弥生時代に持ち込まれた祖霊信仰 |
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2007年02月14日
弥生時代のクニの形成過程
おはようございます、tanoです。久しぶりに弥生に戻ってまいりました。
今日は弥生時代のクニの形成について考えてみたいと思います。
弥生時代は縄文晩期に渡来した中国・朝鮮系渡来人によって作られました。
弥生時代の特徴は集団規模の拡大と階層化の登場です。
弥生ミュージアムではクニの形成を以下の4段階に分けています
■第一段階 農業開始期
■第二段階 クニの成立期
■第三段階 クニの相互期
■第四段階 クニの連合期
【この4つの段階は大きくは以下のようになります。】
渡来人の定住・農耕の開始
人口の増加=集団規模の拡大
環濠集落の成立
中核的環濠集落の成立
中核的環濠集落の中身の拡充
環濠集落の消滅
古墳の登場
???なぜ集落が消滅したのでしょう?
これには祖霊信仰と武器の祭器化が絡んできます。 🙄
上記を流れを詳しく図解化風に書いてみました。
続きを読みたい人はポチッと押してみてください(関係ないけど)
■農業開始期(弥生初期)
水田稲作の技術を携えた人々が渡来(北九州)
(渡来した時点でおそらく縄文人を殺傷して力を示している)
(縄文集落へ定住・稲作の開始)
後発の渡来人が定住
狭い地域に複数の渡来人集落が並存
(水の争い・同類圧力の発生)
環壕集落(=コロニー)の出現(板付遺跡、菜畑遺跡)
環濠を作って他集団の侵略を防ぐ・井堰を作って水を制御
渡来人がコロニーを作って防衛集団を形成。→レベル1
(縄文人集落の吸収)
■クニの成立期(弥生前期)
農耕の広がりにより人口と集落数が増加
土地の権益をめぐる戦いが顕著になっていった
環壕集落の数が増加
(争いの発生)
(集落統合の必要性)
環壕集落を中核とした集落群(地域社会・クニ)の成立→レベル2
(連合集落を統合する力の必要性)
銅剣を副葬する甕棺墓の登場→祖霊信仰の登場(戦闘の指導者=社会の指導者)
■クニの相互期(弥生中期)
(部族間同類圧力の高まり)
中核的大規模環壕集落が成立
(墳丘墓など祖霊祭祀の対象となる墳墓と祭殿などの祭祀空間、居住区、工房などを備える)
(祖霊信仰の強化)
武器の祭器化
戦神・軍事的祭儀=祖霊祭祀と結合。→レベル3
(クニの領土拡大が集団の第一課題へ)
■クニの連合期(弥生晩期)
中核的大規模環壕集落の拡大施設・設備を拡充
(中核的大規模集落間の戦争圧力が上昇) 覇権をかけた争い
(巨大な勢力に対応する為に小さなクニは戦争回避)
クニ同士の連合化
環濠集落の消滅
首長墓(祖霊信仰)の再編・強化→レベル4
古墳の登場
※弥生時代の代表的集落である防衛の為の環濠集落は戦争圧力があるレベルを超えるとその意味が失われた。力と力のぶつかりあいが顕在化した段階では戦乱になるか連合を組むかに分かれる。
戦乱になればなるほど、ばらばらのクニを統合する力が働き、集団は拡大し、首長の権力は巨大化していった。
投稿者 tano : 2007年02月14日 TweetList
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コメント
投稿者 森山嘉道 : 2013年5月4日 22:36
このシリーズ、大変参考になります。1と2と4はありますが、3が画面にないようです。3も読みたく思います。以上