2009年07月14日
日本史を通史で捉える~鎌倉時代がひとつの転換点か
先日のネットサロンでは日本史の図解化にチャレンジしました。
その中での気付きですが、日本史を通史で捉えてみると鎌倉時代で大きな転換を迎えていることが分かりました。
今日は、鎌倉時代において何が、どのように変わったのか、整理してみたいと思います。
源頼朝さんですね。
いつものように応援ヨロシクです。
●外圧状況
・縄文時代:自然外圧(後期より同類圧力)
↓
・弥生時代~:同類闘争圧力⇒環濠集落が見られる
↓
・古墳時代~:同類闘争圧力⇒豪族間の権力闘争
律令制による国家の土地支配は立ち行かなくなり、743年の墾田永年私財法によって土地の永年私有化が認められると、平安時代には荘園が発生し、鎌倉時代には荘園支配権を巡る争いが顕著になっている。鎌倉時代は、私有制を背景に上層農民にまで私権獲得の可能性が開かれた時代ではなかったか。
●支配階級
平安時代までの豪族・貴族から、武士への転換。
●婚姻制(日本の婚姻通史より)
・縄文、弥生時代:群婚(母系型)
↓
・古墳~鎌倉時代:婿取婚(母系型)
↓
・室町~江戸時代:嫁取式(父系型)
↓
・明治時代以降 :寄合式(個人型)
大きくは、鎌倉までが母系制で、室町から父系制に転換。
鎌倉時代には擬制婿取という建前上の婿取りとなっており、一部には掠奪婚が発生していることなどから、鎌倉時代に転換期を迎えているように思える。
●観念、宗教
・縄文時代~:精霊信仰
↓
・弥生時代~:祖霊信仰(守護神信仰?)
↓
・古墳時代~:守護神信仰
↓
・鎌倉時代~:民衆仏教の登場
古墳時代にも仏教が伝来しているが、あくまで観念としての宗教では無く守護神信仰の範疇と思われ、しかも支配者階級の範囲に留まっており、民衆が宗教を必要としたのが鎌倉に入ってからではないかと思われる。
●市場
平安末期には貨幣流通、商業、手工業が発達しはじめ、鎌倉時代にさらに発展している。
以上、非常に大雑把にまとめてみましたが、私有権共認⇒私有婚の走り(掠奪婚)⇒私権闘争(土地、商業)⇒宗教観念と、鎌倉時代が一つの結節点になっているように思えます。
ただ、農民の共同体社会とそれを母胎にした婚姻制は昭和初期まで殆ど変わっていないわけで、これが縄文気質を色濃く残す日本人の最大の特徴なのでしょうね。
もう少し追求しながら図解もまとまっていけば、と思っています。
投稿者 nishipa : 2009年07月14日 TweetList
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