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2012年08月22日

夏休み企画 『お盆ってなに?』

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(画像はこちらより引用させていただきました。)
みなさん、こんにちは 😉 夏もそろそろ終盤を迎えていく時期ですが、まだまだ暑い 日は続きそうですね
さて、社会人の方ですと夏期休暇が終わってバリバリ 働きはじめている方も多いかと思われます。みなさんは夏季休暇をどのように過ごされたのでしょうか
旅行に行かれた方や、家族とゆっくり過ごされた方、お墓参りに行かれた方、休みもなく仕事をされていた方など様々かと思われます 🙄
私自身も休み半々、仕事半々の夏季休暇だったのですが、休みながらふとある疑問が浮かんできました
その疑問とは・・・『日本人にとってお盆って何だろう?』です。
実際、全国共通でお盆の時期は8月15日頃と当たり前におもっていたお盆も、調べてみるとお盆の時期は地方によって異なるようです 🙄
そこで今回の記事は、毎年、日本人として当たり前に迎えているお盆について突っ込んで扱っていきたいと思います 😉
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ありがとうございます
それでは、お盆って何かを明らかにしていきましょう
お盆の語源
お盆の語源である盂蘭盆(うらぼん)は、サンスクリット語の「ウラバンナ」を漢字で音訳したもので、 『逆さ吊り』を意味しているそうです。
これは、釈迦の弟子が、あるとき、自分の母親が餓鬼道に落ちて逆さ吊りの様な苦しみにあっているのを知り、釈迦に相談したところ、夏の修行期間が終わる旧暦の7月15日に、大勢の僧侶に供物をささげて施しをして功徳を積むことでその苦しみから救うことが出来たという言い伝えに由来しているそうです。そのことからこの日に先祖を供養する行事が中国で行われるようになり、その風習がさらに日本に伝わったとされています。
日本で初めてのお盆法要
では、日本で始めてお盆の行事が行われたのは、いつ頃からなのでしょうか
とある文献によると、西暦606年の7月15日に推古天皇が斎会を営んだという記録が残っているそうです。その後江戸時代までは貴族や武家などでお盆の行事が行われていて、一般庶民の間で定着したのは江戸時代からだそうです。
お盆の時期
冒頭にも触れましたが、お盆の時期は地域によって異なるそうです。
これは、明治時代になって新暦が導入された際に、お盆をいつにするかという対応が地方によって異なったからといわれています。
新暦の7月15日頃は農家の繁盛期にあたるため、一ヶ月後の8月15日を中心とした8月13日~16日に行う8月盆(月遅れ盆)が現在では全国的に広まっています。しかし、東京などの都市部では、新暦の7月13日~16日にお盆を行い、沖縄など南西諸島では旧暦の7月15日頃にお盆を行う地域も多いそうです。また7月7日から7日間をお盆とする7日盆を行う地方もあります。いずれもお盆の期間中は、地方地方で様々な風習・行事が行われます。
以上の基礎知識を踏まえた上で、「日本人にとって、お盆とは何か?」の核心に迫ってみます。以降は『盆踊りの世界』から引用させていただきます。

お盆とは何か?
「お盆とは何でしょう」という質問にたいして、おもに年輩の方からは「お盆は仏教の行事だよ」という答えがかえってくると予想されます。
なるほど、たしかに
 ・お盆をさす古い言葉「盂蘭盆(うらぼん)」は、もともと仏教の言葉。
 ・仏教のお経に「仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)」というのがあり、
  お盆の由来を説明している。 
 ・仏教寺院では、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という名前の儀式が古くから行わ
  れてきた。
 ・仏教は、民間の盆行事に多大な影響を与えてきた。
と、たくさんの根拠があります。「お盆」と仏教が関係深いことは間違いないようです。
では「お盆=仏教の行事で、仏教とともに入ってきたもの」なのでしょうか?
実はそう簡単にはいきません。お盆には、仏教では説明できない行事や思想がたくさんあるのです。
たとえば「毎年お盆にご先祖様が戻ってくる」という、誰もが一度は聞いたことのある有名な話。いったん成仏したはずの魂がこの世に戻るという考え方は、仏教の教えにはないものです。
「盆踊り」は、どうでしょうか。あるお経に「阿弥陀様の教えを聞いたものは躍りあがって喜ぶ」という一節があります。しかし、ここからあの広範で多彩な盆踊りが生まれたと想像するのは、ちょっと困難です。それに仏教の本場インドや、中国・韓国などで盆踊りを踊った形跡もありません。
こうしたことから、むしろもともと日本の「民俗」の中に、お盆やさまざまな盆行事をはぐくむ条件があったのではないか、と考えられるのです。
民族行事としてのお盆
「お盆」は、正月とならんでわが国最大の民俗行事です。
それも「ヒナ祭り」や「端午の節句」のように単一日程の行事ではなく、いくつもの行事が長い日程にわたって複合化した、巨大な「行事群」ともいうべきものです。
正月とお盆の対応
実は「お正月」と「お盆」には、深い不思議な対応関係があることが知られています。
 
