脳の進化過程から人類史500万年を見直す(第4回)~言語と脳の関係、精霊と言語の関係。 |
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2019年05月09日
脳の進化過程から人類史500万年を見直す(第5回)~言語と共認充足~赤ちゃんのニコニコから
シリーズもいよいよ人類の進化の最終段階に来た。
そこで改めて脳の3つの核と脳進化の関係を押さえておきたい。
大脳には中枢系と辺縁系がある。主に人類の脳を拡大したのは大脳新皮質(大脳連合野)の辺縁系だが、大脳連合野を発達させたのは様々なやる気のホルモンを発する駆動物質であり、その駆動物質を主に放出し指令を出すのが下記の3つの核である。まずその3つの核の役割から見ておきたい。引用は実現塾で配布されたテキストである。
探究核(側坐核):前進する意欲を生み出す駆動物質を放出すると共に、情報を大脳連合野へ送る。
判断核(扁桃体):外識情報に対して、価値判断を下し、好き嫌いや怒りなどの情動反応を起こす駆動物質を放出すると共に、反復体(海馬)に対して重要な情報の反復指令を出す。
充足核(中隔核):充足を追求する意欲を生み出す駆動物質を放出する。
どうだろうか?
言語とはこの核から放出された駆動物質、それによって拡大した大脳連合野の働きによって生み出された。
改めて言語とは何か?言語とは観念(精霊)の具現化したものであり、人類が生み出した観念機能である。
それを生み出す事で外識情報(外圧)は構造化され、恐ろしい自然をも捉えることができた。
極限時代、まだ言語のない時代の人類はひたすら洞窟の中で身を寄せ合い、共認機能を使って仲間の中で極限的外圧を共認充足に昇華させてきた。踊りも発声練習も、2足歩行も、道具の発展もその中で仲間の期待を背に生み出された共認体験である。
私は言語とは仲間にひたすら同化し、苦楽を分かち合う共認充足の発展の先にあったのではないかと考える。その意味で言語の前駆形態である精霊とは自然を対象に同化を計ったとしており、自然と共認充足を試みたのではないだろうか?その共認充足のポイントは徹底的に肯定視すること。そして肯定視するとはありのまま、先入観や負の感情を取り除いて対象を捉えることではないだろうか?感覚的には夢中になって対象に同化していると向こうから何かメッセージ(電磁波)が飛び込んでくる感じ、いわゆる身体的感覚。
~身体的な快感はもっと深く持続的で響きがいいんじゃないかな。伝導性が高いというか。だから離れている人も、それに影響されて体感が変わってしまうということがある。にこにこ機嫌よく笑っている赤ちゃんをじっと見ていると、ぜんぜん知らない子どもなのに、こっちも体のほうから温かいものがこみあげてくるといううことってあるでしょう。あれは赤ちゃんの生理的快感が響いているんだと僕は思うんです。快感ってそういうふうな仕方で伝染するんじゃないかな。~内田樹・池上六郎「身体の言い分」より抜粋
この挿話を入れたのは精霊もその後具現化した言語もこの赤ちゃんのニコニコのように充足の次元で、まさに探究核と充足核をフル稼働させて生まれたのではないかと思う。そこから駆動物質が放出され、対象同化、共認充足が生まれたのではないか?そういう意味で観念もまた充足の延長にあるのではないか。
身近な事例でいつまでも話し続けている女子高生。あるいは井戸端会議で盛り上がるおばちゃんたち。彼女達が深く物事を考え追求をしているようには見えないが、少なくとも一人で山奥に篭り、あるいは勉強部屋で唸りながら勉強している苦学生よりずっと追求しており、充足のパワーはその何倍も持っている。共認機能を使い、充足物質を駆動させ、対象に同化していれば向こうから何かが発せられる、わずかな変化、わずかなメッセージを捉える力もまた身体感覚であり、全身を脳の先端機能としている人類のなせる業である。
「追求とは充足である」「充足していなければ追求できてない」
・・・この言葉が見えてきた。
投稿者 tanog : 2019年05月09日 TweetList
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