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2008年12月22日

憲法十七条とはなにか?

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聖徳太子の功績を語るとき必ず出てくるのが冠位十二階、遣隋使の派遣、そして憲法十七条。学校のテストの基本、必ず点がとれるところでしたネ。でも、その中身は?となると、案外知らないひとが多いように思います(受験勉強の弊害)。冠位十二階はすでに論考がでていますので、ここでは憲法十七条について考えてみたいと思います。
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まずは、大学受験の友、おなじみの山川出版社「詳説日本史研究」より。

憲法十七条は、近代の憲法とは違い、官僚制に再編成されるべき諸豪族に対する政治的服務規程や道徳的訓戒というべき性格のものである。その内容は
第1条  和を尊ぶべきこと=共同体
第2条  仏教を敬うべきこと
第3条  天皇に服従するべきこと
第4条  礼法を基本とするべきこと=規範
第5条  訴訟を公平に裁くべきこと
第6条  勧善懲悪を徹底するべきこと
第7条  各々の職掌を守るべきこと=役割
第8条  早く出仕して遅く退出するべきこと=勤勉
第9条  信を義の根本とするべきこと
第10条 怒りを捨てるべきこと
第11条 官人の功績と過失によって賞罰を行うべきこと
第12条 国司・国造は百姓から税を不当にとらないこと
第13条 官吏はその官司の職掌を熟知すべきこと=専門分化
第14条 他人を嫉妬するべきではないこと
第15条 私心を去るべきこと=「みんな」
第16条 人民を使役する際には時節を考えるべきこと=状況判断
第17条 物事を独断で行わず議論すべきこと=共認原理
というものである。儒教の君臣道徳のほかに、仏教や法家の思想も読みとれる。これらがどれだけの有効性を持ち、律令制の成立に結びついたのかは明らかではないが、少なくとも隋との外交交渉の場で倭国の政治理念を示したこと、また後世の法に強い影響を残したことは間違いない。

うーん、なかなかいいこと言うジャン、って感じですが(緑字は、追記)、本当に聖徳太子によって外交交渉の武器(=うちらの国は、こんなにいい国です)として作られたものなのでしょうか?
実は、憲法十七条は「日本書紀」において初めて登場します。それ以前の原本、写本は発見されていません。604年という成立時期も書紀を信じるしかない。
推古朝では「国司・国造」という制度はなかった、書かれている内容が当時の政治体制と合わない、漢文の特徴が7世紀のそれとは違う、など、書紀編纂者による創作ではないか、という見方もされています。一方、「国司・国造」については後世のような国司ではないが、いわば前国司のような役職が聖徳太子時代にすでに存在していた=太子作、とする見解もあり、決着はついていません。

しかし谷沢永一は、十七条憲法は書紀編者の作文で、書紀以前に記録された痕跡はない。しかも、「憲法」という漢字二文字の表現が法典の意味で用いられている確かな記録は、延暦十五(796)年までの完成とみられる「続日本紀」に初めてみられ、それははるか後世のもので、太子・厩戸皇子時代の文言ではない87)という。
書紀の編纂の前後に、藤原不比等らは大宝元(701)年に「大宝律令」を策定し、さらに養老二(718)年には大宝律令を改修した「養老律令」を作成して天平勝宝九(757)年に施行されている16)。
 以上のような所見や史実を考え合わせると、十七条憲法はどうやら太子・厩戸皇子の作とは信じがたい。

十七条憲法は果たして太子の創作か
では、仮に、後世の書紀編纂者の創作だったとして、その意図は何か?
通説では、当時の皇太子(後の文武天皇)のハクをつけるため持統天皇と藤原不比等が書紀で聖徳太子を偉人に仕立て上げたということですが、回りくどい割には、説得力に欠けるように思います。というのも「皇太子」は位であって、昔の皇太子が偉いひとだったからといって、現世の皇太子も偉いんだー、ってことになりますか?せめて、その血筋を引いている=直系の孫である、直接薫陶を受けている、とかでないと、全然別人では・・・。
100年前の総理大臣(たとえば伊藤博文)が偉業をなし得たとして、現世の総理大臣もエライ!という風になるのか?単純な疑問が浮かびます。
創作者が聖徳太子ではない可能性は残りますが、604年推古朝当時、多くの渡来人を重用していた大和朝廷が、改めて日本人としてのあり方を国の内外に説いた、まさに「郷に入れば郷に従え」という立場から発布されたものではないでしょうか?
うらら

投稿者 urara : 2008年12月22日 List  

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