日本人の起源 13-2 ~日本人の起源データベース2~ |
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2011年02月18日
「コーカソイドの歴史」から何を学ぶか?
今回も2月6日のなんで屋劇場「コーカソイドの歴史」での議論をベースにした投稿です。
劇場後のサロンの皆さんの感想を聞いたところ「モンゴロイドの歴史に比べて、難しかったー」という意見が多かったので、サロンでは改めて、コーカソイドの歴史を追求する今日的意味から再整理しました。
まず、皆さんのコーカソイドもしくは、今回議論された、中東からヨーロッパにかけての地域(西ユーラシア)についての印象から扱ってみました。
そこで出されたヨーロッパに関するイメージは・・・・
どちらかというとプラスイメージ:先進的、歴史と伝統、戦略的、自己主張が強い、思弁的どちらかというとマイナスイメージ:排他的、好戦的、選民意識が強い
といったものでした。
しかし、先進的あるいは歴史と伝統といったイメージは本当に正しいのでしょうか?
写真は目下進行中のエジプト革命:ヨーロッパはエジプト(中東)コンプレックスでできているとする説もあるが、実は、私たち東洋人は、ヨーロッパVS中東という歴史の根深さをあまりにもしらなすぎる。
ここで以下の反論が成立します。
1) そもそも定住のはじまりや新石器的文化については、東洋の方が西洋より古い。アジアの土器文化は1万年前以上に遡るが、土器の出現は世界史の中でもアジアが突出して早い。(西アジアで土器が出現するのは8千年前以降である)
2) しかも、文明誕生後も中東は中国と並んで文明の先進地であったが、ヨーロッパはむしろ辺境の地であった。そして十字軍遠征まで、中東・イスラム教とヨーロッパ・キリスト教の戦いは常に、中東・イスラム優位で推移してきた。
つまり、ヨーロッパについてまわる「先進性」や「歴史と伝統」といったイメージは、事実ではなく、非常に巧妙に作り出された、イメージに過ぎないのです。イラン・イラク戦争、911テロ事件、現在のエジプト革命・・・を通じて、一貫して、イスラム=悪、イスラム=後進的、狂信的というイメージを撒き散らしていますが、それはまさに欧米主導のメディアのイメージ戦略に他なりません。そして、そうした中東の戦乱の本質は、欧米の金融資本同士の資源を巡る争いにあるのです。
「ロックフェラー 対 ロスチャイルド」って何?
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=163427
テロ戦争の目的は、アメリカの世界支配を強化すること
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=161479
石油利権闘争とそれに纏わる政治戦略等1~ロックフェラーに代わる石油新勢力?とナチス~
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=193108
なぜ、このタイミングで、エジプト民主化革命が発生したのか? ~背後に核兵器問題あり~
http://blog.trend-review.net/blog/2011/02/001882.html
このような、中東を主戦場とした米英の利権争いこそが、中東で争いが絶えない理由でもあるのですが、メディアはそのような真の犯人の存在を隠したまま、宗教のためにテロやデモを繰り返す「暴徒としての中東=イスラム人」を描き出します。と同時に、自由や民主主義といった近代観念を駆使して、「遅れたイスラム」を批判します。こうしたメディアに載せられた結果が、欧米に対する「先進的」「思弁的」といったイメージにつながっているのですが、その背後には「騙し」ともいうべき「戦略性」より狡猾な「好戦性」が蠢いていることを見落としてはなりません。
そして、歴史を紐解いていけば、十字軍以前の世界は、圧倒的に中東優位の世界であり、しかも、人種的にも白人(印欧語族)よりも褐色系のセム・ハム語族の方が優位であったことが見えてきます。
>アナトリア・メソポタミア・コーカサスは、元はセム族J・ハム族Eの世界だったが、印欧語族Rが侵入し、2500年前には印欧系のペルシア帝国が支配した。しかし、ペルシア帝国もその後コーカサスに追いやられ、以降この地域はセム系・ハム系が支配を取り戻した(アナトリアはモンゴロイド系のトルコ族が支配)。このように、この地域ではセム族・ハム族VS印欧語族の闘いが続いてきた。大局的には中東ではセム・ハム優位であったが、近代以降、この地域の支配権を巡って、イスラム(セム・ハム)VS欧米(印欧)の闘いが激化していく。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=245353
そして、コーカサスにおける負け組みであったからこそ、印欧語族が、次第により好戦性を強めていったことも歴史を紐解くことで明らかになってきました。
>ミケーネがかき集めてきた奴隷たちは、地中海沿岸の人口の大半を占めていたセム族Jやハム族Eである。ミケーネには奴隷狩りのための戦闘部隊が存在し、奴隷狩りや奴隷の統率のために、セム系の傭兵が使われた。アナトリアで奴隷狩りをしていたヒッタイトも同様である。
>まず、過酷な奴隷狩り(略奪闘争)によって逃げ延びた敗者が続々と登場し、彼らが海賊に転じてゆく。これが海の民の正体である。この大量の海賊(海の民)の波状攻撃によってヒッタイトもミケーネも疲弊してゆく。そうなると、セム系の傭兵部隊が寝返ればヒッタイトもミケーネもお終いであり、その内部でも下克上を狙う者が出てくるのは当然である。ミケーネが内部反乱で滅亡したという説があるが、それは事の本質ではなく、大きく見ればその内部反乱も海の民の度重なる侵略が引き起こしたものであり、ヒッタイトもミケーネも海の民によって滅ぼされたのである。
