【縄文再考】全国各地にある竪穴住居は北方適応住居だった。シベリアから技術流入したか? |
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2022年01月05日
【縄文再考】人類の起源はどうなの?アジアのヒト進化を考える
縄文中期(紀元前4500年頃)には26万人も居たとされる「縄文人」。日本の国土の総面積は約37万8千km2でほぼ7割が森林なので、単純計算で森林以外の部分の4㎞四方毎に10人の集落がある位の密度です。集落同士の交流や婚姻関係もそこそこあったと言えると思います。
縄文時代に日本にいた人々は、北から、朝鮮半島から、南から渡来したと考えられます。これらは、どれかでなく全てが存在し、交配して重なり合いながら縄文時代を形づくっていったと考えています。
その後の弥生時代には、やはり朝鮮半島から渡来した新しい人々との混血も始まり、「日本人」の基礎が形成されていったのだと思います。
さて、縄文時代以前や縄文時代草創期に日本列島に居た人々は、果たしてどこから来たのでしょうか?
最も古い人骨遺跡は、石垣島の白保竿根田原洞穴の旧石器時代人骨。しかし、これをルーツとするには根拠が不足しており、前述の多方渡来を想定せざるを得ない状況です。交配によって遺伝子がまじりあい、元の人骨とは異なる傾向を示す、だから「違う」と判定されるなど、検討の余地がまだ多くあるとも言えます。
今一度違った角度から検討してみようと思います。
そもそも、人類の拡散は、アフリカ単一起源説が優勢で、Y染色体もミトコンドリアも、現代日本人のそれは、ユーラシア大陸の北方民族との近縁さを示すと言います。しかし、「近い」という事と、「基」であることは、交配による遺伝子変化を考慮すると必ずしも整合しません。しかも、遺伝子の新旧は、未だ不明とのことです。
ヒトやその前の類人猿進化はどうなっているのか?考えます。
類人猿のうち、チンパンジー99%、オランウータン97%がヒトと共通の遺伝子
ゴリラと人は98.25%同じ!チンパンジーは98.73%!大型類人猿の全遺伝情報(ゲノム)解析!
「人間とゴリラのゲノムの違いは1.75%で、共通の祖先から1,000万年前に枝分かれしたらしい。8日付の英科学誌ネイチャーに発表する。研究チームによると、類人猿で最も人間に近いチンパンジーと人間とのゲノムの違いは1.37%。」
オランウータンのゲノムを初解読、予想以上の「多様性」 ネイチャー誌 2011年1月30日 16:14 発信地:パリ/フランス
「オランウータンのゲノムの遺伝的多様性はヒトよりも大きかった。ちなみに、ヒトとチンパンジーのゲノムは99%共通しているが、ヒトとオランウータンでは約97%が共通していることが確認された。」
大型類人猿とは、今では、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ及びヒトを指します。人類進化を考えるうえで、同じ大型類人猿か、その祖先のサルから進化したと考えるのが自然です。ヒト科類人猿のうちゴリラ、チンパンジー、ボノボはアフリカ類人猿、オランウータンはアジア類人猿と呼ばれます。アジアのヒト科類人猿はオランウータンだけなのですが、テナガザル科類人猿は、数種がアジアに生息しています。むしろアジアの方が、類人猿の種類は多いと言えます。
アジアの古代類人猿
「(ギガントピテクスは)約100万年前(新生代第四紀更新世前期後半カラブリアン)前後に出現したと見られ、中国、インド、ベトナムなどに分布していたが 、30万年前(更新世後期前半イオニアン、中期旧石器時代の初頭)あたりを境にしてそれ以降確認されない。本種の生存期間はホモ・エレクトゥス類が栄えていた時期と重なり、両者の生息域はかなり重複していたようである。」(Wikipedia)
ホモエレクトスは、ジャワ原人もその亜種とされる原人で、頭蓋骨などどちらかといえばサルに近いものです。
アジアには、他にフローレス原人と呼ばれる原人も居ました。
「ホモ・フローレシエンシスは直接の祖先ホモ・エレクトス(84万年前ごろ生息)が矮小化したものと考えられているが、より原始的な祖先に起源を持つ可能性も示されており、ホモ・ハビリスから進化したという説もある。脳容量は380立方センチで、平均的なエレクトスの半分程度、大型のチンパンジーよりも小さい。」
フローレス原人の方が、人類の近いと言えるでしょう。同じアジア地域のサルに近い原人と人類に近い原人。既に絶滅したギガントピテクスも近くにいたとすると、遺伝子変化に交配があったと考えても良さそうです。
よく言われる人類のアフリカ起源説。単一起源と言われるこの説では、他の地域で、別の系統から同じホモ・サピエンスが出現するとは考えられていません。そうなると、
アジアにしかいないオランウータンやの祖先、原人、旧石器人骨は、どこからきて、何故人類に近い骨格を持つなどの「進化」があったのでしょうか?
その周囲に、ホモ・サピエンス(縄文人から現生人類)への進化は起きなかったのでしょうか?
アジアのヒト進化の可能性
アフリカ単一起源説は、世界の現生人類の遺伝子の差異を見比べ、最も根源的(変化する前)と思われる遺伝子が、現アフリカ人のものだとしただけです。
「遺骨(化石)から得られたミトコンドリアDNAの解析結果に基づき、現在ではネアンデルタール人(旧人)は我々の直系先祖ではなく別系統の人類であるとする見方が有力である。両者の遺伝子差異は他の動物種ならば別種と認定されるレベルであり、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは混血できなかったとする考え方が有力であった。しかし、2010年5月7日の『サイエンス』に、われわれ現生人類のゲノムにネアンデルタール人の遺伝子が数パーセント混入しているとの説が発表された。」ネアンデルタール人 – Wikipedia
旧人に分類されるネアンデルタール人は、ベルギー、ドイツ、フランス、イスラエル、イラクで発見されました。その後、現在のヨーロッパ人の祖先の一部とされるクロマニヨン人が見つかります。北アフリカ、ヨーロッパで見つかりますが、アジア地域には見られません。アジアに旧人は居ません(見つかっていません)が、旧石器時代人骨はアジアでも多数発掘されます。そして沖縄県の南西諸島域に比較的多いのです。
全ての化石人骨がゲノム解析されているわけではないのと、交配して遺伝子が混入し、結果として元の祖先から遠い遺伝子になることもあり、結局「出アフリカ」も、原人類から数えて、3,4回、中には交配後にアフリカに戻ったと見る向きもいる程です。
画像はこちらから
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アジアで古代人類も少なからず交配したはずで、その為元の人類から遺伝的に遠く見える。しかも、仮に近い遺伝子の人類同士どちらが古いか分からない。
問題は、新人類に進化したのが、アフリカなのかアジアなのか、はっきりしない、言い換えれば両方有り得る、という事です。
むしろアジアで類人猿と人が分かれ、その後アフリカに到達し現生人類に進化、アフリカに戻らなかったアジアの古代人類も同じように進化したとすればどうでしょうか。
投稿者 sai-yu : 2022年01月05日 TweetList
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