2013.12.05

自考力の源流を歴史に学ぶ4~職人の歴史にみる「真似て学んで広める文化」~

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●「一つに止まる」まで正しい答えを探索し続ける追求力、木の声まで聞き分ける同化能力を持った現代の宮大工。
●集団の存続をかけ、皆の期待と評価を一身に受けて土器づくりに全身全霊をかたむけた縄文人。

「役に立ちたい、期待に応えたい」・・その為にとことん対象に迫り、技を極める日本の職人像が少しずつ見えてきた。
今回は、縄文時代から現代に至るまでの職人の歴史を辿り、日本の職人気質の源流を探ってみたいと思う。
【古代:身分としての職人】
職人に関する最も古い記録は、古代、「専門的な職能を通じて天皇・院、摂関家、将軍家、寺院、神社などに仕えていた人々の身分」として記述されている。彼らは支配階級に仕える職能集団の形をとり、年貢や公事の負担を免除され、支配階級の末端構成員の位置にあった。そしてその職能は一族の中で受け継がれ、重要な技術は秘伝とされていたという。
おそらく彼らは大陸から渡来した技術者集団であり、大陸の寺院や神器、装身具や武具、工芸品などの先進技術と、職人という身分を日本にもたらしたのだと考えられる。
教科書的には、古代の職人は技術官僚のようなポジションにあり、真摯にものづくりに向き合う「職人像」とはやや趣を異にする。彼らはどのように変転し、日本の職人気質を育んでいったのだろうか。
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<中世の職人>

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posted by abe-kazu at : 2013年12月05日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List  

2013.12.05

日本の帝王学~各時代における支配者層の教育とは?~ 1、プロローグ

みなさんこんにちは。
今年も残すところ後ひと月となりました。みなさんはどんな一年でしたか?
上半期は、特にいじめや体罰問題が世の中を騒がせました。
歪む教育現場、それに対し文部官僚や教育委員会の対応は現場などどこ吹く風で全く無能といってよく、教育行政の現実に暗澹たる想いを抱いた方も多かったと思います。
下半期で印象的なのは、参院選での安倍首相率いる自民党の圧勝、そして暴走です。
TPPや秘密保護法等、私達の生活に直結する問題がろくに議論も説明もされずにどんどん進んでゆく。ここに特権階級の暴走と傲慢さを感じた方も多いはずです。
そこで、今回から始まる新テーマは、「教育」、その中でも、特に支配者、統合者の教育である「帝王学」を扱いたいと思います。
題して、 
『日本の帝王学~各時代における支配者層の教育とは?~』
です!
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posted by yama33 at : 2013年12月05日 | コメント (1件) | トラックバック (1) List  

2013.11.20

自考力の源流を歴史に学ぶ3~手の文化の象徴物、土器作りとは闘争そのものだった

縄文以前の人類2足歩行から人類の進化の最大の特徴は手が自由になった事である。
手をつかいさまざまな外圧を克服、道具を作り、火を生み出し、家屋を作り、衣服を作った。かつては洞窟に住み、死肉をあさり、何度も絶滅の危機に面した人類が今日まで永らえてきたのは手を使って外圧を克服してきた事にある。
いやいや脳が進化したから、という向きの方へ。実はこの脳と手の関係は密接に繋がっている。脳の1/3を占める運動野が手の運動を司るが、手を動かす事はすなわち脳を活性化することでもあり、脳を拡大できたのは手の動きの発達と無縁ではない。つまり、人類とは手と脳がパラレルに発達した霊長類なのである。
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こちらの方のデッサンからお借りしました。
そしてこの手の文化を古代最も発達させたのが豊かな森林地域に存続した縄文人なのである。日本は職人文化が他国に比べ非常に発達しているが、それもこの手の文化が縄文時代に拡大し、それによって外圧に対峙してきた歴史が背景にある。
土器は世界でも最も早く登場し、その表現も複雑かつ、美しい。また土器だけでなく、土偶や装飾物(櫛や飾り)に至っても非常に多様に発達してきた。
匠の文化、手の文化の行き着いた先が職人であり、その源流に土器を中心とした縄文人の生業があると見て間違いないだろう。
土器は誰が作ったか、理由は後で述べるがその殆どは専業化した男であったと設定する。
集落の男達で競ってその造形を作りこんだ。

