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自考力の源流を歴史に学ぶ~プロローグ「今、なぜ自考力なのか」

突然ですが、現在アメリカの経済が大変な事になっています。 過日の10月17日はアメリカのデフォルトを引き金に国債暴落、世界大恐慌が起きる瀬戸際でした。
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~1930年世界大恐慌
共和党と民主党の政局争いの中で突然のように発生した事件と捉えられる向きもありますが、世界中の経済の終末~これまでの社会の枠組みの崩壊がいよいよカウントダウンに入ってきたと捉える事のほうが正しいと思われます。
また、311の東北大震災、もう既に2年を経過しましたが、未だに放射能は垂れ流し、状況はどんどん悪化の一途を辿っています。先日決まった国家的勝利である東京オリンピック開催もマスコミは決して報道しませんが、震災復興が進まず、日本経済が立ち行かない中で「何をしとんねん」というのが大衆の過半の意識です。
そういった中で、日本人は他国のようにデモや反乱を起こす事には向かわず、現在は静かに一人一人の中に意識革命が進行中です。それが今回テーマとして設定した「自考力」の萌芽なのです。これは311の震災の直後から始まっていますが、嘘をつくマスコミ、政治家を目の当たりにして、人々はほとんど無意識の中で彼らを見限り、自らの生きる場を自らで作り出していく方向性に舵を切りました。


これは、個人レベルだけでなく企業が農業を始め、自給をしていく。また、信用できない教育機関や学校には頼らず、独学で学力を身に付かせる家庭が出てくる。さらに医療においても国の保険制度の言いなりになっている医者のいう事は信用できず、自ら調べ医療を選ぶ患者が出てきています。食に至っては安全な食を確保する為に自らネットで調べ選ぶ若い母親は少なくありません。
これら政治不信の中で現れた現象ですが、大きく捉えれば私権社会から共認社会といった時代の転換期に現れた探索思考、自給期待の表れでもあります。そしてこの自給期待は必然的に自考力期待に収束していくのです。
自考力とは自ら考える力です。珠玉混交の情報社会や変化の激しい外圧環境の中で生き抜くためにはこの自考力の獲得が不可欠で、自考力とは言い換えれば「生きる力」に他なりません。
縄文時代一万年の歴史を持つ日本人、かつては自然の中で生かされ生きてきた民族です。その中でさまざまな工夫思考、手の文化が育まれ、自考力は深く育成されました。
古くは繊細で多彩な模様を有した縄文土器がその象徴です。そして新しくは、東大阪の工場のおっちゃん達の間で作られる様々な世界基準の発明です。
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こちら [1]こちら [2]からお借りしました。
今回のシリーズはこの「自考力」にスポットを当て、その源流が日本史の中のどこにあるのか、日本民族のどこにその力があるのかを歴史を遡り探求していきたいと思います。
ただ、いたずらに日本史を紐解いてもその答えはそう簡単には見出せません。
現段階では仮設ですが、森の文化を引き継いできた大工職人にその本質があるのではないかと照準を定めています。また建築職人に限らず、追求とこだわり、工夫の塊であるこの職人の世界こそ自考力のヒントが詰まっているのではないか、そう考えこのシリーズを始めてみたいと思います。
今回のテーマのきっかけは西岡常一(つねかず)という法隆寺の棟梁です。初回の記事ではその西岡氏の言葉から自考力とは何かについて、まず提起していきたいと思います。
シリーズの大きな構成です。いつものように仮説からスタートしますので、途中で方向転換が発生した場合はご容赦ください。

1.職人の世界とは~西岡常一氏の言葉より
2.職人の歴史
3.職人の源流~縄文土器
4.職人の成した業~建築
5.さまざまな職人たち
6.百姓に見る自考力の凄さ
7.職人気質を繋いだ企業群
8.エピローグ~底流に流れる意識とは

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