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2009年07月25日

シャーマニズムの誕生~鍛冶集団と占集団

『三国志』において陳寿は「(卑弥呼は)鬼道を事とし、能く衆を惑わす。」と記している。律令国家、官僚政治(法制統合)の途上にある当時の中国知識人は既に、シャーマニズムを「詐術」として排除にかかっていたのであろう。勿論、その後にも道教としてシャーマニズムは民間信仰の中に残っていったし、日本においては修験道の中に、その伝統は継承されていった。
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シャーマニズムは、アミニズム段階から私権闘争を経て、法制統合へと至る中間段階において、重要な位置をしめている。そして、シャーマニズムの時代は、青銅器文明、鉄器文明の時代と期を同じくしている。シャーマニズムについて調べていくと、青銅器、鉄器を作り出す「鍛冶師」とのつながりが浮かび上がってきた。以下、参考図書「古代製鉄物語」浅井壮一郎著。

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ミルチャ・エリアーデの「鍛冶師と錬金術師」によると「鍛冶師とシャーマンは同じ巣からやってくる」「最初の鍛冶師とシャーマンと陶工は血の兄弟だった」「鍛冶師が最年長で、シャーマンが間に生まれた」と、鍛冶師集団とシャーマン集団は同じ部族の枝分かれであると分析している。
勿論、鉄器文明のみがシャーマニズムの起こりとはいえない。壮大な石器文明ともいうべきエジプト等では、鉄器文明以前から神官が存在する。ウォルター・クライン、ヘルマン・バウマンの調査を踏まえて、浅井氏は以下のように、鍛冶師・シャーマン集団について述べている。
1) 鉄器文明以前に存在したエジプト文明などの影響を受けた地域では、鉄器も実用文化の一つに過ぎず、鍛冶集団は蔑視され、放浪部族となるしかなかった。
2) 他方、青銅器、鉄器時代以降に文明が発達した地域では、鍛冶師は創造神の共同作業者と位置づけられており、金属技術だけでなく、医術、家畜技術等を共に携えてきた英雄、聖人であった。
そして、日本は当然、後者にあたり、ニギハヤヒ、そしてニニギといった鍛冶=シャーマン集団は北方アジアの鍛冶集団の流れを汲むものと考えられる。
では、北方アジアの鍛冶集団はどのような性格を持った集団だったのだろうか?
北方アジア、シベリアは過疎地であり、鍛冶は定住集団としては成り立たなかった。そこで村々をまわる「渡り」の鍛冶師が登場した。しかし、それだけでも生計は苦しく、村々をたずねては先端技術・鍛冶を神秘化し、病気治療や未来予言などのシャーマンとしての儀礼を行った。鍛冶師は、鉱物資源の探索者でもあり、同時に薬草の探索者でもあったからだ。
そして有望な土地を見つけては一族郎党を呼び寄せ、その地を神の地として占拠してしまうことを行った。彼らは自ら「大麻などの幻覚薬草」を利用して擬似トランス状態を作り出してみせて、現住民たちを巻き込んでいった。生存圧力の低下によって既に、トランス回路の衰弱していた原住民たちは、幻想薬草にもとずく詐術を見破ることは出来ず、同時に、薬草の類の実質的な医術をセットにされると彼らの詐術を神技と崇めることになる。
勿論、シャーマンの儀式が種明かしのある詐術であることは、鍛冶師たちにはお見通しのことであって、北方部族ドルガン族に「シャーマンは鍛冶師の死を引き起こせない」という諺があるのは、鍛冶師たちにはお見通しだからである。
こうして、鍛冶師=シャーマン集団の実利一体の詐術に原住民たちは巻き込まれていった。後に、秦氏一族などが、良質な銅山である香春岳に神社をたてて、移り住んできたシステムと同じである。
以上は、浅井氏の分析だが、私は、医術だけでなく「敵が攻めてくるか
どうか?」といった軍事占いも重要な要素ではなかったか、と考える。

実際、神功皇后は住吉大神の神託を受けて新羅征討を行うなど、既に私権闘争真っ盛りの時代にあっては神事の最重要課題は戦争である。
以下の事例は西洋16世紀の事例だが当然、その起源は古いと考える。
>ハプスブルク対反ハプスブルク勢力で戦乱に明け暮れた16世紀に、この2つの勢力両方に、「敵軍の情勢、軍勢」の情報を教える、戦争のための情報提供を行う「スパイ組織」が存在した。つまり、戦争の両方の当事者に雇われスパイ活動を行う、専門的な情報屋=スパイ商売を行う人間達が居た。戦争する2つの勢力・両方に雇われスパイ活動を「商売として行う」タクシス一族。
>ヨーロッパ各地に、様々な職業、貴族として偏在したスパイ・タクシス。特に、ドイツ・バイエルンで王侯・貴族「お抱えの」霊媒師として、その「予言の的中率が高い」と大人気であった「占い師」がトゥルン・ウント・タクシスであり、このタクシスが活躍した組織がトゥーレ協会、つまり後のヒトラーのナチス組織である。
>タクシスの「占いは的中するはずである」。ヨーロッパ全体に拡がった親族のネットワークを駆使し、ヨーロッパ中の情報を手に入れていたタクシスにとって、「行方不明になった親類が、どこにいるか」等と聞かれれば、「来月~に来る」等と予言し的中させる事は簡単であった。徒歩で~を目指して歩いていた、と言う情報があれば、来月頃、徒歩で、どこに居るかは、簡単に「予言できる」。こうしたスパイの「カラクリ」を知らない王侯・貴族の間では、タクシスは予言を的中させる「魔女・悪魔の使い」と考えられていた
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=210932
つまり、私権闘争の制覇力は最終的には諜報力である。占力=サキヨミする力はスパイを背景とするが、魏志東夷伝によると既に高句麗etcはスパイを送りあい、血みどろの私権闘争を繰り広げていたことは事実だ。そうすると、卑弥呼にしろ、神功皇后にしろ、半島とのはかりごとを踏まえて「詐術的に人心を掌握できた」可能性は高い。
おそらく表の権力闘争の裏には、あらゆる表の権力闘争を超克した裏の諜報ネットワークが存在する。それは私権時代の必然的なビジネスモデルである。シャーマニズム、そして道教や修験道で用いられる「陰陽のシンボル」は「裏の私権闘争の構造」を表象しているのではないだろうか。

投稿者 staff : 2009年07月25日 List  

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コメント

マルタの鷹

やばい、しょうもない本を読んでしまった… 破目をはずすしか、女との付き合い方を知らないんだ。 注ぐ酒の量に注文をつける男は信じないことにしてい…

投稿者 投資一族のブログ : 2013年3月4日 21:12

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