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2019年04月25日
脳の進化過程から人類史500万年を見直す~脳を爆発的に大きくさせた要因は何か?何があったのか?
現在の人類に繋がる新人(=ホモサピエンス)の歴史は最近の考古学資料により30万年まで遡っている。(参考投稿)
今後の発掘でさらに遡る可能性があり、私はおそらく40万年前、50万年前まで遡るのではないかと考えている。ホモサピエンスの脳容量は20万年前に1350ccに達し、以後は変化していない。現人類より脳容量を持っていたネアンデルタール人はホモサピエンスと並存し、5万年前に絶滅した。
ネアンデルタールも人類も脳を拡大し適応してきたのだが、どちらも言語を持っていたと言われており、中でも喉の構造からより言語機能が発達したのがホモサピエンスの方であった。
言語機能はどの時期にどのように発達したのか?
仮説として少し物語風に考えてみた。
■人類は500万年前木から落ちたカタワのサルとして極限的な外圧の中洞窟に隠れ住む事で辛うじて生きながらえてきた。何度も種が滅び、滅びてはまた別のカタワのサルが生き延び、少しずつであるが道具を扱い、火を扱い、外敵である動物の脅威の中、奇跡的に生存していった。それでもようやく脳容量が1000CCに達した原人も約60万年前には絶滅している。
おそらく約50万年前現在の人類に繋がるホモサピエンスが登場している。50万年前にサルから進化したか、あるいは類人猿が生きながらえて急激に進化した可能性。人類の進化を決定的に促したのは言語機能の獲得、複雑な言語体系の完成にある。しかしいきなり咽頭が下がって言語がしゃべれるようになったわけではない。
人類はその登場(500万年前)から、50万年前まで凄まじい外圧の中で奇跡的に生きてきた。食料は雑食、夜動物が寝静まった後に洞窟から抜け出し、食べ残した骨を拾い集め骨髄をすすって栄養を補給した。植物の根や虫も食べた。その過程の中で武器となったのはサル時代に獲得した共認機能である。仲間と同化=励ましあいながらひもじい生活を耐えて、踊り、発生を繰り返してきた。圧倒的な外圧の中、人類の頭の中は常に諦めずにどうする?を追求する繰り返しを重ねてきた。「どうする」の追求は様々なやる気のホルモン物質=駆動物質を放出し、大脳連合野を活性化、脳を拡大するに至った。
400ccだった大脳容量は約250万年前に640cc、80万年前に1000ccに拡大。さらにそこから60万年間で1.4倍の1350ccにまで拡大、現在の脳容量に達したのは約20万年前と言われている。脳はひたすら「どうする?」を考える為に拡大した。
そして新人(ホモサピエンス)の登場で約30万年前に厳しい自然を徹底的に対象化し、遂に統合観念である精霊を措定することができた。言語の発達はおそらくそこからではないかと思われる。言語は30万年前から10万年前にかけて獲得。約7.5万年前に声帯が下に下がり母音がしゃべれるようになる。因みにネアンデルタール人は言語はしゃべるが、子音中心で母音が使えないと言われている。人類が声帯を下げて母音を獲得したのは単なる肉体変化の結果ではない。ひたすらどうするの追求を重ねた結果、肉体を改造してまで母音を獲得したのだ。
この精霊の措定、言語能力の獲得こそ人類がサル時代に獲得した共認機能に塗り重ねた新機能であり、人類を人類足らしめる脳を進化させた最大の要因であり結実だった。一方でネアンデルタール人は同様に精霊を措定し言語も獲得したが、母音を発生できなかった為、十分な共認形成ができずに厳しい自然外圧も重なり絶滅に至った。
つまり現在の人類へ繋がる最大の獲得機能とは言語能力であり、なぜ言語を自在に使えるようになったかは、抽象化した対象、イメージをより精緻に仲間と意思疎通、一体化、共認形成する為に必要不可欠であった。
そして言語を獲得した以降もそこから20万年も洞窟に住み続け、なぜ、どうするを続け、仲間と追求を重ねる中でようやく弓矢の発明をもって地上に上がり、自然と対等に(普通の動物並みに)生きていけるようになった。ほんの最近1万年前の出来事である。
・ネアンデルタール人とホモサピエンスの進化の違いとは?(リンク)
・6万年前に人類が手に入れた脅威の能力とは?③~ネアンデルタール人はヒトよりも言語能力が劣っていた?~(リンク)
・ネアンデルタール人の言語能力について(リンク)
投稿者 tanog : 2019年04月25日 TweetList
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