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2008年05月13日

エジプト人の死生観

こんばんは、カッピカピです。
 少し前に○さんが、ピラミッドについて書いてくれました。その中で

太陽って毎日昇ったり沈んだりを繰り返すでしょ?これを神の死と再生と見ていたようなんです。
つまり、王様が生き返るためにピラミッドというお墓を造ったっていうこと。

とありましたが、お墓として、あんなにも巨大なピラミッドを作った古代エジプト人の死生観とは一体どんなものだったのでしょうか。
エジプト文明の第一人者である吉村作治さんの「四代文明[エジプト]」という本を参考に考えてみたいと思います。
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 どの民族でも死は怖いものです。死を恐れるがゆえに不老不死を願った人もいました。しかしエジプト人は、人間は必ず死ぬものであり、ならばもう一度生き返ればよいと考えたようです。
 それも、転生思想のように、この世に他の生命体となって生まれ変わるのではなく、同じ自分として生まれ変わるべきと考えたそうです。ただし、この世でなく、あの世で。そこで、死者は永遠に幸せに暮らすのです。
 
 ところで、あの世とはどこにあったのでしょうか。古代エジプト人は初めは天の上に設定していましたが、太陽の昇り沈みを見ているうちに、太陽が沈む西の空の向こう、すなわち、自分達が生きている現世の裏側にあるとしたそうです。そこは神が住んでいるところで、宇宙のように無限の空間が広がっているところとしたそうです。 
 こうして、古代エジプト人は、神々たちの住んでいるあの世で生き返ることに、人生の目的を設定したのでした。
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ここに書かれている天秤に死者の心臓と真理の女神(マアト)の頭飾りである羽を乗せてつり合えばOK!死者はめでたくあの世へと行くことが出来る。
 
 エジプト人が考えたあの世とは、ただ遊んで暮らしていればいいという所というわけではなかったそうです。この世と同じように仕事もしなければならなかったそうです。あの世での仕事は食糧つくるための農業が中心になっており、その作業も基本的に死者本人がやることになっていたそうです。
 こうして、死者は食べ物に苦労することなく、人間関係にも苦しむことなく、幸せに暮らせるというわけです。
 このような、完成度の高い来世観をつくりあげたエジプト人は、生前にやってはいけないことをやらなければ、必ずあの世にいけるという約束を神々がしてくれたということで、国内の治安をはじめ、モラルや掟がしっかりしていたそうです。
 確固たる来世観が古代エジプトを安定した社会へと導いたのでした。

投稿者 hi-ro : 2008年05月13日 List  

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コメント

すごくわかりやすい!
学校教育でどのようにして弥生時代を教えているか浮き上がってきます。そしてそれがいかにズサンかも・・・・。
ゆとり教育で縄文時代の記載をはずしたとありますが、日本の歴史観は日本書紀のころから縄文時代を否定する流れがあります。俗に言う天皇制度の刷り込みです。
教科書は現代社会を正当化するのと同時に天皇制度を中心とする歴史観を支持しているものと思います。

投稿者 tano : 2008年6月18日 21:11

この教科書だと、「人間は戦争をする動物である」と教えていることになる。
おそろしい。

投稿者 垂心 : 2008年6月19日 13:38

先日吉野ヶ里に行く機会がありました。実際にたずねてみると塀や見張り台に外堀など戦国時代のお城の原型を見ることができます。
印象に残ったのは、巫女の部屋です。
集落にとって重要な決め事は長たちが集まった寄り合いで決定されますが、その最終決定は巫女が特別な部屋で、神のお告げを聞く事によりなされるようです。
その部屋は集落の中でも一番大きな建物の最上部にあり、数人の巫女の声を翻訳する女性を従えて執り行われます。
高い位置にある部屋とは言え窓のない密室なので、ほんとうのところなにが行われているのか・・・?
正当化観念や私権欲に基づく邪心が入り込む余地がかなりあったのだろうな~って想像してしまいました。
あっ、それからここの施設の解説にも稲作がはじまるとその領土を巡る戦争が始まったと書いてありました。
それだけ読むと戦争は昔からあってなくならないもの思ってしまうのでしょうね。

投稿者 2U : 2008年6月19日 22:26

tanoさん
>教科書は現代社会を正当化するのと同時に天皇制度を中心とする歴史観を支持しているものと思います。
同感です。私の感想の核心部を言い当てられたような…
教科書が面白くないのは、都合の悪い事実が隠されていたり、間違いを恐れるあまりに物事の核心部に触れないようにしていたりするからなのでしょうね。

投稿者 くまな : 2008年6月20日 04:17

垂心さん
>この教科書だと、「人間は戦争をする動物である」と教えていることになる。
「戦争をしてしまう動物」だと教えていることになりますね。また、現代の子どもにとっては、そんなに違和感無く受け入れられてしまいそうなところも、こわいですね。

投稿者 くまな : 2008年6月20日 04:22

2Uさん
>正当化観念や私権欲に基づく邪心が入り込む余地がかなりあったのだろうな~って想像してしまいました。
すでに耳を傾けようとしたのは守護神でしょうから、自分たちに都合のいいことを言ったでしょうね。声を聞いたというより、己の邪心の声がを精霊の声だと思い込んだのかもしれません。あるいは、まったく聞こえなくなったのかも。
稲作→戦争にならないことについては、今日アップされる記事に期待してください!

投稿者 くまな : 2008年6月20日 04:35

六年生でもとても分かりやすいと思います

投稿者 ゆりな : 2008年8月20日 11:54

ゆりなさんへ
ゆりなさんは六年生なんでしょうか?
読んでいただきありがとうございます。

投稿者 くまな : 2008年8月23日 00:43

とても、分かりやすいですね。              縄文時代の争いは、ちょっと、怖いです。 

投稿者 友梨 : 2010年4月30日 16:37

私も、縄文時代に行ってみたいな。

投稿者 友梨  : 2010年4月30日 16:39

友梨さんへ
コメントありがとうございます。
これからの世の中は、戦争の無かった縄文時代の精神風土を再生していくことが求められていると思いますし、その実現基盤は着々と整いつつあると思います。
そのためにも、縄文時代の探求と、正しい歴史の理解は不可欠です。

投稿者 くまな : 2010年5月5日 23:49

このサイトのおかげで予習ができました!

投稿者 ほぅほぅ : 2011年4月20日 17:30

ヨーク分かった

投稿者 匿名 : 2012年5月8日 20:41

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