土器の起源を探る |
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2008年01月10日
縄文土器に挑戦!No.1
前投稿の『土器の起源を探る』はなかなか興味深い内容でした。
縄文時代の象徴でもある『縄文土器』は様々な形をしていてとても魅力がありますね。
穀物を貯蔵する器、煮炊きに使う器、食物を盛り付ける器、水やお酒を飲むための器など生活に必要なものとして作られた器から、どうやって作ったのか、何に使うのか理解しがたい器まで多種多様です。縄目をつけた文様と装飾性の強さにもドキッとさせるものがあります。
この魅力に取り付かれた私としては縄文土器を実際に作ってみたいと言う思いが沸いてきました。縄文人の暮らしや食生活を支えた土器づくりを通じて、昔の人たちの知恵や文化が理解できるようになれば様々な「縄文の疑問」の答えに近づけるのではないだろうか。
と言うことで「火焔土器」に挑戦してみたいと思います。
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以下の写真は 庁鼻和窯ほーむぺーじ よりお借りしました。
(縄文前期:関山式土器) (縄文中期:勝坂式土器)
私は少し陶芸をやりますので技術的問題も少しは理解できていると思っています。
現代と違って『自然』しかない当時とは違うかもしれませんが、土器を焼く時の重要な問題として 粘土の質と焼成温度 があります。
どんな土を何度で焼いたのか、釉薬は使用していたのか?
どのような方法で焼いたのか?釉薬はどうやって作ったのか?
現代では焼き物を作る時は窯(耐火レンガでできた部屋に入れて焼く)にいれて焼きます。
焼成窯は熱が逃げにくいいし、高温にしやすいという機能を持ちます。
また焼成する最初の段階で、少しづつ加熱することで焼き物が割れるのを防ぐことも出来ます。…当時は窯など発明されていません。野焼きで縄文土器が出来るのか?作り方は?
焼き物を焼くときは焼く前にしっかりと粘土でつくった器を乾かすことが必要です。
いくらよく乾かしても粘土の粒子の間に水分が残っており、また結晶水といって粘土鉱物中にも水分があるのでこうした水分が加熱時に器から外に出てきます。
このため、急に加熱すると器の粘土の中で水分が大きくふくれ、爆発してしまいます。
特に、縄文式土器のようなのを作る場合には、少し掘りこんだ穴の中によく乾かした土器を並べて、その上に藁などをかけて野焼するのではないかと思うのですが、こうした場合にはどうしても加熱する速度が速くなりすぎるため、破裂することが多いと思われます。
…当時は何度も何度も失敗したものと思われます。
(縄文中期:勝坂式土器) (縄文中期:火焔土器)
現代では急な加熱、冷却に耐えるように『シャモット』という粉を使うことがあります。『シャモット』という粉は一度焼いた粘土の粉で、これを入れることにより急な加熱、冷却に耐えるようになると言われています。沢山いれると細工がしにくくなると思うので1~2割程度入れて様子を見ながらやってみると良い。 素焼きの器を叩いて粉を作っても、『シャモット』を作ることはできます。
…当時こういう技術を持っていたかは疑問ですが、、
あと、大きさですが、野焼きの場合、窯で焼くのと違い、器全体の温度が均一にならないので、大きい器の場合、表は焼けたが裏はまだというような状態になりやすいのです。
焼き物というものは焼けると1~2割程度縮むものです。だから、焼けた面は縮んで小さくなろうとするがまだ焼けていない面は元の寸法のままなので、作品に大きな歪が生じて、大爆発をおこしてしまいます。
(縄文後期:堀之内Ⅰ式土器) (縄文晩期:安行Ⅲa式土器)
器の大きさが15cm以内であれば割れることも比較的少ないと思うのですが実際に発掘された縄文土器には60cm位のものもあります。
…ここでも当時は何度も何度も失敗したものと思われます。
焼くときにはあらかじめ藁などを燃やして灰を作っておき、作品をその灰の中に埋めてさらに、その上に割れた素焼きの植木鉢などをかぶせて、その上で焚き火をすると良いというような話を聞いたことがあります。また縄目をつけた文様にも土器制作上の意味があるようです。
この辺りの技術も先人の工夫思考のたまものだと思います。
インターネットで調べてみると縄文土器作りの細かい工程までアップしている縄文土器の制作というサイトがありました。
このサイトも参考にしながらまずは粘土の入手から試行錯誤を重ね縄文人に近づいて行きたい思います。
投稿者 mukai : 2008年01月10日 TweetList
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コメント
投稿者 案山子 : 2008年2月3日 14:47
案山子さん
少し、追求の視点が行き詰まり、どう分析していくか?
最近少し迷いが入っていました。
外圧状況を改めて押え直していくことから、はじめたいと思います。
アドバイスありがとうございます。
投稿者 さーね : 2008年2月5日 17:11
中国が最近かなりマスコミ等でバッシングを受けていますが、
中国人を自己中とみる空気がどんどん高まっています。
しかし私には中国=自己中というマスコミ的感覚で見ると見誤るように思うのです。他の記事でも書かれていますが、陸続きの東の果ての中国の外圧環境は戦争が果てしなく続いた西の果てヨーロッパに近似しています。
まずは中国がおかれてきた外圧状況を分析して、古代中国はなぜ大国となったのか?現代の中国はなぜその体質を変えることができないのか?環境の変化に適応できなかった恐竜のように超大国中国もまた激変する社会に適応できない事態を迎えているのかもしれません。
私権闘争に明け暮れた東の果てと西の果て、私権社会が行き詰まりを見せ始めた21世紀初頭に、いずれも次代の課題を前に変化を求められています。その意味で東洋的中核である中国の歴史分析とこれから先の変化予測は縄文人の分析以上に私達にとって必要なテーマなんだと思います。
さーねさん、さらなる分析をよろしくお願いします。