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2021年04月08日

縄文時代の労働とは驚くほど少なかった!

13時間も働けば十分。そういう社会がかつて縄文時代の常識であった。
強制労働とは無縁であった縄文人にとっては必要なだけ働く。労働とは「足るを知る」活動であった。

では余った時間に何をしていたか?下記の論説では祭祀や儀礼や信仰という表現をしているが、別の表現を使えば人々を結びつける類的活動や自然や未明課題に同化するための訓練や鍛錬に他ならない。つまり縄文人は追求と共認形成に多くの時間を費やしたのではないか。現代の労働観=時短や効率とは別の労働とは何か、労働以外とは何かのヒントがあるかもしれない。下記の論説の中の「必要以上の労働は敢えてしない」、という考え方はどこに土台があるかを考えてみてはどうか?決して娯楽や休息やましてや家庭サービスの為ではない。労働以上に必要な活動をするために労働は敢えてしないのではないか
つまり生きるためには労働が主ではなく従なのだ。

リンクから紹介してみます。

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国家を造らないことで得られるもの。その答えが三内丸山遺跡にあった。

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三内丸山遺跡は、縄文前期中葉から中期末期(5500年~4000年前)の1500年間に、約40ヘクタールの広大な範囲にわたって10棟を超す大型の竪穴住居と780軒にも及ぶ住居がつくられたと推定される。しかし、これほどの規模の集落にもかかわらず三内丸山遺跡で暮らしていた縄文人は、権力を集中し人々を統治する国家をつくる方向を志向しなかった。国家をつくるために費やす労力を、祭祀や儀礼や信仰に注ぎ込んでいったように見てとれるのだ。

環境考古学者の安田喜憲氏の言葉を借りれば、縄文社会は「自然と共生し、永続的・循環的に生き、命あるものがすべて平等の価値を持つという文明原理に立脚した社会を構築した。こうした文明原理を永続的に維持するために、縄文土器や土偶を大量に生産する知的・芸術的行為やストーンサークルの構築、あるいは巨木の祭りなどの宗教的といった、日々の生業活動とは異質の直接生産には結びつかない文明の装置・制度系を際立たせて発展させた」という。

だとすれば、縄文人が国家をつくらないことで得ていたもの、それは社会や文化の持続性であり、自然(神)との共生やそれに伴う祭祀や造形へのエネルギーであり、人間にとどまらず、自然や物も含めたうえでの平等主義だったのではないだろうか。

そして、縄文人は必要以上の労働をあえて避ける生き方を信条としてきたという。人間が自分の必要を越えて労働するのは、強制力による以外にない。ところが、まさにその強制力が縄文社会には不在なのだ。本質的に平等社会を生きる縄文人にとっては、生産活動は必要の充足、つまり「足るを知る」ということ以外のなにものでもないのだ。当然のように、縄文人の1日の労働時間は驚くほど短く、余った時間を祈りや祭りといった精神文化に費やしていたと思われる。

考古学者の小山修三の見立てでは、縄文人の5人家族が年間に必要な食料はクリやドングリが八石六斗(約1500リットル)、魚が2000匹、イノシシ・シカが1~2頭などだったという。ドングリ類は年に一週間ほど山に入れば集められる量だという。もっとも重要な蛋白源は魚であるが、乱獲によって漁獲量が減少してしまった現在でも、我が国おいて、季節ごとに回遊して海岸に押し寄せるサケやマスやニシンやイワシなどの年間漁獲量は1000万トンを優に超えるという。縄文人にとって、たいした仕掛けを用意しなくても年に2000匹の魚を獲ることなど、いともたやすいことだっただろう。

太古の暮らしは復元が難しい。文化人類学者の岡田宏明は、世界各地の人々のエネルギー産出量や生産効率を比較しながら太古の暮らしのイメージを組み立ててきた。それによると、狩猟・漁撈・採取民の一人当たりの年間労働時間が805時間(1日にならすと2時間強)、焼き畑農業と豚飼育を組み合わせた暮らしが780時間。国家を形成した稲作農耕民は1129時間という調査結果を紹介しながら、狩猟・漁撈・採取民、つまり縄文人の社会が、じつは労働に縛られない社会だったことをあきらかにしている。豊かな自然に恵まれて暮らしてきた縄文人と、稲作を取り入れた弥生人では、弥生人の方が年間を通じてあくせく働かざるを得ない状況にあったという。

投稿者 tanog : 2021年04月08日 List  

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