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posted by tano at : 2013年11月20日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List  

2013.11.18

「神社ネットワークの解明」6~神社ネットワークの完成と発展~

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天岩戸神話の天照大神の図
 前回は、神社ネットワークの誕生をお届けしました。神社本来の姿は常に「性」と結びついていることが分かりました。改めて、五穀豊穣・子孫繁栄を願う先人たちの生々しい息遣いを感じました。
 渡来系民族が神社ネットワークを構築していく際に、元々あった集団の性充足の場を壊さず、「祭り」として性充足の場を神社に組み込んで行き、混乱なく上下関係を構築して共認統合を実現していったことが、最大のポイントだったと思われます。
 今回は、古墳時代から奈良・平安時代の神社ネットワークの成熟と完成過程をみていきたいと思います。
 当時の日本の政治は、中央集権体制へと邁進した時代でした。大陸や半島の情勢より渡来民とともに、力の序列原理(戦争と権力争い=私権社会と制度)が押し寄せ、百済・伽耶の滅亡より、大量渡来人が列島に到着します。各有力豪族が作り上げたネットワークは、それまでの認識では、統合できなくなってきたようです。
その時代に、私たち祖先が選んだ国体として統合様式はいかなものであったのでしょうか?
それでは、4~8世紀前後の神社ネットワークの成熟期と完成、発展過程を見ていきましょう。

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posted by 2310 at : 2013年11月18日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List  

2013.11.15

自考力の源流を歴史に学ぶ2~西岡常一氏より「自然の論理(摂理)を使って考える」

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みなさんこんにちは。
今回から「職人の世界より自考力を学ぶ」というテーマがスタートします。
初回は最後の宮大工の棟梁として知られ、法隆寺や法輪寺の改修など数々大仕事を成し遂げた 西岡常一さんに焦点をあて、彼の言葉や仕事の中から自考力に繋がるヒントを探していきたいと思います。

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posted by shinichiro at : 2013年11月15日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List  

2013.11.12

女たちの充足力を日本史に探る1~縄文時代は女性の充足に満ちた時代だった

さて、このテーマの中心である縄文時代の女性達を見ていきます。
女性の充足力の源流は定住化を始め、母系集団を核とした共同体が形成された縄文時代に在ることは異論がないと思いますが、この女性の充足力はその直前の洞窟時代から脈々と受け継がれているのです。
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こちらよりお借りしました
今回はその洞窟時代の極限時代人類の状況からイメージしていただきたいと思います。
実現論にその一説がありますので、まずじっくりと読んでみてください。

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posted by tano at : 2013年11月12日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List  

2013.11.06

「神社ネットワークの解明」5~神社ネットワークの誕生~

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写真はこちらからお借りしました。
  
前回は、神社ネットワーク成立前夜の集団統合~シャーマン=巫女の役割をお届けしました。
今回は、弥生時代から古墳時代に入り、大和勢力が形成されて各有力豪族がネットワークで結ばれていく時代の中で、神社ネットワークはどのように誕生し広がっていったのかを追って見たいと思います。
神社ネットワーク誕生の歴史を追及するに当たっては、先ずは私たち自身が常識と感じていることを改めて捉え直す必要があります。
それは「神社」に対する神聖さ、荘厳さのイメージは、実は明治時代に入り、天皇を中心とする近代国家として日本を位置付け直すために、為政者によって作られた非常に新しいイメージだと言う事です。
神社と性は、歴史的に切っても切れない関係にあったのですが、明治時代に入ってから新政府によって性的なものが排除されていったという歴史があります。
天皇の超越性、現人神であることを浸透させるためには、俗的な、下半身の「性」は政府にとっては邪魔なものでした。
そのため、神社の性的なものは排除され、現在の私たちが当たり前に感じているような、神社は「神聖なるもの」とのイメージが固定化されていきました。
神社の本来の姿は常に「性」と結びついており、集団本来の充足基盤に根差していることを再認識する必要があります。
それでは、「性」と神社の関係に着目しながら、神社ネットワークの誕生を見ていきましょう。
先ずはいつものように、応援お願いします。

