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2022年04月29日

なぜ人類は洞窟から出ることができたのか~縄文時代における大型動物の絶滅について

みなさん、こんにちは。
この間、類人猿を中心に追求を進めてきました。木に登ることことができなくなった類人猿は、長い間、他の動物が近寄らないような洞窟で生活するようになりました…ようやく洞窟を出ることができたのは、縄文時代

氷河期を終えて、暖かくなり、実をつける広葉樹・照葉樹が増えた時代であることは、もちろん洞窟の外に出る要因にはなりえるでしょうが、外敵を避けるために洞窟にいたことを考えると、それだけでは不十分でしょう。
重要だったのは、実りの多い時代となると同時に、マンモスやオオナマケモノ、ホラアナグマなどの大型動物の多くが絶滅したということ。暖かく・実りが多ければ、人だけでなく、他動物にとっても生存しやすい環境であったと思えますが…なぜ大型動物は絶滅したのか。今回はココを深堀りしていきたいと思います!!
その前に、よくある説の中に、高度な技術・認識をもった人間が狩りつくしたというものがある。
そのような力があったのであれば、なぜ長い間、人類は他の動物が近寄らないような洞窟で過ごす必要があったのかという疑問が生じます。打製・磨製石器そのものは石器時代、さらには原人のころからあったにも関わらず。
やはり、気候の変動の要因が大きい可能性が高い。
中でも、日本大陸における大型動物の絶滅について、国立科学博物館生命進化史グループの冨田氏は「大型動物の絶滅っていうのは2つのフェーズがあった」ことを提起しています。
2つのフェーズというのは、別々の時期に別の理由で絶滅した2群の動物がいるということのようです。
ひとつは、ナウマンゾウに代表される、ナウマンゾウ・ヤベオオツノジカ動物群と呼ばれるもの。
これは本州側の温帯地域に住んでおり、暖かい時期には北海道に渡ったこともある。
一方で、寒い地域から北海道に入ってきた、マンモス、ヘラジカ、バイソンなどのマンモス動物群。マンモスは北海道から本州には渡らなかったが、ヘラジカ、バイソンは寒い時期に本州に進出した。同時代的にはこれらの2つの動物群が地域ごとに棲み分けていた。
1万9000年前に氷期がピークになった後、1万6000年前ぐらいまで寒いんですが、その後一気に暖かくなっていること。
一番最後のナウマンゾウが2万3000年前ぐらいまで生存。マンモスで1万5000年とか1万6000年前とか。バイソン、ヘラジカなんかはもっと新しい年代が出ていること。から…
氷期がピークに向かう時に、ナウマンゾウ・ヤベオオツノジカ動物群が滅び、氷期のピークがすぎて急激に暖かくなる中で、マンモス動物群が滅んだ。環境変動によって、篩い落とされたということ。

やはり自然環境という圧倒的な外圧の変化こそが最も大きな影響を与える。
そうした自然環境を注視、そこから生き抜く認識を見出そうとしたことこそが、人類の生きる力の根源なのかもしれません。

投稿者 sibata-h : 2022年04月29日 List  

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