2019年9月5日
2019年09月05日
胎児の言語機能~ヒトは、耳ができて、聴覚の機能が揃ってからことばを獲得し始めるのではない
今回も黒川伊保子著の「日本語はなぜ美しいのか」から美しい一遍を紹介します。
赤ん坊は何も教えなくても言語を覚えていく。当たり前のようでこれはすごい事だ。そしてその覚える過程は母親との共鳴にあり、その原点は胎児の時に作られている。胎教教育とは聞くが、妊娠中の母親の充足がその子どもの将来にとっていかに重要かを黒川氏は言語の立場から問うている。
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胎児の言語獲得
脳は、3歳までに母親(主たる保育者)との密接な関係により、言語構造の基盤を作り上げる。
母親の発音体感に共鳴することで、全身でことばを捉えていくこの時期、赤ちゃんがしゃべれないからといって、母親はことばをないがしろにしてはいけない。また、周囲は、母親の気持ちのケアをないがしろにしてはいけない。なにしろ、赤ちゃんの言語構造の基礎構築は、胎児期から始まっているのだ。ヒトは、耳ができて、聴覚の機能が揃ってからことばを獲得し始めるのではない。「体感で受け取ることば」には、聴覚はいらないのである。 (さらに…)
投稿者 tanog : 2019年09月05日 Tweet