現生人類の進化の謎を握る原人=ホモ・エレクトス。ユーラシア発の可能性 |
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2022年03月18日
原人の変遷と特色~最も古いホモエレクトスはアフリカで発見
人類の出現と進化は、大きく「猿人→原人→旧人→新人」の流れで語られます。前回の記事では、初期原人と呼ばれてきたホモ・ハビリスは猿人に近く、注目すべきはホモ・エレクトスであることを紹介しました。
とはいえ、原人とは、約200万年前~1万年前に登場した人類(化石人類)の総称であり、その過程では多くの種類の人類が存在します。
今回は、そんな原人の種類、違いを詳細に分析することで、人類の起源の追求を深めていきたいと思います!
■脳容量の大幅な成長を遂げたホモエレクトスエレクトス
ホモ・ハビリス”以降”に登場したとされる原人を整理してみると…
190万年前 ホモ・ルドルフエンシス(アフリカ)
180万年前 ホモ・ナレディ(アフリカ)、ホモ・ゲオルギグス(西アジア)
170万年前 ホモ・レクトスユァンモウエンシス(東アジア)
160~150万年前 ホモ・エルガステル(アフリカ)
130万年前 ホモ・エレクトスエレクトス(南アフリカ)
80万年前 ホモ・アンテセッサ―(西アジア)、ホモ・エレクトスベキネンシス(東アジア)
ホモ・ルドルフエンシスも、ホモ・ナレディも、ホモ・ハビリスと比較すると、部分的には現代人に近い特徴を備えていること発見されているが、脳容量は500c㎥とオラウータンやチンパンジー(400c㎥前後)とほぼ同じ容量。それに対して、頑丈な骨格で、短い足と長い腕が特徴の身体つきであるようです。
それに対して、ホモ・レクトスユァンモウエンシス(=元謀原人)は約800c㎥、ホモ・エルガステル(トゥルカナ・ボーイ)は約880c㎥と、脳容量が格段に増加している。頭蓋に関しても平面的な顔面(あごの出っ張りが目立たなくなる)など、現代人類と同様の特色が多くみられるようになった。
ただし、依然、頑丈な体格(背も高い)を有していたようです。
その後のホモ・エレクトスはさらに脳容量が950~1100c㎥と、現生人類に大きく近づくと同時に、体格においても身長は成人男性で140cm~160cm、体重は同50kg~60kgと小柄で脳・身体とも現生人類のバランスに一気に近づいています。
やはり、注目すべきはホモ・エレクトスであるようです。
■最も古いホモ・エレクトスエレクトスの発見はアフリカ
では、このホモ・エレクトスの化石が発見された位置が重要となりますが…
ホモ・エレクトスの中でも、約130万年前の登場したとされるホモ・エレクトス・エレクトスは、南アフリカで発見されている。
約80万年前に登場としたとされるホモ・エレクトス・ベキネンシス(=北京原人)もホモ・エレクトスとされるが、約50万年もの差が生じていることを考慮すると、アフリカ起源説の可能性も高い。
■ホモ・エレクトスは生存競争で絶滅!?
ただ、ホモ・エレクトスは、約20万年にホモ・ネアンデルターレンシスとの生存競争に敗れるなどを通じて、絶滅したとも言われています。
古代人類ホモ・エレクトスは約11万年前までいた…他の人類と交配の可能性も
現生人類に繋がる流れを見出すためには、原人~旧人~新人の流れをより詳細におっていく必要がありそうですね!
投稿者 matudai : 2022年03月18日 TweetList
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