わが国には、一年を通じて非常にたくさんの伝統の民俗行事=「年中行事」が存在します。しかしながら、一見脈絡なく行われているように見えるこうしたたくさんの行事の間には、マクロに見るときわめて単純明快な構造があることが、民俗学の研究で明らかになってきました。
もっとも基本となるのは、正月が一月、お盆が七月(旧暦)で、一年十二ヶ月をちょうど半分にわけるような「対称的」な位置にこの2大行事が置かれていること。そして、その間にあるさまざまな行事にも、しばしばこうした対称性が見いだされる、ということです。
こうした「年中行事の構造」は、わが国の民俗文化の基本的な構造の一つとして知られるようになってきています。こうした民俗行事の大きな枠組みは、日本列島に住む人が長い時間をかけてつくりあげてきたものであって、単に仏教の影響だけで形づくられたとはやはり考えにくいのです。
お盆は「たままつり」のシーズン
お盆の期間中に行われるさまざまな行事を並べてみると、一見脈絡のない行事群の底流に、一つの意味=先祖の霊を迎え・送るということが見えてきます。「正月は神事、お盆は仏事」といった性格分けが第に強まりますが、もともと正月もお盆も「たままつり」のシーズンであるという点で共通していました。
もちろんお盆には「ご先祖様」以外にも、その年に亡くなった「新精霊」の霊や、「餓鬼」「無縁仏」など、さまざまな霊的存在が去来する時季と考えられていました。お盆などの夏場はしばしば「疫病」や「台風」が訪れる季節であることも、こうした考え方に根拠を与えたのでしょう。
仏教と民俗の「習合」
こうした「たま」をいかに祀り、また鎮めるかという点で、仏教の果たした役割はやはり大きなものがあったようです。古来の民俗的な神信仰では不十分と感じられるようになったとき、新しい鎮魂の技術や思想を人々に提供したのが仏教でした。
仏教がお盆の文化に「カタチ」を与えた影響は、想像以上に大きいと考えられます。ただ、そうした仏教文化は、前にもみたようにもともと日本に存在していた民俗をベースにして受け入れられ、現在のような「お盆」の文化が形づくられてきたわけです。
こうしてみると、お盆は「仏教行事か民俗行事か」なのではなく、仏教文化と民俗文化の習合の産物であった、ということになりそうです。異なる文化を融合する日本文化の特徴を、はっきり読みとることができます。 

引用終わり
どうです。意外と知らなかったことが多かったのではないでしょうか?
そして驚くことに、もともと育んでいた日本の「民俗」の中に、お盆やさまざまな盆行事が融合していったという構造は、当ブログの「日本人は何を信じるのか?」シリーズで扱った葬式仏教と同じ構造なのです
シリーズ「日本人は何を信じるのか」~6.葬式仏教とはより引用

(前略)
「葬式仏教」とは、この「自然宗教」との妥協の産物なのである。「自然宗教」の先祖崇拝や霊魂観をそっくり認めた上で、仏教的色彩を施したのが「葬式仏教」にほかならない。 「葬式仏教」とは、 「自然宗教」 に仏教の衣を着せたものなのだ。
(後略)

 
これらから、日本人には柔軟性があるのと同時に、とても深い位相では、しっかりとしたが形成されている民族だということが垣間見れます。
これを私たちは、他国では見られない日本人独自の可能性と捉えています。
日本人の可能性について詳しく知りたいかたは、当ブログの「日本人は何を信じるのか?」シリーズで追求中なので、そちらを一度ごらんください
それでは、またお会いしましょう

投稿者 marlboro : 2012年08月22日 List  

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