縄文:鹿を狩る縄文人の意識とは? |
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2007年09月16日
縄文時間ってなに?
simasanさんの投稿 環太平洋圏の海流・気流は縄文人をどこに導いたか? に「九州と東北はおそらくは1年以内、縄文時間ならば事実上のゼロ時間で接続されるわけです」とありました。この縄文時間って何でしょう? 時間がゆっくり動いていることだと思うのだけれど・・・
そこで調べてみました。
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私たちの社会生活での時間を「時間とエネルギー」の関係で捉えてみます。現代人は機械をいっぱい使って便利に暮らしていますね。「便利」とは楽に早くできることです、
そして機械はエネルギーで動く。だから結局、エネルギーを使うと、時間は速くなるという考えも成り立ちます。(東工大教授:本川達雄氏の「サイズの生物学」を参考にしました)
私の仕事も10年位前だと一週間くらい掛かっていた事が、パソコンやコピー等の機械によって1~2日で出来るようになっています。
私たち現代人は、エネルギーを大量に使って、時間を速めているのです。
人の標準代謝率は73.3ワット。これを基に、エネルギー消費量が何倍かを比較したところ、
10倍を超えたのは1961年となる。現在では40倍を超えているのは明らかで、エネルギー効率を
考慮すればそれ以上になると考えられる。
現代人が使うエネルギー消費量を、口から摂取する食料に含まれているエネルギー量(つまり体が使うエネルギー量)を基にして求めてみると、現代人も同じサイズの他の動物とそれほどかけ離れてはいません。もちろん自然と共に暮らしていた縄文人もほぼ同じです。
ところが、現代人はこのほかに、石油や石炭などから得たエネルギーを大量に使います。
食べる分のエネルギーとこれらのエネルギーを足すと、現代日本人は、体が使う分の約40倍ものエネルギーを消費していることになります。
これほど大量のエネルギーを使う動物といえば、ゾウなみの体重になってしまうのです。
つまり投稿文の「九州と東北はおそらくは1年以内」というのを現代の時間で言えば 1/40の 1週間位と考えられます。
ところで、現代の日本人は大量のエネルギーを使うことによって、時間を速めて経済的な利潤を産み出そうとしています。これは縄文時代に生きた人と比べれば、40倍もの速度の時間が流れていることになります。
実は日本人のエネルギー消費量が体の10倍を超えたのは、高度成長経済の頃です。
つまり、’60年頃から現在までの約40年間、日本人はエネルギーを大量に使って急速に時間を速めていったわけです。
この現象は前述したパソコンを使用した仕事の事例が典型的です。
コンピュータはクロック数をあげるとコンピュータの速度は速くなる。クロック数とは時間のことで、私たちは、速くなったクロック数に合わせて、仕事をしなければならなくなります。
でも、体のほうは縄文時代とほとんど変わりませんから、そのスピードについて行こうとして時間に追われてしまい、ストレスをためていきます。
このように考えると環境問題も含めて社会で起こっている様々な問題も少し違った見方が出来ます。
環境問題というと往々にして「どこそこが化学物質で汚染された」とか「エネルギーの大量消費で二酸化炭素が増える」など、空間的な問題だと捉えがちですが、私達はエネルギーを大量に使って時間をどんどん早め、時間の奴隷になっているのかもしれません。
仕事も生活もすべてのテンポが速くなり、自然と共に暮らしたいという生身の人間の思考や行動が、取り残されていくことこそ、最大の環境問題だと言えるかもしれません。
人類は今、自らが築いてきた全文明の見直しを迫られているのです。
投稿者 mukai : 2007年09月16日 TweetList
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