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2009年08月08日

欧州の2大支配勢力:古代ローマ以来の貴族系とフェニキア以来の金融系

昨年から始まった金融破綻後、水面下で世界は大きく動いている。近代以降、世界を動かしてきたのは圧倒的な資金力を持つ金貸し(ロスチャイルドやロックフェラーetc)だった。しかし昨年の金融危機で、アメリカの背後にいる金貸しの力が衰え、世界は多極化しつつある。
この多極化を主導してきたのは、欧州勢。独首相メルケルが金融規制を唱え金貸しを抑えると共に、同時に英仏首脳がG7→G20を誘導してきた。彼らは何を狙っているのか?
この欧州政治家の背後に古くからの欧州貴族がいる。世界を動かす欧州貴族勢力について、彼らの基盤を含め大きな構造を把握しておきたいと思います。これは世界史を正確に読み解くにしても不可欠な構造だと思います。

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まず彼らの力の基盤は?世界中から略奪した莫大な金銀財宝を握っており、それを元手に市場や情報支配を行っている。
●欧州支配勢力は世界中の富を略奪している。
・12~13世紀 十字軍によりイスラムから略奪
・15~16世紀 スペイン・ポルトガルによる新大陸(インカ・マヤ文明)からの略奪
・16世紀以降 オランダ・イギリスによる植民地支配、インド・中国からの略奪
このようにして世界中の金銀・財宝がヨーロッパに集積される。そして主にスペイン・ハプスブルグ系とイギリス系の2つに集積された。

※その集積を元手にイギリスで1694年にイングランド銀行が設立され、さらに19世紀には産業革命が起こり、欧州発で近代市場が爆発的に拡大していく。
●欧州支配勢力には大きく2つの勢力(貴族系)が存在する
この構造は古く12世紀頃の神聖ローマ帝国に遡り、さらに古代に遡る。以下はユースタス・マリンズによる本の引用です。
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14世紀 ヨーロッパ地図 (色分けされているがイベリア半島や東欧の過半も神聖ローマの皇帝(ハプスブルグ系)が持っている。)
『世界権力構造の秘密』 より
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中世を通じてヨーロッパのさまざまな権力の中枢は二つにまとまっていた。一つは神聖ローマ帝国王家(1138年~1254年)のホーエンシュタウフェン家を支持するギベリン派〔皇帝派〕。もう一つは、神聖ローマ帝国の支配を巡ってフリードリッヒと競ったドイツのベェルフ大公から出たゲルフ派〔教皇派〕である。その時ローマ教皇は、ゲルフ派と同盟し、ギベリン派と対決した。そして結局、教皇側が勝利を収めた。近代史のすべては、この2つの勢力のあいだの抗争から直接に派生したものである。
ゲルフ〔教皇〕派は、またの名を「ネリ」「黒いゲルフ」「黒い貴族」とも呼ばれ、11世紀にイングランドを征服したノルマン人たちも、実はゲルフ派であった。ロバート・ブルース(1274年~1329年)のスコットランド征服を後押しし、またオレンジ公ウィリアムがイングランドの王位を簒奪するのを支援したジェノバ人たちも、ゲルフ派だった。
ウィリアムの勝利はイングランド銀行と東インド会社の設立という結果を生んだ。そして、この二つの組織が17世紀以来世界を支配してきた。それ以後に勃発したクーデター・革命・戦争はいずれも、ゲルフ派がその権力を維持し、増強するための闘争であった。そしていま、これが世界権力と呼ばれているのである。
ゲルフ派の権力は、銀行業と国際貿易を支配することによって成長してきた。その権力は、イタリアの中部を経てフィレンツェの北方ロンバルディア地方に拡大し、ここが金融の一大中心地となった。その結果、ジェノバ、ヴェネツィア、ミラノを含む全イタリアの銀行が「ロンバルト」と総称された。今日でもドイツ語では、ロンバルトといえば「質屋」「動産質貸付銀行」という意味である。ロンバルトたちは、中世世界全体を相手にする銀行家であった。近代史はかれらが北上して、ハンブルグ、アムステルダム、を経て、最終的にロンドンへと営業活動を移動したことから始まっている。
「偉大なアメリカの富」も、元をたどれば、ゲルフ派が植民地を相手に行った奴隷貿易から発生したものである。
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(引用以上)
このゲルフ派系統は現在もヨーロッパの多くの国々の王室を形成している。
灼熱 より
>今日、ヨーロッパを支配する各王室および、領国をもたない王室もすべて、オレンジ公ウィリアム三世の直系子孫である。すなわち、オランダのユリアナ女王、デンマーク女王マルガレータ、ノルウェーのオラフ五世、スウェーデンのグスタフ、ギリシアのコンスタンティン、モナコのレニエ大公、ルクセンブルク大公ジャンなどである。
(※注:ハプスブルグの支配したスペイン・オーストリア・ドイツなど欧州中核部はここに含まれていない。ゲルフ派と別系統の貴族系(皇帝派)が支配している。)
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神聖ローマ帝国は古代ローマ貴族の以来の貴族連合体に近く、完全な権力を形成しようとする皇帝派とそれに不満を持つ貴族と大きく2つの勢力に分かれ抗争していた。
さらにこの神聖ローマ帝国系と別系統に金融系が存在する。
★皇帝・貴族系 
ローマ帝国→神聖ローマ帝国 
        →2大貴族の抗争                
         ・ギベリン派(皇帝派) ―→ハプスブルグ系
         ・ゲルフ派(黒い貴族)   (タクシス・サヴォイなど)
              └――→ 英王室

