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エジプト人の死生観

こんばんは、カッピカピです。
 少し前に○さんが、ピラミッドについて書いてくれました。その中で

太陽って毎日昇ったり沈んだりを繰り返すでしょ?これを神の死と再生と見ていたようなんです。
つまり、王様が生き返るためにピラミッドというお墓を造ったっていうこと。

とありましたが、お墓として、あんなにも巨大なピラミッドを作った古代エジプト人の死生観とは一体どんなものだったのでしょうか。
エジプト文明の第一人者である吉村作治さんの「四代文明[エジプト]」という本を参考に考えてみたいと思います。
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 どの民族でも死は怖いものです。死を恐れるがゆえに不老不死を願った人もいました。しかしエジプト人は、人間は必ず死ぬものであり、ならばもう一度生き返ればよいと考えたようです。
 それも、転生思想のように、この世に他の生命体となって生まれ変わるのではなく、同じ自分として生まれ変わるべきと考えたそうです。ただし、この世でなく、あの世で。そこで、死者は永遠に幸せに暮らすのです。
 
 ところで、あの世とはどこにあったのでしょうか。古代エジプト人は初めは天の上に設定していましたが、太陽の昇り沈みを見ているうちに、太陽が沈む西の空の向こう、すなわち、自分達が生きている現世の裏側にあるとしたそうです。そこは神が住んでいるところで、宇宙のように無限の空間が広がっているところとしたそうです。 
 こうして、古代エジプト人は、神々たちの住んでいるあの世で生き返ることに、人生の目的を設定したのでした。
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ここに書かれている天秤に死者の心臓と真理の女神(マアト)の頭飾りである羽を乗せてつり合えばOK!死者はめでたくあの世へと行くことが出来る。
 
 エジプト人が考えたあの世とは、ただ遊んで暮らしていればいいという所というわけではなかったそうです。この世と同じように仕事もしなければならなかったそうです。あの世での仕事は食糧つくるための農業が中心になっており、その作業も基本的に死者本人がやることになっていたそうです。
 こうして、死者は食べ物に苦労することなく、人間関係にも苦しむことなく、幸せに暮らせるというわけです。
 このような、完成度の高い来世観をつくりあげたエジプト人は、生前にやってはいけないことをやらなければ、必ずあの世にいけるという約束を神々がしてくれたということで、国内の治安をはじめ、モラルや掟がしっかりしていたそうです。
 確固たる来世観が古代エジプトを安定した社会へと導いたのでした。

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