>そして、海の民=海賊が地中海沿岸を荒らしまわって以降、3000年前にギリシア・アナトリアをはじめとする地中海沿岸に拡散・定着して以降は、この地域には略奪集団(海賊・山賊)と彼らが作った支配国家しか残っていない状態になった。
>その後、山賊(海賊)集団が作ったスパルタやローマが強国になったのは、略奪を生業⇒国家戦略としたからであるが、それは彼らが豊かな土地を獲得できず、略奪以外に飯を食う道がなかったからである。
>2900年前に印欧語族ドーリア人R1aがギリシアに南下してきてスパルタをつくる。しかし、その農業生産力は乏しかったため(それでは食っていけないので)スパルタは略奪を国家戦略として生きてゆくことになる。スパルタが男子に少年期から施した戦闘教育は掠奪教育と言ってもよいものである。スパルタが強国と化したのはそのためである。
>2750年前のローマも同様である。滅亡した部族の生き残り3人がローマを建国したという伝説は、ローマが3つの略奪集団からできたことを示しているが、彼らが最初に建国したイタリア半島中心部は貧しい地域で、略奪闘争(戦争)を生業として生きてゆくしかなかったので、戦争を国家戦略として強国と化したのである。そういう意味で、スパルタもローマも「逆境でこそ進化する」の(悪い例だが)一例である。
写真の本はマリア・ギンブタス「古ヨーロッパの神々」ギンブタスは印欧語族が土着の母権社会が父権社会に置き換えられていった歴史を神話と女神像の分析から描き出す。
そして、西洋人の観念性、思弁性、自己正当化の強さも、この弱者(山賊・海賊=共同体を失った略奪集団ゆえの好戦性及びコンプレックスに起因していることも明らかです。
>「白人文明はギリシア・ローマに起源を持つ、世界で最も優れた正しい文明である」というのは真っ赤な嘘である。ルネサンス期からこの捏造が始まっているが、彼らの祖先は野蛮な山賊・海賊なのであって、それを隠すためにギリシア・ローマを美化した上で、それが起源であると称しているにすぎない。
>その捏造は今でも続いており、例えば、ヨーロッパの言語学者は印欧語の起源をできるだけ遡らせて、あたかも白人文明には歴史と由緒があるかのように偽装しようとする。その一つが印欧語の起源が8000年前であるとする説だが、8000年前といえば寒冷化・乾燥化によって原白人が漸く黒海沿岸に移住してきた時期であり、そんな昔から印欧語があれば、セム語族やハム語族は生まれるはずがない(印欧語は原白人がセム語族・ハム語族に分かれた後にできた言語である)。
>ギリシア・ローマを解明する上で重要なのは、彼らの出自が山賊・海賊集団であるという視点である。彼らの特殊性(自我の強さ、観念性の強さ・・・)も、彼らの出自が規範によって統合された真っ当な部族であると考えれば説明がつかないが、彼らが山賊・海賊であると考えれば一直線に繋がる。
>例えば、遊牧部族であれ山賊集団であれ、同類闘争上の競合相手が存在する限り、集団自我は発生し戦争にもなる。しかし、遊牧部族には西洋人のような観念性や思弁性は登場しない。西洋人は共同体を喪失してしまったが故に、集団や社会を規範では統合できない。従って、観念によって統合するしかないが故にギリシャの詭弁家たちに象徴されるような思弁性が強くなったのである。
>また、山賊(泥棒)集団を統合するには利益共認しかない。利益の山分けを求めて、逃亡奴隷や滅亡部族の生き残りが集まる。彼らを統合するには「戦利品は平等に分配する」という約束事=契約が不可欠である。実際、スパルタでは戦利品である土地は均等に分配されていた。これが現代に繋がる西洋人の平等観念の原点である。また、西洋人の一対婚の起源も掠奪婚発の一対婚(戦利品である女の平等な分配)にあると見て間違いない。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=241484
写真の本はマルティン・バナール「黒いアテナ」白人西洋の歴史と伝統は実は、偽装であることを証明。
このように、「ヨーロッパ」に対する幻想を拭い去ることが、今の日本人にとっても非常に重要なことであろう。先日、小沢一郎が「キリスト教・欧州文明は地球規模の人類のテーマを解決するには向いておらず、限界に来ている」と発言したが、これに心底同調できる日本人が今現在、どれぐらいいるだろうか?日本人が舶来信仰を乗り越えるためにも、「ヨーロッパの史実」を知ることは非常に重要だと考えます。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110214/stt11021415530005-n1.htm
投稿者 staff : 2011年02月18日 TweetList
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コメント
投稿者 fwz2 : 2011年6月21日 22:01
fwz2 さん。
コメントありがとうございます。
>北方新モンゴロイドがなぜシベリアへ進出していったかが、リアルにわかりました。また、その北方系の民族と初期の縄文人のイメージも少し遠かったのですが、
私も色々調べて、自分でもそのあたりがすっきりして嬉しかったです。
そんなふうにコメントもらえると頑張って調べた甲斐が有りました。ありがとうございます。
投稿者 tama : 2011年6月25日 21:42
北方新モンゴロイドがなぜシベリアへ進出していったかが、リアルにわかりました。また、その北方系の民族と初期の縄文人のイメージも少し遠かったのですが、どんぐりを主食にするまでの過程を書いていただいて、間がつながりました。ありがとうございます。