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2011年11月27日

「日本人の起源を識る」~4.日本語の源流はスンダランド発南方言語。太平洋におけるC系、O系の塗り重ね構造から明らかになる!

前回の記事では縄文人の主勢力とされる採取民、D2系統の移動経路、生産様式とその文化を狩猟民C3系統と比較しながら明らかにしてきました。さて今回は視点を変えて言語、日本語の起源に迫り日本人の起源をさらに明らかにしていきたいと思います。
■日本語、ポリネシア語は、世界に稀有な自然音の言語「母音言語」
日本語は世界でも極めて珍しい母音言語といわれます。音節は必ず母音終わりで、つまり子音と母音がセットになっていて、語尾が子音で終ることはありません。また、子音の種類は十を少し超えるくらいしかなく子音組織が非常に簡素になっています。つまり「母音を主体」に認識する言語なのです。
○子音と母音がセット(日本語)   ○母音の前に複数の子音、あるいは
                    語尾が子音終わり(英語)
 ha-na-su(話す) 子母・子母・子母   s-pea-k 子・子母・子
 yo-mu(読む)   子母・子母      rea-d 子母・子
 ka-ku(書く)   子母・子母     wri-te 子母・子
川のせせらぎや虫の音などのような自然の音の成分は、母音と同じものをたくさん含んでいるようです。つまり、母音言語は、自然音の言語といえるかもしれません。参照 日本語に宿る南方モンゴロイド気質
そして、日本語にそっくりな音韻体系をもつのがポリネシア語で、驚くべきことにこの両民族だけが、自然音に対する脳の反応が非常に近いといいます。たとえば、虫の音を言語脳である左脳で聞くのはこの両民族だけで、他の国の人々は右脳で音響障害として聞いているといいます。驚きです。
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三角の地域がポリネシア。日本からは結構遠く離れている。
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ここから、日々発する言葉の音感が脳の働きに影響し、意識の基底をなしているのでは?と思われるし、また、日本人とポリネシア人だけが共有している、感性、世界観、価値観があるかもしれないと推察されてきます。実際、縄文人の受け入れ体質に対して、ポリネシアに欧州人がやってきた時の歓待ぶりは非常に近いものを感じます。
■日本語とポリネシア語は起源上の関係はあるのか?
さて、発音体系において深い類似性をもつ両言語ですが、起源上の関係があるのでしょうか。追求意欲がかきたてられますが、普通の感覚では関係あるとは到底思えません。なにせ5000キロ以上離れているのです。いくら彼らが優れた航海技術を持っているといえ、日本の言語に影響を及ぼすほどの規模で渡来したとは考え難いと思われます。
加えて、日本とポリネシアの間に横たわる、台湾やフィリピンの言語などは、複雑な子音組織を持つ「子音言語」で、日本語やポリネシアの言語とは全く異なっています。日本とポリネシアの音韻が近いのは、やはり偶然かといった感じですが、さて、どうなのでしょう。ここから本格追求に入ります。
■太平洋の言語の起源の謎、起源は大陸側か、ポリネシア(太平洋東部)か?
日本語とポリネシア語の関係を考えるにあたって、太平洋の言語の分布をおさえます。台湾、フィリピン、インドネシア、メラネシア、ポリネシアで話されている言語は、オーストロネシア語族と呼ばれ、1つの起源から派生した一体の語族であるとされています。
800px-Migrations-autronesiennes%5B1%5D%5B1%5D.png
太平洋の言語は1つの起源(台湾)から派生した一体の語族とされている

そして、その起源は台湾・フィリピンの言語で、それが東方へ広がって、やがてポリネシアの言語まで形成したと、語彙の変化などの研究から結論づけられています。しかし、一方で、ポリネシアの発音体系のほうが、太平洋の言語の原始的な発音を残しているという説も有力で、その起源関係はすっきりしていないようです。どちらが起源の位置にあるのでしょうか。大陸側か、ポリネシア地域か、それとも「起源が2つ」と言うことがあるのでしょうか。(一旦日本語から離れてしまいますが、周辺言語の構造化が鍵ですのでこのまま追求します。)
ここで言語分析から離れ、Y遺伝子追求の成果から、太平洋地域の分布地図を良く見ると、複数のハプロタイプ、主にC系統とO系統で構成されていることが分かります。言語分析では一体とされていた民族(オーストロネシア語族)ですが、Y遺伝子でみると一体ではない。どうもこの辺が先の「2重起源」と関係がありそうです。
■太平洋の言語(オーストロネシア語族)は、C系統「母音言語」に、O系統「子音言語」がかぶさった「塗り重ね構造」をなしている。ここから日本語の源流も明らかに!
さらに詳しく観察するとO系統が西(大陸に近いほう)、C系統が東に寄って(大陸から離れたほうに寄って)分布していることが分かります。例えば、台湾ではO1系統が90%、逆にポリネシアのクック諸島ではC2系統が83%を占める。
ここから考えられる仮説は、現在似通った言語を話しているが、C系統が先住で、O系統が後から来たということです。後から来たO系統の言語が大陸側を基点(起源)として広がりましたが、先住のC系統の母音言語の発音が、ポリネシア地域を中心に残存している、つまり、「塗り重ね構造体」をなしているということだと思われます。
まとめると、母音言語(C系統の言語)と子音言語(O系統の言語)の歴史は以下の3段階に構造化できます。ここから日本語とポリネシア語の関係、そして日本語の源流も明らかになると思います。

本ブログお馴染みyoriya氏に力作頂きました!!有難うございます!

