シリーズ「日本人は何を信じるのか」~6.葬式仏教とは |
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2012年07月27日
始原の言語・日本語の可能性(7)~相手と融合する母音語と境界線を作る子音語~
始原の言語・日本語の可能性シリーズ第7弾です☆
シリーズ5・6では、母音の発音体感について展開されました。
始原の言語・日本語の可能性~(5)母音が作り出す感性
始原の言語・日本語の可能性~(6)母音の感性が生む心開く会話
復習すると、
>自然体で発生される母音は、音響波形的にも自然の音に似ている。
>心を無防備にする母音には、もう1つ身体性と深く結びついているという特徴がある。
でしたね
世界中でも数少ない母音言語である日本語、そして日本人の特徴が見えてきそうです。
今回は、そこに迫ってみたいと思います
同じく、黒川伊保子氏「日本語はなぜ美しいのか」より引用します。
○母音語と子音語
この世のことばの音を、母音と子音に分けたとき、忘れてはならないことがある。何度も述べるが、それは日本語が、母音を主体に音声認識をする言語である、ということだ。
日本語では、ことばの音の最小単位は、カナ一文字にあたる。カキクケコKaKiKuKeKoのように子音一音+母音一音、あるいは単母音で構成されている。これら一音一音を成り立たせているのは、母音の存在感である。
(中略)
日本人にとっては、ごく自然な、この母音骨格による音声認識方式。しかしながら、世界の多くの言語は、この方式では音声認識されていないのである。
英語では、シラブルと呼ばれる子音から子音への一渡りが、最小の音声認識単位である。前にも書いたが、日本人がク・リ・ス・マ・スと五拍で認識するChristmasは、英語人はChrist+masの二シラブルで聴き取っている。
日本人はChristmasを、あくまでもウ・イ・ウ・ア・ウの母音骨格で聴き取ろうとする。相手がそう発音しなくても、脳が勝手にそう聴いてしまうくらいに、音声認識方式というのは揺るがない機構なのである。
また、そう聴くということは、そうしゃべってしまうということに他ならない。日本人はかなり気をつけても、Christmasに余分な母音を差し挟んでしまう。
一方、英語人はChristmasをChrist+masで聴き取るわけだが、この際の真ん中の母音iとaはほとんど意識されない。
外国語が、日本人にはなかなか聞き取れない理由がやっとわかりました(@@)
“Christmas“は、”クリスマス“ではなかったんですね!?
○対話の目的が違う!
さて、母音語族の日本語、子音語族の世界各国語。この違いに気付いたとき、私はぞっとしてしまった。
なぜなら、「嬉しかった、ありがとう」の溶け合うような親密感に比べて、「光栄でした、感謝します」の冷ややかなこと・・・・・この違いが、言語全体に流れているということだからだ。
(注釈:同著第八章によると、音響波形が自然音に似ていて、身体性と密接に結びついている母音の親密性に比べて、子音の強い中国語由来の言葉など(「感謝します」「光栄です」etc)は強く響いて、相手に踏み込ませない距離を感じさせる。)
すなわち、潜在意識で母音骨格をつかむ私たち日本人は、話しているうちに、意識レベルで相手と融合してしまう。意味的な合意を得られなくても、一定時間話し合えば、なんとなくわかり合えた気になる。日本語はそういう特性の言語なのである。「話せばわかる」とは、いかにも日本人らしい名言だと思う。
おそらく、子音語族の使い手からしたら、曖昧で何を言っているかわからない会話に見えるだろう。しかし、意識レベルで他者と融合するのは、素晴らしい政治力だと私は思う。なぜなら、日本人にその癖がなかったら、祖国の美しい街々に原爆のような残酷な爪痕を残した国と、あんなにすぐにニコニコ笑って付き合えただろうか。意味論的には「?」でも、結果、柔軟でタフな国民性である。
一方、相手の音声の中から、機械音に近い、威嚇効果のある子音だけをつかみとる人たちは、話しているうちに、相手との境界線がしっかり見えてくる。この境界線を越えるための権利と義務について話し合わなければ・・・・・彼らの潜在意識は、そんな風に感じているはずだ。
境界線を越えるため、子音語族の恋人たちは、「愛している」ということばを約束事のように交換し合う必要がある。
境界線が融合してしまう母音語俗の恋人たちは、打ち解けた恋人を褒めることはしない。自分の身体の一部を、今さら褒める必要がないように。つまり、母音語の使い手たちは、自我の内側に、恋人を招き入れるのである。
だから、私は、馴染んだ女を褒めない日本人の男が好きである。どっぷり一緒に生きている感があるからだ。おそらく、母音語を使う女たちは、子音語を使う女たちより一段と幸せだと思う。違うかしら?
たくさんの言葉を交わさなくとも、相手と融合することでわかりあえてしまう日本人と、相手との間に境界線をつくる子音言語の人たち。
子音言語の人たちが饒舌な理由、そして日本人が外交下手な理由はここにあったんですね・・・
私も、母音語を使う女たちは、子音語を使う女たちより幸せだと絶対に思います
さて、次回ですが、母音言語と子音言語で、具体的に(身体的なものや民族性など)どういった違いが現れるのかご紹介したいと思います。
脳の使い方にヒントがあるみたいです。
お楽しみに♪
投稿者 pingu : 2012年07月27日 TweetList
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