2012年7月14日

2012年07月14日

始原の言語・日本語の可能性~(5) 母音が作り出す感性

日本語は、実体(対象)と発音が一致した美しい言語。その音を発する時の口腔内感覚→発音体感が、それが指し示す対象(実態)の様子と密接に関わっている。
前回までK、S、T、、、子音の発音体感について、黒川氏の見事な分析を展開してきました。
実体と発音が一致している美しい日本語(カ行、サ行、タ行の分析)
2重母音が作り出すやわらぎの意識(ヤ行、ワ行の分析)
ラ行(R)は哲学の響き/ナ行(N)は抱擁の感覚/ハ行(H)は熱さをあらわす
いよいよ今回は、日本語は母音言語と呼ばれる、その「母音」の発音体感について分析が展開されます。
以下、囲み部分は、黒川伊保子氏「日本語はなぜ美しいのか」より引用。

ことばの発音体感は、潜在意識に、ある印象を作り出す。
その印象の質は、K、S、Tなどの音素単位の発音構造に依存していることを、前章までに理解していただけたと思う。
ことばの音を構成する音素は、大きく子音と母音の2つに分類することができる。実は、この子音と母音とでは潜在的な印象を作り上げる際の役割が違うのである。
【子音が作り出す感性】
子音は、息を制動して出す音、すなわち息の流れを邪魔することによって出すのが特徴の音素群である。喉で息を溜めて「発射」させるのがKとG、舌に息を孕ませて弾き出すのがTとD、唇の破裂音がPとB、息を喉壁でこするとH、上あごにすべらせて歯茎でこするとSやZになる。、、、、、、、(中略)
このように息を制動する方法によって、発音の体感はかなり違う。物体を破裂させるのか、すべらせるかでは、見た目も感触も音も違う。(中略)ことばの発音体感の質、すなわち、口腔内で起こる力の質は、発音時の「息の邪魔のしかた」によって作られる。つまり、子音が、その主な担い手だ。

(さらに…)

投稿者 fwz2 : 2012年07月14日