なんで縄文人は物を大切にしたのか? |
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2007年11月09日
『日本人』と『大麻』の関係3
みなさんこんばんわ!
前回の
『日本人』と『大麻』の関係
『日本人』と『大麻』の関係2
に引き続き今回も
麻生結のひとりごと
から引用させていただきます。
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●栃木県鹿沼の民俗伝承
~前略~
那須にある大麻博物館の館長さんであるTさんから『鹿沼史 民俗編』という本を借りているので、その中の一節を引用したい。
麻は昔から単なる植物・繊維としてだけでなく不思議な力を秘めたもの、呪術性を持ったもの、神聖なものとされてきた。その理由には麻の持つ特色があげられる。
一つには、繊維が強靱であるということ。さらには種を播いて短時間のうちにまっすぐに成長するということである。また、覚醒作用があることもよく知られている。こうした他の植物にはない独特の性質から、麻には不思議な力が宿っていると思われるようになったのであろう。麻にまつわるさまざまな儀礼や俗信は、麻の呪術性、麻の持つ強さにあやかったものと思われる。
麻の呪力 麻は神聖な繊維とされ、魔を除ける呪力があるとしてさまざまな用途に使用されている。大相撲の横綱は野州麻を撚って作られており、単なる飾りではなく、注連縄としての意味があり、また強さの象徴でもある。
このほか、神社で授与するお札や幣を「大麻」といい、お札にも「大麻」の文字が記されることがある、また、神社の大きな鈴縄や、巫女が髪を結ぶ際にも麻が使われるように神社では麻が重要な役割を果たしている。
また、かつてはお産の際に、天上から吊した麻縄にすがって出産したり、生まれた赤子の臍の緒を縛るのにも麻糸が用いられた。」 (『鹿沼史 民俗編』 鹿沼市編さん委員会、鹿沼市、2001年)
~中略~
整理すると、大麻に不思議な力、呪術性、神聖さがあると見なされてきた理由は三点あげられる。
(1)繊維の強靱さ
(2)短時間にまっすぐ成長するという成長力の強さ(大麻は4月に種を播いて8月には高さが2~3メートルにもなる。茎(くき)はみごとに真っ直ぐに伸びる)
(3)「覚醒作用」と言っているのは、狭い意味での覚醒(アンフェタミンなどのアッパー系)ということではなく、意識を変える作用、向精神作用があるといった程度の意味だと思われる。大麻は3~4ヶ月で2~3メートルになるって確かにすごいですね!単純に計算すれば平均して一日に25mm程度伸びているわけで、自然を常に注視している縄文人にとっては、それはそれは不思議な植物だと思ったことでしょう。
ちなみに、忍者はジャンプ力をつけるために、成長の早い植物(麻)の種を庭にまき、どんどん成長する麻を毎日飛び越すのだとか。最初は楽勝だけれど、どんどん苦しくなる。昨日より少し高く飛ぶ努力を続ければ、麻が伸びるに連れてぐんぐんジャンプ力が増し、ついには超人的な体力を得ることができる・・・なんて話しもあるほど。(まっ、これは話半分に聞いておいて!)
●植物繊維の強靱さ=呪力
「たとえば、植物の繊維は一本だと弱いが、それを数本あわせて撚(よ)りをかけ縄にすると、巨大な石をもちあげる強力な力を発揮します。そこでその「超自然な力」にあやかろうと古代人は壊れやすい土器の表面に縄の模様を刻み込んだ、とわたしはかんがえています。それが縄文土器です。~後略~(上田篤『神なき国ニッポン』)
これはなにげなく手にした本の一節。自分が常々、考えていたことと同じことを指摘している人がいるんだなーといったところ。先ほどの鹿沼の民俗の本で、麻に不思議な力があると見なされている理由に繊維の強靱さをあげていたが、特に大麻の特性として繊維が強く、耐水性があることは知られている。
そして繊維を撚(よ)ること、そして編むこと、結ぶことといった技術は、現代人からすれば当たり前すぎて、何ということもないことだが、古代の人々にとっては画期的なことだったはずだ。当然ながら、それらは同時に出来たわけでなく長い時間をかけ、細長く柔らかい素材を撚り、編み、結ぶといった工程を試行錯誤して生み出された。
何か重い物を運ぼうとするとき、最初は一本の蔦(つた)を結んで引っぱっただろうが、細い蔦を撚り合わせた方が丈夫でより重い物を運べ、その上、柔らかいので縛りやすくいろいろな形のものも運べるようになる。麻の糸を撚ったものは縄、つまりロープで、今日まで漁船から大型客船や軍艦まで船を係留するのに麻縄が使われてきたから、とんでもなく長い間、実用品だった。
~中略~
日本のカミの属性として、超人的な威力を持つ恐ろしい存在という面があげられているが、そこにある強さへの畏敬は、麻の繊維の強靱さに対する驚きであり、それが今日も破魔力として生きているのではないか。魔を除ける呪力とは、魔の力よりも強い力を持っているものを身に付けることで、魔を除けるということである。
~後略~
確かに・・・と思うところが多いですね。重いもの引っ張ることのできる強靱さもさることながら、採集生産においては、籠や袋も重要で(例えば木の実も籠や袋が無かったら両手で掴める量しか持ってこれない・・・)これが発明できたことで、どんなに有り難いと思ったことか・・・。
土器はモノを貯めたり、煮炊きする為に作られたが、その為にはモノをまず確保(採集)することが必要で、土器以前に籠や袋は作らていたことでしょう。麻(大麻)から籠や袋が作られる。これはホントに画期的なことだったと思います。“神様仏様”ではなく“神様大麻様”ってな感じだったと思いますよ!
投稿者 mrran : 2007年11月09日 TweetList
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コメント
投稿者 ぐっぴー : 2008年7月15日 13:40
とても、勉強になりました。