求を深めていきたいと思います!

■脳容量の大幅な成長を遂げたホモエレクトスエレクトス

ホモ・ハビリス”以降”に登場したとされる原人を整理してみると…
190万年前    ホモ・ルドルフエンシス(アフリカ)
180万年前    ホモ・ナレディ(アフリカ)、ホモ・ゲオルギグス(西アジア)
170万年前    ホモ・レクトスユァンモウエンシス(東アジア)
160~150万年前  ホモ・エルガステル(アフリカ)
130万年前    ホモ・エレクトスエレクトス(南アフリカ)
80万年前      ホモ・アンテセッサ―(西アジア)、ホモ・エレクトスベキネンシス(東アジア)

ホモ・ルドルフエンシスも、ホモ・ナレディも、ホモ・ハビリスと比較すると、部分的には現代人に近い特徴を備えていること発見されているが、脳容量は500c㎥オラウータンやチンパンジー(400c㎥前後)とほぼ同じ容量。それに対して、頑丈な骨格で、短い足と長い腕が特徴の身体つきであるようです。

それに対して、ホモ・レクトスユァンモウエンシス(=元謀原人)は約800c㎥、ホモ・エルガステル(トゥルカナ・ボーイ)は約880c㎥と、脳容量が格段に増加している。頭蓋に関しても平面的な顔面(あごの出っ張りが目立たなくなる)など、現代人類と同様の特色が多くみられるようになった。
ただし、依然、頑丈な体格(背も高い)を有していたようです。

その後のホモ・エレクトスはさらに脳容量が950~1100c㎥と、現生人類に大きく近づくと同時に、体格においても身長は成人男性で140cm~160cm、体重は同50kg~60kgと小柄で脳・身体とも現生人類のバランスに一気に近づいています
やはり、注目すべきはホモ・エレクトスであるようです。

 

■最も古いホモ・エレクトスエレクトスの発見はアフリカ

では、このホモ・エレクトスの化石が発見された位置が重要となりますが…
ホモ・エレクトスの中でも、約130万年前の登場したとされるホモ・エレクトス・エレクトスは、南アフリカで発見されている。
約80万年前に登場としたとされるホモ・エレクトス・ベキネンシス(=北京原人)もホモ・エレクトスとされるが、約50万年もの差が生じていることを考慮すると、アフリカ起源説の可能性も高い

■ホモ・エレクトスは生存競争で絶滅!?

ただ、ホモ・エレクトスは、約20万年にホモ・ネアンデルターレンシスとの生存競争に敗れるなどを通じて、絶滅したとも言われています

古代人類ホモ・エレクトスは約11万年前までいた…他の人類と交配の可能性も

現生人類に繋がる流れを見出すためには、原人~旧人~新人の流れをより詳細におっていく必要がありそうですね!

 

投稿者 matudai : 2022年03月18日  



 
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