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2015年01月01日

「辺境の地こそ本源の地」~世界の大転換が辺境諸国から始まろうとしている。

明けましておめでとうございます。

本年も「縄文ブログ」をよろしくお願いします。

 

これまで当ブログでは、世界各地の国家・民族の歴史を取り上げ、その本源性と可能性を探ってきましたが、新年第一弾では、これら各地を大きく俯瞰し、その共通項や、世界情勢との関係について読み解いてみたいと思います。

 

ロシアバイカル湖の日の出

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まずは、当ブログで探求してきた5つの国、地域について。

 ○4大文明と交わることなく、それらを凌駕するほどの文明を4000年前に築いていたマヤ・アンデス文明

(「マヤ・アンデス2大文明の伝え」:http://web.joumon.jp.net/blog/2013/01/1478.html

○西方に位置し、キリスト教の影響を受けることなく、森の民の気質を残し、共同体を維持してきた辺境の国アイルランド

(「個のない民、ケルトから学ぶ」:http://web.joumon.jp.net/blog/2013/10/1538.html

○中国、日本、東南アジアから海洋を隔て、中継貿易で栄えた自治集団の統合国家、琉球王国

(「沖縄に在る力に学ぶ」:http://web.joumon.jp.net/blog/2014/06/1895.html

○ヨーロッパの略奪闘争を逃れ、北方の森に住み、本源性を保ちながら共同体を守ってきた国、ロシア

(「ロシアの歴史に“民族の本源性”を探る」:

http://web.joumon.jp.net/blog/2014/10/2331.html

○地域共同体の延長に大共同体を形成し、マンダラ国家を生み出してきた東南アジア

(「大共同体「東南アジア」を支えるシステム」:http://web.joumon.jp.net/blog/2014/10/2392.html

 

これら5つの国や地域は、民族の違いはもとより、気候風土、文化や宗教も異なり、並べて議論されることはほとんどありませんでした。ところがブログシリーズを読み進むと、きわめて特徴的な共通点が浮かび上がってきます。

その共通点とは、

①西洋文明の発祥地から程遠く、文明国の視点から見れば辺境の地に位置すること。

②ヨーロッパを起点にして玉突き的に広がる略奪闘争に、押し出される形で辺境に至ったこと。

③辺境故に、略奪の渦中に飲み込まれることなく、元来の本源性・共同体性を色濃く残してきたこと。

辺境というと、文明国を中心にしたときの周辺、未開の地という捉え方が一般的です。その地の住民はいまだ文明化されていない未開人・野蛮人と目されるのが常でした。西洋文明を中心としてみれば、上記の国・地域はみな北方、東方、西方の辺境にあり、古い、遅れた文化圏として括ることができます。

しかし、文明史以前から地図を塗り重ねてみると、まったく違った構図が見えてきます。有史以前から人類は共同体社会を営み、土着の文明を生み出していました。人類の共同体社会は、西洋の一地方から始まった略奪闘争によって次々と破壊、侵略され、いわゆる文明圏(実体は略奪文化)が形成されてきました。

こうして押し寄せる略奪文化の波から逃れ、押し出される形で辺境へと至った人々が、辺境の国々をつくってきたのです。厳しい森の自然や、間を別つ海が、天然の防壁として略奪民の侵入を阻み、自分たちの共同体社会を守ってきたのです。

いうなれば、現代の世界地図は西洋文明という異質な略奪文化が一時的に勢力圏を広げているものの、その周辺には人類本来の共同体社会が強固に残っており、今まさにここから新たな社会秩序形成の機運が立ち上がりつつある、と見ることができるのです。

では現在の各国の動きに目を転じてみましょう。

○中南米諸国は、いまや強力な反米勢力として結束し、自主独立をかけて欧米に屈しない姿勢を示しています。

○アイルランドではイギリスからの独立機運が高まり、昨年住民投票が行われました。僅差で敗れたものの、これまでのような欧米による経済支配が無力化していることが明らかになりました。

○沖縄では、米軍基地反対を鮮明に打ち出した知事候補が当選し、米国に対する抵抗を一切緩めていません。

○ロシアは、BRICSを牽引し、まさに辺境の国々を束ねて、欧米勢力に属さぬ新たな世界秩序の構築を目指しています。

○東南アジア各国では近年デモが頻発しています。植民地時代以来の宗主国勢力と、共同体自治勢力の反目が顕在化してきていると見ることができます。

これらの動きは決して偶然ではありません。自由主義、グローバル経済という衣をかぶった西洋の略奪文化は、地球環境を破壊しつくし、いたるところで経済破綻の危機を孕んでいる状態です。彼らの拠り所である個人主義は、人心を蝕み、社会を閉塞させる一方で、未来に向かって何の展望も示せなくなってきています。

このような時に、自らの手で社会を形成する「共同体性」をもった国々が立ち上がり、新たな潮流が生まれてくるのはむしろ必然といえるでしょう。まさに6000年の文明社会の終焉と本源社会の登場という歴史的転換期に、いま私たちはいるのです。「辺境の地こそ本源の地」 世界の大転換が辺境諸国から始まろうとしています。

 

投稿者 tanog : 2015年01月01日 List  

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コメント

あけましておめでとうございます。現在の世の中を読み解く上で、人類の歴史と文化を世界視点で捉えることができるこのブログをいつも楽しみにしています。

投稿者 匿名 : 2015年1月13日 15:04

あけましておめでとうございます。現在の世の中を読み解く上で、人類の歴史と文化を世界視点で捉えることができるこのブログをいつも楽しみにしています。

投稿者 momokaori : 2015年1月13日 15:05

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