他にゲルフ派と合流した国際金融家の系統が存在                     
★金融系(ユダヤ・フェニキア起源)
  フェニキア →ベネチィア・ジェノバ 
    → ロンバルディア →スイス(ここでゲルフ派と合流?) 
       ↓          ↓
       スペイン・ポルトガル―→ オランダ・イギリス―→アメリカ   

以上のように大別されるだろう。
 中世からスペイン・ポルトガルによる大航海時代までは貴族系(皇帝派)が優位。
そして、イギリスが覇権を掌握した後は、ゲルフ派+国際金融系統が世界を動かしてきた。イギリス、アメリカを通じて、金融・軍事・思想を武器に17世紀以来の近代史を動かしてきた。
彼らの手先としてフリーメーソンが蠢き、欧州中核部の王室解体のためにフランス革命が行われ、アメリカ独立やロシア革命も彼らが企画したものだ。(ロスチャイルドやロックフェラーもゲルフ派+国際金融家から派生。)

しかし近代以降拡大を続けてきた金融市場も、近年ついに行き詰まってきた。この状況を踏まえて、金貸しの背後にいたゲルフ派貴族、そしてもう一方の欧州貴族系勢力が再び前面に登場してきたのだ。冒頭の英仏によるG8→G20への誘導は、欧州の2大支配勢力が合流して多極化を進めていることを示している。
近年のEU設立、環境保護主義の台頭も彼らの戦略の一環。
彼らは砂上の楼閣と化した金融市場をから、実物資産を握るため、世界資源(石油・食料・水)の支配を目指していると思われる。

彼らは、どのような出自・経歴を辿り、どのような力(資産、諜報・情報力)を持っているのだろうか?
継続しながら、世界の支配勢力の動きと、彼らの歴史を追及してみたいと思います。応援よろしくお願いします。
by Hiroshi

投稿者 ihiro : 2009年08月08日 List  

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コメント

うららさん
美しいですねぇ☆ 上品!
万葉集が、縄文生活者にとっての何であったのか? おばさんたちのカルチャーセンターとは違う、このブログならではの展開に期待させていただきます。
志貴皇子の母「越道君伊羅都売」は越国(北陸)出身の采女らしく、天智即位の668年に志貴が生まれているので、667年の大津京造営のとき、越国からエネルギー支援があったのでしょう。
(日本海のパワーが琵琶湖から大和に入るプロセスに、継体時代から連鎖するものを感じます。)

投稿者 タツ : 2009年9月15日 15:21

タツさん、こんにちは。
ご支持、ご支援ありがとうございます。
(選挙みたいですが・・)
なるほど、志貴皇子の母は北陸出身ですか。
確かに継体からの流れを感じさせますね。
天武が一度断ち切ったその流れを
100年以上かけて、ふたたび元に戻した
ということになるのでしょうか?
だとしたら志貴皇子は、歌に身をやつしたように
みせかけて、実はおのれの役割を自覚して
時機をみていたのかもしれませんね。
采女の出自は、母系という視点で天皇家をとらえたとき
見逃せないと思います。
ありがとうございました。
引き続き、ご支持ご支援よろしくお願いします。(~_~)

投稿者 うらら : 2009年9月16日 09:36

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