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2008年12月16日

渡来人が運んできた妻問婚

『知られざる人類婚姻史と共同体社会』に、日本の婚姻通史が紹介されています。↓↓
すごく分かりやすいですね!!
 原始(無土器・縄文)・・族内婚---------┬-【群婚】群
 原始(縄文・弥生)・・・・族外婚---------┘   母系氏族
   ↓
 大和(古墳)・・・・・・・・妻問婚-----<通い>--┬【対偶婚】父系母所
 飛鳥奈良平安(初)・・・前婿取婚---┬婿取婚--┘ <群婚的多夫多妻遺存>
 平安(中)・・・・・・・・・・純婿取婚 ---┤<住み>     <過渡的父系氏族=氏族崩壊>
 平安(末)・・・・・・・・・・経営所婿取婚 -┤
 鎌倉南北・・・・・・・・・・擬制婿取婚 --┘
   ↓
 室町安土桃山江戸・・・嫁取婚----------【一夫一婦(蓄妾)婚】父系<家父長>
   ↓
 明治大正昭和・・・・・・・寄合婚----------【純一夫一婦婚】  双系<個人型>

族内婚⇒族外婚⇒妻問婚⇒婿取婚へと推移していくわけですが、大和における妻問婚で一段の変化があるようです。
今回は妻問婚について少し調べてみました。
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●万葉集に見られる妻問い。

(以下、壺齋閑話さんより)

男が女の下に通う通い婚の具体的な姿は、万葉集や日本霊異記に散見される。また男が女の家に同居する妻方居住婚の例も多く見られる。それに対して、女が男の家に住む夫方居住婚は、女の身分が男に比べ極端に低い場合など、例外的なケースだったと見られる。
万葉集は古代末期の日本人の歌集であるが、そのなかには庶民の生活感情を歌った歌が多く含まれている。
万葉集には、両親を歌った歌が100首ばかりあるが、それらの殆どは母親を歌っており、父親だけを歌ったものは1首しかない。子の母親に対する情愛は現代にも通じるものがあるが、万葉集の世界においては、子は父と同居することがなくても、母親とは常に強い絆で結ばれていた。上の数字はそのことを反映しているのだともいえよう。
結婚後、互いの関係が安定するまでのいわゆるハネムーンに相当する期間、新婚の夫婦は女方の家の一角に小さな小屋を作って、そこでむつまじく過ごした。この小屋を「つま」という。配偶者の「妻」という意味ではなく、母屋に対して端(ツマ)にあるという意味から出た言葉である。男がここに通ってくることをだから、「ツマドヒ」(妻問)といった。古事記は山幸彦が3年間海神の家に滞在したといっているが、それはおそらく「つま」に住んだことを意味しているのであろう。
妻問とは、端(ツマ)に通うことに端を発しているのですね!
●この妻問いは天皇家=支配階級の間にも良く見られます。
 ちなみに、“妻問婚 天皇”で検索してみると、出るわ出るわ、、、
 >天皇の妻問いや皇位継承をめぐる反乱、皇子たちの殺害、有力氏族の抵抗・滅亡という
 >稲日大郎姫を大和の景行天皇が妻問いして后としたのは、
 >景行天皇が播磨に印南別嬢を妻問いに行く伝承が載っています。
 >伝承像記の仁徳天皇の物語、特に「古事記」のそれは妻問い物語を軸に構成されている。
 >天皇家や皇族の妻問い婚も例外ではなかった。 ただし天皇家の妻問いは政略結婚的なものであり
 >安閑天皇も春日に出掛けて春日山田皇女を妻問いしています。、
大和の天皇?のお話がいっぱい出てきます。
大陸から渡って来たのでしょうか?
●そこで、高句麗の婚姻様式を調べると、(リンクより)

高句麗では、男女の間で婚姻の約束が定まると、女の家では主屋(おもや)の後に小屋を作り、婿屋(むこや)と名付ける。
婿になる男は日暮れに女の家に至り、戸外から自分の名を名乗り、跪ずき、拝んで女と宿(ねる)ことができるようと乞う。
それが再三に及んで女の父母は、ようやく許して男を小屋の中に入れ、娘と一緒に宿らせる。傍らに銭や帛(きぬ)をおく。生まれた子が成長するに至って、男は婦をつれて自分の家に帰る。

よく似てますね。
縄文から弥生における族内婚⇒族外婚は集団統合の必要として理解できるものの、この妻問婚は極めて私権的な匂いがしますね。
庶民の母系集団から発展したのではなく、渡来人とともに朝鮮から渡って来たものなのでしょう。
母系集団をベースにしてはいるものの、渡来人が入ってくるや否や、対偶婚という一対婚に近い形に一気に変化しているようです。
(by eto)

投稿者 nishipa : 2008年12月16日 List  

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