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posted by sinkawa at : 2013年11月06日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List  

2013.10.29

「神社ネットワークの解明」4.~神社成立前夜の、共同体におけるシャーマン(=巫女)の役割~

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写真はこちらからお借りしました。
皆さんこんばんは。今年も残すところあと二ヶ月。秋の夜長をいかがお過ごしでしょうか。
さて今回は、神社成立前夜、すなわち原始時代から縄文・弥生時代における、集団内での祈祷や占いの位置づけと、その担い手である巫女の役割について考えてみたいと思います。
神社で見かける巫女さん、現代ではおみくじを売ったり神社の由来を説明したりするのがお仕事と思っている人もいるようですが、
実は神社が今の様な形になる以前から、祭祀を司る「巫女」は重要な役割を担ってきました。
いまでこそ神社に遣えていますが、実は「巫女」の歴史は神社の歴史よりも遥かに古く、原始人類集団に起源を発する長く深い歴史を持っているのです。
祭祀を執り行う事が集団の意思決定においてきわめて重要だった原始人類集団。
その様な集団において、「巫女」とはどんな存在だったのでしょうか。この大前提を押さえるためにも、まず最初に以下の記事を紹介したいと思います。

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posted by yama33 at : 2013年10月29日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List  

2013.10.24

自考力の源流を歴史に学ぶ~プロローグ「今、なぜ自考力なのか」

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突然ですが、現在アメリカの経済が大変な事になっています。 過日の10月17日はアメリカのデフォルトを引き金に国債暴落、世界大恐慌が起きる瀬戸際でした。
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~1930年世界大恐慌
共和党と民主党の政局争いの中で突然のように発生した事件と捉えられる向きもありますが、世界中の経済の終末~これまでの社会の枠組みの崩壊がいよいよカウントダウンに入ってきたと捉える事のほうが正しいと思われます。
また、311の東北大震災、もう既に2年を経過しましたが、未だに放射能は垂れ流し、状況はどんどん悪化の一途を辿っています。先日決まった国家的勝利である東京オリンピック開催もマスコミは決して報道しませんが、震災復興が進まず、日本経済が立ち行かない中で「何をしとんねん」というのが大衆の過半の意識です。
そういった中で、日本人は他国のようにデモや反乱を起こす事には向かわず、現在は静かに一人一人の中に意識革命が進行中です。それが今回テーマとして設定した「自考力」の萌芽なのです。これは311の震災の直後から始まっていますが、嘘をつくマスコミ、政治家を目の当たりにして、人々はほとんど無意識の中で彼らを見限り、自らの生きる場を自らで作り出していく方向性に舵を切りました。

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posted by tano at : 2013年10月24日 | コメント (0件) | トラックバック (0) List  

2013.10.22

「個のない民、ケルトから学ぶ」7.ドルイド教~聖森の教えと学び~

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みなさん、こんにちは。
『ケルトから学ぶ』をテーマに、宮崎駿の世界観から始めたシリーズも、これまでケルト社会の「察する」、「継承する」、「導く」を考察し、いよいよ最終回となります。最終回は、これまでの各稿でも登場した「ドルイド教」について考えてみたいと思います。

◆ ◇ ◆

ドルイド教は、キリスト教の布教以前に存在したケルト社会の原始宗教で、そこでは「全ての自然に、神(精霊)が宿っている」と考えられていました。
ドルイド(Daru-vid)という名前の由来は、Daruが樫(オーク)、vidが知識の意味で、ケルト社会では「樫の知恵を持つ者」と言われています。強靭で大木となる樫は、「森の民=ケルト」の象徴でした。
そして現在、アイルランドやイギリスの一部で、キリスト教以前のドルイド教を復活させようという動きが生じています。そこで今回は、
 ★ドルイド教とは、どのような宗教であったのか?
 ★キリスト教社会のヨーロッパで、なぜこのような動きが生じてきたのか?
について、考察したいと思います。
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●古代のドルイド僧 (ウィキペディア)より

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posted by matuhide at : 2013年10月22日 | コメント (1件) | トラックバック (0) List  

 
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