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2008年11月29日

【古アメリカ文明の基層】北方モンゴロイドって何? ~日本人にもある「蒙古襞」~

【原アメリカ人の基層を探る】シリーズです。
原アメリカ人が12000年前ベーリング海峡を渡った人々の子孫であるならば、北米のインディアン、中米のマヤ・アステカや、南米のインカを築いた人々はすべて「北方モンゴロイド」という事になります。
彼らは、マスコミの宣伝によって、未開で残酷なインディアン、生贄の帝国アステカ、謎のマヤ、黄金のインカ帝国といった特異なイメージが刷り込まれていますが、これは侵略者である現アメリカ人から見た見方であって、北方モンゴロイドの(半分?)子孫である日本人からとても身近な人々です。
北方モンゴロイドって何?
歴史を超えて北方モンゴロイドに同化するために、ちょっと「目」を見つめてみましょう。

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北方モンゴロイドの特徴は、
1.頭髪が黒い剛直毛
2.肌が黄色
3.胴長でずんぐりした体型をもち足は短い。
4.顔は幅広く頬骨が張り出し,そのため顔全体が凹凸が少なく鼻が小さい。
5.★目には蒙古襞があり、一重まぶたで眼は細く,まぶたは腫れぼったい。
6.体毛も少ない。(特に男性のひげが少ない)
7.シャベル型切歯
8.耳垢が湿ったあめ状ではなく乾燥した粉状
9.わきがの原因となるアポクリン汗腺が少ない。
10.蒙古斑
ということで、「蒙古襞(ひだ)」に注目!
まず、これが蒙古襞です。
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これは蒙古襞のない目です。
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写真は「蒙古ヒダ除去術」さんからお借りしました。
日本人にとって「蒙古襞」のある目は当たり前なので、よほどのことでなければ気になりませんが、西洋人からみれば、実に変わった目つきに見えるようです。
蒙古襞は北方モンゴロイドだけの特長で、西洋人や黒人だけでなく南方モンゴロイドにもアポリジニにもありません。
蒙古襞は、目頭の涙腺をカバーする働きがあり、北方シベリアでの寒冷地適応でできたものだと考えられます。
モンゴル人を筆頭に中国人、韓国人、日本人の目を思い浮かべると、この目をしている人が多いと思います。
●イヌイット(カナダ)
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写真は「Exhibition・イヌイット・極北に生きる」さんからお借りしました。
この方の細い目先には「蒙古襞」があります。(一方で鼻が大きいのは混血の結果かもしれません)
寒そうですね。
蒙古襞が寒さから目を守るというのもうなずけます。
●インディアン(北アメリカ中央平原)
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1904年にアメリカ軍に追われ、オレゴン州から一族を連れて1500km北方のカナダ国境付近まで敗走後、捕らえられたネス・バース族酋長ジョセフ(英名)です。
彼の左目は負傷していますので右目の蒙古襞と頬骨に北方モンゴロイドの特徴がよくでています。
●オルメカ(メキシコ湾岸北部)
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メキシコ北部の頭部巨石像で、放射性炭素の分析から紀元前1000年頃に作られたものと推定されています。アメリカ大陸で発見されている最も旧くオルメカ文明とよばれていり、同地域では同様の顔つきの頭部巨石像が多数発掘されています。
くっきりした蒙古襞がありますが、口元にはニグロイドの特徴もあり、混血の可能性もあります。
●マヤ(ユカタン半島)
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写真は「メキシコ博物館」さんからお借りしました。
ユカタン半島で発掘されたマヤの石像です。
これはパレンケの王の石像ですが、パレンケに限らずマヤの王族はこの石像のように鼻が額まで飛び出した顔が多いのが特徴です。
目は強い一重の蒙古襞を示しています。
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同じく「メキシコ博物館」さんからお借りしました。
一見すると北朝鮮人か漢人のようですが、これもマヤの石像です。頬骨と蒙古襞に注目!
●ティワナク(ボリビアのアンデス地方)
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今から1000年以上まえの南米チチカカ湖南東のティワナク遺跡から出土した石像です。かなり破損していますが右目の蒙古襞がよくわかります。
●現在のアンデスの人
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写真は「アンデスの末裔」さんからお借りしました。
南アメリカのインディオはスペイン人との混血が進んでいますが、この2人はネイティブに近いようです。人懐こい笑顔ですね。特に右側の人には蒙古襞が強くあります。
●フエゴ島フエゴ島はアメリカ大陸最南端の島です。写真で「目」をお見せできないのが残念ですが「ヤーガン族」という日本人そっくりの少数民族がいました。ヤーガン族が焚き火を起こしてマゼランを警告を出したので「フエゴ(火)島」とよばれるようになったのですが、長きにわたる西洋人の略奪と混血の結果、最近になって部族は滅んでしまいました。
■北方モンゴロイドはアメリカ大陸でも留まるところなく拡散しています。今回はそれを「蒙古襞」で示しました。
シベリアからベーリング海峡を渡り、短期間に極寒のラスカから赤道熱帯雨林を超え、空気の薄いアンデス山脈を越えて南極手前のフエゴ島まで、それぞれの地で適応しながら住処を広げていった北方モンゴロイドの適応力に驚きを感じます。

厳しい自然環境の中で、厳しい自然を注視しつづける事で得た強い同化能力のためではないかと思います。
by tamura

投稿者 nandeya : 2008年11月29日 List  

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コメント

1年間の長い追求ご苦労様でした。
そして投稿群の紹介もありがとうございます。
私の感想としては前半のインカ、アステカ、マヤの追求はかなりよかったと思いますが、DNAの方になって少し拡散したかなぁと思っています。
できれば、昨年の投稿群の総集編として今わかっている内容とこれから追求していく視点を数行でご提示いただけるとより読者も読みやすいなーと思いました。お手間でなければそちらの方もよろしくお願いします。

投稿者 匠たくみ : 2009年1月4日 17:28

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