①C系統母音言語が、スンダランドから太平洋東部や日本へ拡散
(C系統は1.8万年前ごろ母音言語を携えてスンダランドへ到達。)
1.5万年前ごろよりスンダランド海没がすすみC系統の人々はしだいに東部方面→ポリネシアへ拡散を開始。北方への拡散も進み、日本・九州の南端へ1.2万年前ごろ到達(C1系統の貝文文化)。そして、彼らの母音言語は、当時、寒冷期ゆえ九州に留まっていたD2系統へ受け継がれ日本語の源流となる。(ここのメカニズムは次回の投稿で明らかにする予定です!)
②O系統・子音言語が、台湾・フィリピンから東方へ拡散
時代が下り5000年前、O1系統(オーストロネシア語族・子音言語)が、おそらく漢族に追われ台湾からフィリピンを通って島伝いに南東方面(→ポリネシア)へ向かい、母音言語を話すC系統が先住していた所へ(割り込み押し出しながら)拡散。言語はO1系統が持ち込んだものに塗り替えられる。おそらくO1系統の方が航海技術などが上で、彼らの文化と言語が受け入れられた。
③ポリネシアや日本など周辺地域では、C系統の音韻体系が濃厚に残存
O1が大量に渡来した台湾・フィリピンでは、言語が音韻体系から根こそぎO1のものに書き換えられ子音言語となりましたが、一方、大陸から遠いポリネシア地域では、O1系統の言語をうけいれつつもC系統の母音言語の発音体系が濃厚に残存した。日本・九州にはO1系統はほとんど到来しなかったのでC1系統の言語と音韻体系がそのまま残った。(ようやく当初の疑問、日本語とポリネシア語の発音が似ている理由にたどり着きました!)

・インドネシアの言語も、母音言語の性質を比較的強く残している。台湾・フィリピンから近いが、O1系統が入ったのが遅かったため(3000年前くらい)と思われる。
これも加えると、日本語、ポリネシア語、インドネシア語の順にO1系統の影響が薄く、この順で母音言語の性質が強く残っていると言えそう。
(注)上記の図解では動きを分かりやすくするためC系統、O統に絞っていますが、実際にはK、M、N系統も存在しています。

以上、太平洋の言語の構造化から言えることは、日本語は、スンダランドC系統の音韻体系をもっとも忠実に継承していると言えそうな点です。言うまでなく南方C系統の言語と文化が1.2万年前に日本へ伝えられ、D2系統の文化と共に縄文人の基層となったと思われます。日本に伝えられた「南方的なるもの」は非常に深い位置にあるのですね。さらに追求意欲がわいてきました。
さて、ここまで5回に渡って「日本人の起源を識る」シリーズをお伝えしてきましたが、本シリーズはしばらくお休みを頂くことになりました。続きは2月頃から再開の予定です。モンゴル高原から南下してきた採集民D2とスンダランドから母音言語をもたらしたC系統が合流する所からになります。お楽しみに。
●補足
①文法については、日本語もオーストラリア・アボリジニー(C4)の言語も膠着語であることから、1.2万年前には膠着語≒C、D系統の文法がシベリア~中国~東南アジア~オーストリアまで覆っていたと思われます。その後O系統が中国、東南アジア、太平洋に広まり、それにより英語型の文法が割り込むように広まったという順番。
②語彙に関しては、日本語とポリネシア語は類似するものはあるが「多い」とはいえません。(∵分岐は1~2万年の遥か昔。) ただし、日本語の冗語(はらはら、ひらひら、などの繰り返し言葉)は、ポリネシア語で原義が解読できるものが非常にたくさんあるらしい。参照 日本語の中の「繰り返し語(畳語)」
慣用的な言いまわしは時間が経っても変化しにくく、起源を探るかぎとなるようですから、これは両言語の深い所での(おそらくC系統の言語層)つながりの証拠といえそうです。
また、「基礎語彙」が日本語に最も近いのはインドネシア語とされますが、距離的に近いフィリピンや台湾でなくインドネシア語であるという点はやはり、C系統の言語層での繋がっているためと推測されます。
③D2の言語が、日本に入る前から元々母音言語であった可能性もゼロとはいえません。しかし、D1、D3のチベット語は複雑な子音体系をもっていますし、語彙に関しても日本語に繋がるものは多くないようです。従って、D2は本州に展開する前に九州でC1の言語を獲得したと考えるほうが整合すると思われます。

投稿者 fwz2 : 2011年11月27日 List  

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コメント

“合議制と民主主義を導入して、国際人になろう」という方向へ進まなければ、ストレスの少ない、静かな知の国家を形成していたはずである。”
常々私が他の言葉を使って叫んでいるwことです。
さすが言語の研究家、素晴らしい言い方でしかもとても簡素に言い表しています。
感動してしまいました。
しかもトップに置いてあったのが効きましたw

投稿者 unimaro : 2012年9月3日 22:41

 島根県の安来は古事記では根之堅洲国というところでスサノオの活躍地ですね。正確には十神島根之堅洲国となりますが長いので古事記では省略されています。この省略された、十神島というのは出雲国風土記では砥神島という陸繋島であったであろう現在の安来市の十神山です。この島は安来市のシンボルと見いわれ、きれいな円錐形をした小山ですが、古代の人たちの崇敬の島だったらしいです。この十神というのはイザナギ・イザナミを含むそれ以前の時代を、神世といってその後の神代の時代と分けて表現されますが、神世七代には十の神がおりそれからつけられた神聖な島だったのだと思われます。ここがオノゴロ(淤能碁呂)島と考えると、近くにイザナミの神陵地もあることから合理的なのではと思われます。

投稿者 根の国王権の語部 : 2013年1月2日 14:09

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