シリーズ「縄文体質は次代の人類の可能性!」~プロローグ |
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2018年12月13日
「縄文体質は次代の人類の可能性!」第1回~企業が変わる
シリーズ第1回は企業が変わるを扱います。
今、働き方改革も含め政府は企業の活力をそぎ落とし、企業社会を破壊しようとしています。70年代から80年代働き蜂や企業戦士と揶揄された猛烈社員は今や影を潜め、表向き仕事をしていないようにしないと白い目で見られるという、経営者だけでなく働く人たちにとっても逆風が吹いています。
しかしそれは政治やマスコミの世界の話で、実際の企業現場は08年リーマン、さらに11年の震災を契機にやりがい志向からさらに人の役に立つ、役割を求める志向に移行しつつあり、今や家庭や学校に比べ最も集団としてまともな、活力再生の可能性を秘めているのが企業です。
さらに企業も大企業ではなく中小企業や歴史を積んできた老舗企業にその可能性や萌芽があります。今のこの時代、どういう企業が勝っているか、活力を維持しているか、その活動の中身を見て行く事で縄文体質の可能性が浮き上がってくると思われます。
さまざまな日本の企業が創意工夫を重ね最も考えているのが所員の活力の創出です。それが縄文時代連綿と続いてきた日本人の工夫思考、追求の土壌、お蔭様、ありがとうの人の繋がりの文化で、それらが企業社会に様々な形で現れてきています。
今、企業の変化とは私権社会の瓦解と同時並行で進んでおり過渡期とはいえ、企業の共同体化、追求の活力、人の為、役に立つ為の仕事へと動いており、AI化やベーシックインカムの社会インフラの変化と併せて、本来の人の働き方,生き方を模索する時代に入りました。その答えは私権社会と全く無縁だった5000年以上前の縄文社会、縄文体質の中にあります。役に立つ仕事とは「贈与」である、縄文体質の表出である贈与経済の登場が企業を変えていくのではないでしょうか?
今回もるいネット、関連ブログから記事を紹介します。なぜ縄文なのか?は解説しません、読む方が感じとっていただきたいと思います。 ■1.「老舗企業大国」日本■
我が国は、世界で群を抜く「老舗企業大国」である。創業百年を超える老舗企業が、個人商店や小企業を含めると、10万社以上あると推定されている。その中には飛鳥時代、西暦578年に設立された創業1400年の建築会社「金剛組」だとか、創業1300年になろうかという北陸の旅館、1200年以上の京都の和菓子屋など、千年以上の老舗企業も少なくない。興味深いのは、百年以上の老舗企業10万社のうち、4万5千社ほどが製造業であり、その中には伝統的な工芸品分野ばかりでなく、携帯電話やコンピュータなどの情報技術分野や、バイオテクノロジーなど先端技術分野で活躍している企業も少なくないことだ。
同社の技術開発部門長の本郷茂人(まさひと)氏はこう語る。
貴金属のほうから、そういう特性を世に出してくれ、出してくれって言っているようにな気がするんですよ。われわれが特性を探し出すんじゃなくてね。世の中に出してくれ、出してくれと言っているものを出してやるように努力するのが、われわれの仕事じゃないかと思うんです。
金箔は人の心を読む。機嫌の悪いときには言うことを聞かない。時には嘲笑(あざわら)ったりする。金箔は生きているから。
福田金属も、こういう職人気質を受け継いで、世界最高品質の銅箔を作り続けているのだろう。
近代科学が行き詰まっているいまだからこそ、米作りのような農業と醸造・発酵の技術とをもう一度リンクさせ、付加価値の高いものを作ろうと、お米の研究に取りかかったのです。
大学で西洋的科学技術しか学んでこなかった研究者・技術者が欧米企業と同様な研究開発アプローチをとったのでは、同じ土俵で戦うだけで、独自の強みが出ない。老舗企業にはわが国の伝統的自然観が残っており、それが独自の技術革新をもたらしたのであろう。
昔から職人文化という言い方をしますが、これは職人=文化ということです。人の育成に於いてまで文化の高みに到達していたのが私たちの先祖であり日本であるように思います。その育成方法も明治維新以降の教育改革の中で次第に喪失してきました。今では徒弟制度なども遺っているところも少なくなり、技の伝承や継承も次第に喪失してきているように思います。
鵤工舎の小川三夫さんの「棟梁」より~
「大きな建物は一人ではできん。大勢の力ではじめて建て上がるんや。一緒に仕事をしていくには、やさしさと思いやりがないと無理や。一緒に飯を食い、一緒に暮らし、同じ空気を吸っていれば、自然にやさしくなる。思いやりがなければ、長いこと一緒には暮らせん。隠し事も十年は隠せない。いい振りをしていても地が出る。素顔で暮らすのが一番楽や。そうしているとやさしくないと暮らしていけないことに気がつくんや。」
「しかし、言っておくけどな、共同生活で、思いやりも、やさしさも身に着けていくが、本当のやさしさというのは、ただ人の面倒を見るのとは違うで。本当のやさしさは、自分自身に厳しく生きてないと身につかんもんや。厳しさのないやさしさは、甘えにつながる。そんなものはうちにはいらんし、人も育っていかん。技も身につかん」
「未来工業」の改善提案制度~どんな提案でも発信すれば500円支給。
日本一社員がしあわせな会社~岐阜県にある電気材料メーカーの未来工業、ここ数年そのユニークな経営が注目され、山田昭雄社長が最近出版された著書「日本一しあわせな会社のへんな”きまり”」にその内実が書かれてあった。
よそと差別化していくためには、常に考える習慣を付けないといけない。
新製品のアイデアや仕事の効率化について考え続けなければいけない。
そのため、未来工業には「改善提案制度」がある。
ただし、ふつうの提案制度ならどこの会社でもやっている。良いアイデアを出したら表彰されて賞金がもらえるような制度はどこでもあるよな。
しかし、うちは何をするにもよそと差別化する方針だから、「提案したら封を切る前に500円支給する」ことにした。
>大半は小さなことですが、その積み重ねで職場がよくなっていくし、「自分の提案が仕事の質を高めた」という自負が生まれるので、個人のやる気につながっていると思います。世の中の大半の人は定型業務についていると思いますが、総務も同じような仕事が多いのです。その中でいかに改善していくか、いかに仕事を早くやるか、いかに面白くやるか、ということを常に考えています。
>自分たちで考えて、自分たちで実行して、自分たちで効果を実感できる
ところが面白いし、次も何か考えようという気持ちになります。
社長が下手な鉄砲数撃てば当たると書いているが、この制度の優れているのは、とにかく発信は○という社内の空気を作り出したことだ。
さらにそれらが、自分たちの働く場を自分たちで作るという意識まで繋げている。そしてそれらを背景にに、常に”考える”という風土ができあがる。共同体企業とはこのような人智や工夫の積み重ねの上にあるように思う。
「星野リゾート」の強さの秘密~「フラットな組織文化」が、競争力の源になる!
