イスラムの夜明け ~メッカと国際情勢~ |
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2009年02月19日
タルムードから見たユダヤ人の可能性
こんばんは、カッピカピです。
長い間、迫害され続けてきたユダヤ人。そのユダヤ人が、これまで数々の偉業をなし遂げてきたのは、ユダヤ教による厳しい規律と勉強の成果であることが、前回のぴんぐーさんの記事『ユダヤ人の頭脳はどのように作られている?』で、分かってきました。
宗教といえば、「神に祈りを捧げて、その恵みを受けるもの」と今まで捉えていましたが、このユダヤ教に限っては、そんな他力本願的な思想は一切なく、自ら学び、自らの生きる道を創り出してゆく、そのための拠り所となる行動規範群として、ユダヤ教はユダヤ人の間で位置づけられているようです。
そこで、今日はユダヤ教の経典とも言うべき「タルムード」について、その内容を紹介しようと思います。
↑の絵は、タルムードの一ページです。 ページ中央の凸の部分が本文で、左右が世界のラビのコメントだそうで、全訳すると、このページだけで数十ページにものぼるそうです。
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タルームード―
日本語で「偉大な研究」と意味するこの書物は、ユダヤ民族を5000年にわたって支えてきた、ユダヤ人の生活規範そのものなのです。中国4000年の歴史よりも古いなんて、それだけで驚きですね。
タルムードのボリュームは、全部で20巻、1万2000ページにおよび、語数にして250万語以上、重量75kgという膨大な量になります。
それもそのはずで、この1万2000ページは、紀元前500年から紀元後500年までの口伝を10年もかかって2000人の学者が編纂したものなんです。
長い間、離散の歴史を送ってきたユダヤ民族が、強い結束力で結ばれてきた背景には、ユダヤ人のソウル(魂)とも言える、このタルムードによって受け継がれた生活規範があったからなのです。
つまり、ユダヤ人がタルムードを守ってきたというよりは、タルムードがユダヤ人を守ってきたという方が正しいわけです。
それでは、タルムードに書かれている具体的な中身を、いくつか抜粋して紹介したいと思います。
・アキバ(タルムードの中で最も敬意を払われているラビ)の言葉
ユダヤ人にとって、学問は水のようなものであり、それから離れて陸に上がったら、死んでしまう。ユダヤ人はあくまで学ばなければならない。
・ヒレルの言葉
あなたが知識を増やさないというとは、実は知識を減らしていることになる。
自分の肩書きを人に教えようとする人間は、すでに自分の人格を傷つけている。
相手の立場にたたないで、人を判断するな。
学ぼうとする生徒は恥ずかしがってはならない。
自分で自分のためにやらなければ、誰があなたのためにやってくれるか。
今それをしなかったら、いつできる日があるか。
人生の最上の目的は、平和を愛し、平和を求め、平和をもたらすことだ。
自分のことだけを考えている人間は、自分である資格すらない。
・ユダヤの隠者
もしユダヤ人が、世俗から一切自分を切り離して、10年間勉強だけしたら、10年後には神にいけにえを捧げて許しを乞わなければならない。というのは、いかに立派な勉強をしても、社会からみずからを自らを切り離すことは罪だからである。だから、ユダヤには隠者はいない。
さすがに、億万長者やノーベル賞受賞者を何人も輩出しているだけあって、「学ぶ」ことについてはどの民族よりも努力しているようです。続いて、お金についての興味深い文章を引用します。
人を傷つけるものが3つある。悩み、いさかい、カラのさいふ。そのうち、カラのさいふが最も人間を傷つける。
体のあらゆる部分は心に依存している。心はさいふに依存している。
お金は悪ではなく、呪いでもない。お金は人を祝福するものである。
お金を貸してくれた人間に対して、堪忍袋の緒を切る人はいない。
お金や物は与えるよりも貸したほうがよい。もらえば、もらったほうは与えた者より下にいなければならないが、貸し借りならば対等でいられる。
この部分からは、国際金融資本を牛耳るユダヤ人らしい思想が随所に見てとれます。
確かに、タルムードは、他の経典に比べ、現実を直視した、現実の世界に役に立つ教えであると思います。しかし、その根っこには、エジプトで長い間奴隷としてこき使われ、また長い間迫害されてきたことによる、支配層に対する深い否定視が眠っているように思えます。つまり、ユダヤ人がここまでの偉業を成し遂げてこれたのは、ひとえに、アンチ序列=反のエネルギーを最大の活力源にしてきたからだと言えそうです。
しかし、今や、私権時代は終焉を迎え、時代は共認原理へと移行しつつあります。そこでは、反のエネルギーはどんどん衰弱していくばかりです。
つ ま り、
ユダヤ人の活力の源泉がアンチ序列である限り、ユダヤ人にこれ以上の繁栄はない。
ということです。
投稿者 hi-ro : 2009年02月19日 TweetList
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