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2020年02月27日
知能とは何か?~オランウータンの子育てにそのヒントがある。
今回は類人猿・人類が持つ知能の話をしてみたい。
類人猿(チンパンジー、オランウータン、ゴリラ)及び人類は知能という他の動物にはない特徴を持っている。もちろん他の動物も知能はゼロではない。イルカやオウム等、人間の言語に近い発信をする動物も居る。また犬に至っては感情や心情が人と相似しており古くから親和対象の動物だぅた。
私たちは知能というと頭の回転の良さや記憶力、判断力、知識、思考力などをイメージするが、類人猿から人類に至る際にどのように知能が発達していったかを見ると知能のその本質を知る事ができる。知能とは一言で言えば親和機能の延長であり、母子の間で育まれた同化機能、共感機能、一体化機能こそ知能の出発点になっているのだ。
なぜならば知能の最も基礎になる言語能力とは赤ん坊の時に母親と同化、一体化する中で見様見真似で発音を覚え、発音して相手と気持ちが繋がる事で心地よい、嬉しいという感情を得る。その繰り返しの中で誰でも言葉を習得し会話ができるようになっていく。
つまり知能とは真似が始まりなのだ。
さて、この事を知ったのはつい最近。実現塾でオランウータンの特徴とその後、オランウータンが人類へつながったというくだりの中で語られた。少し長くなるが、オランウータンがなぜ知能を獲得する事ができたのか、について追いかけてみたい。
樹上は原猿から進化したオナガザルの天下だった。その中で同じく原猿から進化したテナガザルは縄張りを獲得できず、軽量化してオナガザルが来ない樹冠の食料を確保することで適応した。樹冠は縄張りが狭く個体数を増やすと種として生存できない為、個体数を抑え、逆に出産した子供を確実に成体に育て上げる為にメスは授乳期間を2倍に延長した。
類人猿はいずれもテナガザルから進化している。いずれもテナガザルからさらに授乳期間を延長させ、ゴリラ、チンパンジーは4年、オランウータンは実に7年まで授乳期間を延ばすことになる。この7年は人類の授乳期間(長くて2年)よりはるかに長く、オランウータンのメスと子供の関係がいかに密着して一体化していたかを容易にイメージできるだろう。因みにオランウータンの脳容量は400CCあり、人間の4歳ぐらいの知能を持っている。チンパンジーにできる事はオランウータンもほぼ全てできる。(真似行動、季節を感じる、簡単な道具を使う、水を掬って飲む)
※人類の授乳期間は短くなったが、逆に人類の(集団で育てる)子育て期間はオランウータンよりさらに延長させ、12歳ぐらいまでは成体にならず子ども期間は延長された。
このように授乳期間の延長と知能の発達は連動しており、この母子の子育て期間の間に知能が育まれる事は間違いない。そこで行われるのは赤ん坊が母親に同化、一体化し転写回路(ミラーニューロン)を使って真似をする、同化して真似をする、それが知能の原点(ベース)にあるのではないか。この知能の原石がやがて共認機能となり集団や社会の中で複雑な情報を処理して生きていく共認動物となっていく。未知への追求やどうする?を考える上で共認充足が何よりベースにあり、その大元には親和充足、一体化が不可欠であり、親和や追求仲間の存在は私たちにとって母親同様に極めて重要な存在なのだ。
類ネットの本田さんの投稿の中に以下の記述があり、それを表現している。
>子育て期間は、人類>類人猿>真猿>原猿>一般哺乳類>魚類。ここから推測できるのは、知能を司る共認回路は生後の子育て期間中に完成するということ。
(中略)
共認回路は、その様な微妙で複雑な同類の情報を対象としているため、生後に母親を対象として、脳回路の繋がりを形成し、その後、仲間などを対象にしてさらに脳回路の繋がりを進化させていく。この期間がおおむね子育て期間で、この間で共認回路の接続の基本形ができる。ちなみに、人間でも、出生時には大量の未接続の脳神経回路を持っているが、そのつながりが概ね決定していくのが思春期の終わりくらいになる。それ以降も、つながりの変更は年をとっても繰り返されていくが、これは主に、観念回路だと思われる。
そのため、三つ子の魂百までということわざがあるように、言葉のしゃべれない赤ちゃんの時の脳回路の基本部分(共認回路)が、うまく母親を外部対象として捉え、その把握に必要な回路接続ができない場合は、大人になってもズレっぱなしで修復できなくなる。
このように、共認回路は膨大で微細な情報に対応しているため、本能回路に比べてその処理能力は飛躍的に高くなる。この能力を知能と呼んでいる。また、出産前に形成されるDNAに依存する本能回路に比べ、はるかに個別・現在形の外圧を対象としているため、適応精度が高く変異能力も高い、とういう関係にある。
次に、オランウータンよりはるかに知能進化した人類は、どのようにして(何を契機に)進化することが出来たのか、いかなる必然性があったのか、それは人類がなぜ観念機能を獲得したかにありそうだ。次回の実現塾では人類にテーマが移行するのでそこでの議論をベースにこの続きが書けるのではないかと思う。お楽しみに。
投稿者 tanog : 2020年02月27日 TweetList
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