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2019年09月12日

潜在意識で母音骨格をつかむ私たち日本人~会話とは意識の融和

世界中の言語はほとんどが子音言語である。英語圏を初め、中国語、韓国語もほぼ全世界の言語体系は子音言語(母音を聞き流す言語)である。母音語を主体に音声認識をする言語として確認されているのは、ポリネシア語族(ハワイ語なども含まれる)だけで、比較すると極めて少数派である。黒川伊保子シリーズ第3回目はこの母音言語の使い手の可能性を紹介したい。

現代社会が出口を見失い、突破口を探す上で潜在思念で捉えるこの母音言語の日本語が持つ可能性は極めて重要に思える。

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日本語は母音を主体に音声認識をする、世界でも珍しい言語である。対して欧米各国やアジア各国の言語は、すべて子音を主体に音声認識をしている。しかもこれらのことばの使い手の脳では、母音は、ことばの音として認識しておらず、右脳のノイズ処理領域で「聞き流して」いるのだ。話者の音声を、母音で聴く人類と、子音で聴く人類。「言葉を聴く、脳の方式」という視点でいえば、世界は大きく、この2つに分類される。この2つの人類は、脳の使い方が違い、ことばと意識の関係性とコミュニケーションの仕組みが、まったく違うのである。

(中略)

母音言語族の日本語、子音言語族の世界各国語、この違いに気がついたとき、私はぞっとしてしまった。なぜなら「嬉しかった、ありがとう」の溶け合うような親密感に比べて「光栄でした、感謝します」の冷ややかなこと・・・。この違いが、言語全体に流れているということだからだ。
すなわち、潜在意識で母音骨格をつかむ私たち日本人は、話しているうちに、意識レベルで相手と融和してしまう。意味的な合意を得られなくても、一定時間話し合えば、なんとなく分かり合えた気になる。日本語はそういう特性の言語なのである。「話せばわかる」とはいかにも日本人らしい名言だと思う。おそらく子音語族の使い手からしたら、曖昧で何を言っているかわからない会話に見えるだろう。しかし、意識レベルで他者と融合するのは、素晴らしい政治力だと私は思う。なぜなら日本人にその癖がなかったら、祖国の美しい街々に残酷な爪痕を残した国と、あんなにすぐニコニコ笑って付き合えただろうか。意味論的には「?」でも、結果柔軟でタフな国民性である。

一方、相手の音声の中から、機械音に近い、威嚇効果のある子音だけをつかみとる人たちは、話しているうちに、相手との境界線がしっかり見えてくる。この境界線を越えるための権利と義務について話し合わなければ・・・彼らの潜在意識は、そんな風に感じているはずだ。境界線を越えるため、子音言語の恋人たちは「愛してる」という言葉を約束事のように交換し合う必要がある。境界線が融和してしまう母音語族の恋人たちは、うちとけた恋人を褒めることはしない。自分の体の一部を、今さら褒める必要がないように、母音語の使い手たちは、自我の内側に恋人を招きいれるのである。

(中略)

母音語の使い手による対話と、子音語の使い手による対話は、潜在的な意味において、まったく異なる行為なのである。前者は融和するための手段としてことばを使う。仲良くなる方法を探るのが、対話の目的なのだ。話せば話すほど、意識は融和していくので意味的な合意はさほど重要ではない。心安らかな語感のことば(親密な大和言葉)をどれだけたくさん交したかに、感性上の意味がある。

後者は、境界線を決める手段として言葉を使う。境界線のせめぎあいが、対話の目的なのだ。話せば話すほど意識は対峙するので、意味的な合意と、権利と義務の提示、絶え間ない好意の表明が必要不可欠になる。この違いに気をつけないと日本人は外交に失敗する。私自身は、日本人の対話の方が感性レベルは上だと思うのだが、なにせ世界の少数派である。~黒川伊保子「日本語はなぜ美しいのか」より抜粋

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この論説、私は日本人だから納得する処は多々ある。
逆に外国の方から見た日本語、日本人はどう見えるのだろうか?やはり今でも曖昧で何を言っているか、考えているかわからない民族に見えるのだろうか?このブログを見られている海外の方、帰国子女の方が居られたら意見を聞いてみたい。

またこれまでは「話せばわかる」で来た日本人も明治以降の急速な欧米化で、母音を使いながらも頭の中は子音語族に近づいているようにも思う。その一つがなんでも「メール」で済ます仕事言語である。仕事こそ互いの潜在意識を捉え摺り合わせることが極めて重要にも関わらず、機械的な情報交換だけで日々仕事をしたようになっているのは非常にもったいないばかりか、はたして仕事ができているのか疑わしいのである。

投稿者 tanog : 2019年09月12日 List  

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