勝ち組「星野リゾート」の強さの秘密。
社員の活力に照準を当て、常に組織改革を行なっている。
勝っていくためには、社員みんなが最大限の力を発揮できる組織環境、体制を作っていく必要があることが分かる。
生産性が重視される昨今だが、「日本のサービス産業の生産性は低い」という声をよく聞く。しかし、画期的なサービスが話題を呼び、成長を続ける企業もある。国内外約40拠点で旅館やホテルを展開するリゾート運営会社・星野リゾートがその一例だ。同社ではトップの知らないところで社員自らがさまざまな企画を生み出し、ヒットさせ、それが組織の活性化、同社の競争力の高さにつながっている。そんな「社員が勝手に利益を作り出す」組織文化の秘密を、星野佳路代表にうかがった。
「私たちが大事にしているのは、言いたいことを、言いたい相手に、自由に言える環境であり、やりたいことに自由に挑戦できる環境です。つまり、それぞれが持てる力を百%発揮できる環境をつくることです。反対に、上司の指示が絶対だったり、自らの自由な発想や発言、行動が人事評価で不利益につながったりする環境では、自分の力を十分に発揮することができません。年齢や勤続年数、ポジションに関係なく、自ら発想して行動できる環境作りが私たちの目指すところ。・・・」
「フラットな組織文化とは、組織図が平らであるという意味ではなく、お互いの働き方がフラットだということです。そのためには普段から人間関係がフラットであることが求められます。これは制度を導入すれば達成できるものではなく、文化を変えていく必要があります。したがって、トップの覚悟とコミットメントが欠かせません」
市場論・国家論17.基礎保障制度(ベーシック・インカム)の実現
・基礎保障の実現は、解放感と共に、人々の働き方⇒生き方を大転換させてゆく。
・当初は、引きこもりたい者は、引きこもればいいし、バーチャル世界で生きたい者はそうしたらいいし、あるいは美味しそうな仕事だけしたいのなら、そうすればいい。
①しかし、人類は共認動物であり、共認充足なしには生きられない。従って、何らかの仲間世界に出てゆく事になる。
②共認充足は、周りの期待に応えることによって得られる。そして、人々の期待に応える=人々の役に立つ最大の活動は仕事である。従って、何らかの仕事に就く=何らかの職場に属することになる。
③人類の主要な外圧は同類闘争の圧力であり、従って人類の主要な活力源も同類闘争である。従って、一匹狼や職場を転々とする者は常に少数で、大多数は集団(企業)に属して同類闘争を闘うことになる。
④中でも、人類の究極の活力源は、みんなで追求する充足である。従って、誰もがみんなで追求⇒事実の追求に向かう。
☆私権の強制圧力から解放された人々は、この探求過程を通じて、改めて人々の動きを注視しつつ自分は何をしたいのかを己の潜在思念に問うことになる。そして、それは、人々の意識(価値観や生き方)を、根本から転換させてゆくことになる!かくして人類社会は、本能欠乏や共認欠乏に根ざした本源社会≒共同体社会へと移行してゆく。
現在においても、既に贈与関係が取引関係を制覇するという事象は様々に広がりつつある。例えば、飲食業や旅館業などの接客業では、顧客の評価を決めるのは、どれだけおもてなしの心がこもっているか。決して、料金に含まれるサービスや料金そのものではない。料金には含まれないおもてなし=贈与が顧客の満足度を大きく左右し、贈与による満足度がまたお金を払って来たいという評価につながる。
或いは、デザインや設計といった意識生産も、報酬をいただいて提供するサービス内容だけが顧客の評価を決めるとは限らない。むしろ、報酬にはならない、顧客との親和充足や追求充足、それを通じた活力再生、組織活性化など、契約外の業務で、どれだけ顧客のために追求をしたか=贈与関係が顧客の評価を大きく左右するようになっている。贈与による満足度が、また一緒に仕事をしたいという評価につながる。
日本人の働き方は、昔から取引関係よりは贈与関係を大事にしてきたという面はあるが、近年になって贈与関係の比重は増していると思う。おそらく、それは人々の活力源=仕事の目的が私権から本源へ移行していることが背景にある。私権時代は、モノやサービスの機能に対する価格の競争力が市場の制覇力だったが、本源充足の実現可能性が開かれた時代になると、価格競争力よりは、本源充足力が制覇力になっていく。贈与という行為は、本源充足力のベースになる行為であるがゆえに、贈与関係が取引関係をも制覇するようになってきているのではないかと思う。
投稿者 tanog : 2018年12月13日 TweetList
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