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2009年01月10日

商売繁盛、笹持ってこい!(エビス信仰ってなに?)

今年も「えべっさん」が始まりましたね。
昨年来の冷え込みで、参拝する人が多くなるのではとか言われていますが、意外と「えべっさん」のことを知らない人が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、息抜きとして「えべっさん」の由来を紹介しましょう。
エビス神、信仰コミュニティーの成立(一)を引用させて頂きました

一月十日は「商売繁盛、笹持って来い!・・・」で知られる、西宮神社(兵庫県西宮市、ゑびす宮全国三千余社の総本社、西宮のえべっさん)や大阪府・今宮戎神社(大阪府大阪市浪速区)でエビス(ゑびす・夷・戎・恵比須、蛭子神が摂津国西の浦に到着し夷三郎として祀られたのが西宮エビス)神を祭る「十日戎(とおかえびす)」が行われます。九日は「宵戎(よいえびす)」で、十一日は「残り福」です。関西では「えべっさん」と呼ばれ庶民に親しまれている祭りです(関東では一月二十日、十月二十日や十一月二十日のゑびす講)。特に総本社の西宮神社と今宮戎神社(元は西宮神社の分社で、西宮の本宮に対し今宮といわれました)は、それぞれ百万人の参詣・参拝客で賑わいます。(※注1・2・3)

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(※注1)私たちは、七福神(恵比須・大黒天・弁財天・毘沙門天・布袋尊・福禄寿・寿老人)の中で満面に笑みをたたえた福相をして、デップリと太って狩衣指貫(かりぎぬゆびぬき)に風折烏帽子(かざおりえぼし)を被り、鯛を抱え釣竿を肩にかけたエビス(ゑびす・夷・戎・恵比須・恵比寿)神の姿をよく知っています。このような姿は、江戸時代の商家の福神信仰の広まりとともに生まれたものです。インドの三柱の神、中国の三柱の神とともにただ一柱、日本の神としてエビス(ゑびす・夷・戎)神が七福神に加えられています。ここには商業社会(商業社会が成立する室町時代、インドや中国の神々を集めた福神信仰が広まります。中国の奇数を尊ぶ思想や竹林の七賢人、また仏教の「七難即滅、七福即生」にならって七福神信仰が成立します)のエビス(ゑびす・夷・戎)信仰の根強さを窺い知ることができます。エビス(ゑびす・夷・戎)神は元々漁業の神でしたが、商人が干鰯(ほしか)・昆布などの海産物を扱うことが多かったため、商売繁盛の神・商家の神ともされました。

(※注2)エビス神はゑびす・夷・戎・蛭子・胡子・恵比須・恵比寿とも書き、見知らぬ遠方・辺境のものや異邦人・異俗の人々を意味します。日本には古くから異邦人・異俗の人々を蔑視と畏怖の対象とみなすだけでなく、異郷からやって来たものが人々に望外な幸をもたらしてくれる信仰がありました(海の彼方からやって来るものに、海の幸や豊穣を呼び込む霊力があると期待する心意がありました)。こうしたことからも、漁民が浜に流れ着いたものを「寄り神(漂着神)・客神(まれびとがみ)」として祀る習俗(多くの漁港や漁村では浜辺や村内のあちこちにエビス神の祠が見られ、普段から漁民の篤い信仰を集めているとともに、大漁があったときなどにはエビス魚などといって祠の前に獲れた魚を献じる習慣があります)が、福神(豊穣・豊漁の神)としてのエビス信仰の最も古い形(原初的形態)であったと考えられるのです。各地に残されている寄り神信仰をみると、三浦半島では水死体を「流れ仏」と呼び、それをエビスとして祀り、「エビスさん拾い上げてやるから漁をさせろ」という風習がありました。奥能登や佐渡の漁村では、村外から訪れる物貰いをエビス神に見立てて祀っていました。京都府舞鶴市の小橋漁港では、海中から拾い上げた丸石をエビス神として神社に前に置き、出漁前に丸石を叩いて大漁を祈願する風習が今でも行われています。また、東日本の漁民の間では、鯨・鮫・海豚のことをエビスと呼ぶことがあります。

日本人の舶来信仰の原点は、これなのかもしれませんね?

(※注3)出雲地方では、海辺に寄り来る海蛇(セグロウミヘビの一種)に対する竜蛇信仰(竜蛇様)が盛んです。そうしたことから、古代の出雲の人々は、竜蛇様と同じような性格のエビス神をオオクニヌシ(大国主命)の子神で漁猟の好きなコトシロヌシ(事代主命、国譲りに際し天孫族に服従したあと海の果てに去ったとされる。島根県八束郡美保関町の美保神社)として豊漁の神に神格化したのです。またここから大黒様(音の通ずるところから大国主神とされます)とエビス様の福神ペアとしての考えも生まれます(室町時代中期頃、日本では古くから男女神、夫婦神、親子神など二柱一対に祀る風習があり、神の力も二倍になると考えました。こようにして「エビス大黒」は強力な福神のイメージが形成されたのです)。

迫りくる危機を前に、藁にもすがりたい気持ちはわからなくもないですね。
でも、現在直面している問題は、神頼みでは解消されない問題なのではないでしょうか?
過酷な苦難に遭遇しながらも、みんなの力で乗り越えてきた先人達の精神基盤をあきらかにしていくことで、現況を乗り越えていきたいですね。

投稿者 naoto : 2009年01月10日 List  

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コメント

すごくまとまっていて、読みやすかったです。
神社にそんな意味があったなんて、驚きでした。
5番目のリンクが上手くできていないようです。

投稿者 シュリ : 2009年2月17日 23:21

ありがとうございます。他の要素も組み込んで考えていけば、壮大でスッキリとした年表ができそうな予感がしています。
(リンク修正しました。ありがとうございました)

投稿者 ないとう@なんで屋 : 2009年2月18日 21:11

学校で阿知須に古墳あるそうョ

投稿者 sara : 2012年5月3日 15:51

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