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2007年08月14日
インカにおけるミイラの役割-ミイラシリーズのまとめ-
こんにちわ 😀
今回はインカのミイラシリーズについて、そのまとめをしてみたいと思います
インカのミイラシリーズ1.2.3と探索してきましたが、これらは一つの精神世界として繋がるようです 🙄
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インカ帝国は、インカ部族が多数の部族を統合してできたものですが、その統合は武力とともに諸部族の信仰を太陽信仰の元に序列的に体系化することで可能だったと考えられます。
それはインカが諸部族の信仰の対象を首都(クスコ)に持っていったこと、また、創造主ヴィラコチャが太陽をはじめとする万物を創造したという創造神話を持っていたこと、さらに諸部族の祭儀をとりいれながらも最高の祭儀として冬至の儀礼(インティライミ)を設定していた事からわかります。
以下は諸部族の信仰の対象をクスコにもっていった件についての記載
太陽を始めとする自然の聖なる顕れはワカと呼ばれました。
ワカはさまざまな創造神話の中で語られ、それぞれのワカに対する儀礼が定期的に行われました。・・・・・丘陵や岩石や樹木などの自然物のうち、変わった形のもの、滅多にない珍しいもの、巨大なもの、怖しいものがワカとされました。
これらのワカは、征服した住民たちの聖なる事物でもあり、インカ族はそれらをうまく国家宗教のパンテオンに組み入れました。
征服された部族のワカで、動かせるもの(巨石など)は行列を組んでクスコの聖域へと運ばれ、そこでそのまま遠隔地からの巡礼の対象となり、動かせないもの(山や川、洞窟や泉など)はそのまま帝国の聖域の一つとなりました。
(出典:新大陸の古代王朝より)
さてミイラ ですが、インカに組み込まれた諸部族の信仰(ワカ)は、先祖のミイラ、山などの具体的な自然対象など様々ですが、インカ族はこれら全ての信仰対象(ワカ)に超越するものとして太陽(インカ)とその創造主(ヴィラコチャ)を設定する事で統合したのだと思われます。
(先祖のミイラが、シリーズの1で紹介されたミイラ、信仰の山に捧げられたものがシリーズの3で紹介されたミイラ)
また、インカ族はインカ式の神殿を各地に建設し、太陽信仰を中心とする祭儀を継続的に行う事で定着させると共に、インカ族自体もミイラとなって祭礼を一本化しています。(これがシリーズの2で紹介されたもの。)
武力で諸部族を支配したといわれるインカですが、死者(ミイラ)は信仰の統合に大きな役割を果たしていたのでした。
またインカは武力支配とはいえ、自部族の正当化のための守護神を祭り上げて略奪と殺戮が繰り返された旧大陸メソポタミアの古代文明とは違って、(ミイラを使って)支配した部族共同体を残存させたまま、部族集団の閉鎖性を弱めて、国家として統合したと思われます。
植民地的支配とも言われています。
以下に参考記事を載せておきます。
「アンデス地方を支配したインカの支配方法は植民地方式であった?」
インカによって征服された地域内部の諸共同体は、インカという広大な帝国をその余剰労働力でもって支える農民階級(peasantry:著者スターンは、より大きな政治的構造内に取り込まれることで、国家や地主階級等の権威や経済的要求に従う生存志向の農業生産者や共同体と定義)に変貌させられる。
インカは、いったんワマンガを征服すると様々な政策を施した。まず、ワンタ(Huanta)、アンガラエス(Angaraes)、パンパス川沿い(Río Pampa)にミトマック(mitmaq)と呼ばれる他地域からの植民者を送り込んだ。彼らの中には「特権のインカ(Incas by privileges)」と呼ばれる初期にインカ支配に入った集団も含まれており、インカ支配の強化のために送り込まれ、中には貴重なコカ栽培地を与えられる集団もあった。インカは、ワマンガの地域内にあった対立を維持しつつキヌア(Quinua)とワマンギージャ(Huamanguilla)に行政的コントロールのための拠点を築き、さらに南部のビルカスワマン(Vilcashuamán)には軍事・経済・宗教上の拠点を築いた。後者には、インカ支配層のための宮殿、太陽の神殿、コカを始めとする様々な物資の倉庫が築かれ、駐屯軍と専属の労働者が置かれた。ここの物資は国家目的に充てられ、一万人は養えるほどであったと言われている。
インカは、自給自足志向の既存の地域の生産システムを破壊することなく維持した。インカは租税を現物として要求することはなく、あらかじめ必要な原材料や道具を与えた上で、その労働による成果を求めたのである。つまり、インカは「再分配」国家として、自給自足的な農民の余剰労働力を吸収して、その労働の成果を王権や従者、軍隊、インカのための労働に就く人々等に分配したのである。インカはまた、各共同体から人を引き抜いて終身の(インカのための)従者階級(*ヤナ)を作り上げた。
(出典:ワマンガ物語より)
投稿者 bunbun : 2007年08月14日 TweetList
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コメント
投稿者 晴耕雨読 : 2007年8月17日 09:26
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『十字軍』と『魔女裁判』は今なお進行している現実のものである -2
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