2012年7月19日
2012年07月19日
次代の可能性をイスラムに学ぶ-7.~変わらないという強み、変わらないという弱み~
1.共通の「神」を創れば皆兄弟
先日、テレビで次のような光景を見ました。アフリカ人が、出稼ぎかなにかで色々な国から集まってきていました。それぞれが文化も宗教も違い、別々の神様を信仰し、お互いの関係は距離を置いて過ごしていました。ある人が、次のような提案をします。「みんなで同じ神様を信仰しよう。」そうして人形のような御神体が置かれます。すると、大きな変化が起きます。みなが「私の兄弟!」と云いながら、涙を流し抱き合うようになったのです。共通のものを信仰する仲間意識が警戒心を解き、安心基盤をつくったのです。宗教というものの重要な一面を目の当たりにした瞬間でした。
もしかしたら、彼らは日々対面で過ごしているので、いずれ気心が知れて、その共通の神の存在意義は薄れるかもしれません。しかし、これが対面を超えた社会という規模の場合、神の存在は不可欠であり、かつ、一部の者の都合で変更を加えることはできません。それは他者に対しての裏切りになるからです。
このようにして見ていくと、社会的な広がりをもつ宗教というものは、その内容は簡単には変えられないという必然構造を持っています。
当然、これはイスラム教ももっている特性のひとつです。とくにイスラム教は、日々の行動によって信仰心を反復して(確認して)いる状態です。これが、歴史を経ても変わらない安定構造をつくる一因となっています。
投稿者 kumana : 2012年07月19日 Tweet