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2011年07月02日

緊急企画 「東日本大震災は日本人に何を覚醒させるのか!」最終回

地震直後の約3ヶ月前のこのシリーズの冒頭で、
>この企画では、おおよそ7回にわたって、災害時に現れる日本人の特性とそれを形作ってきた自然環境・歴史、そして原発事故が日本人にもたらしたもの(日本人の何を変えたか)について追究していきたいと思います。
・・・・・という目的意識からこのシリーズを始めました。今回はその最終回です。
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◆今までの記事です。
緊急企画 「東日本大震災は日本人に何を覚醒させるのか!」
プロローグ
第1回 日本人の縄文体質~有事に現れるその共同性と本源性
第2回 海外から見た日本人の共同性
第3回 地震・災害大国日本の歴史-1
第4回 地震・災害大国日本の歴史-2
第5回 地震・災害大国日本の歴史-3
第6回 地震・災害大国日本の歴史-4
第7回 地震・災害は日本人の性格をどのようにかたちづくってきたか?①
第8回 地震・災害は日本人の性格をどのようにかたちづくってきたか?②
第9回 日本の再生力はどれだけあるのか?
第10回 原発事故が見せたもの 
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この3ヶ月間で分かってきた日本人の特質からまとめたいと思います。

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●日本人の共同体質は驚異であり脅威
多くの外国人が感嘆しているように、危機時の日本人の協調性と忍耐力はものすごい。世界では、震災時暴動や略奪が起こるのはあたりまえ。しかし、日本から見ると危機時に助けあいもせず、略奪するなど考えられないことだ。
※これほど世界の常識と日本の国民性(縄文体質≒共同性)は、異なっている。
原発事故においても、原発の暴走を抑えるために、わが身を振り返らず必死に働く現場の作業員。世界の人々からみれば、もし自分がそこにいれば当然命が惜しいので逃げ出すだろうと見ているので、非常に驚きの目でみられているようだ。
命がけで踏ん張る東電福島事故現場:世界にとって驚異であり、脅威でもある
●しかし日本人の中でも統合階級は別:自分の身分維持しか頭にない!
一方で国家やマスコミは、その正体を現した。
復興を建前に権力の座にしがみつきなんとか消費税率をあげようとする菅直人、金貸し(国際金融資本)の意向を受けて、今でも原発を推進しようとするみじめな政治家たち。
官僚も、原発事故が起こっても“想定外”と責任逃れに終始し、さらに放射能が広がっていっても、安全基準を恣意的に緩めて“直ちに問題はない”を繰り返してきた。
彼らは、国民の健康や安全などは二の次で、本当は自分の権力を維持しようとしか考えていないのだろう。権力維持のために、国民をどうやって騙すか?ごまかすか?税金をとりあげるかしか考えていないことが透けて見える。
●お上や社会統合に無関心な日本人
しかし、国家の統合階級がこんな状態でも、日本では大きなデモもおきないし、反乱も起きていない。直前に中東で、民主化革命が起きていても、日本では全く様相を異にしている。これは何故だろうか?
元々二重構造の日本
日本の支配階級は、もともと弥生時代末期から古墳時代にかけて大陸からやってきた豪族達だった。
縄文人は戦争も知らず、非常におとなしく従順だったので、武力で強力に脅す必要もなく、彼らの自治にまかせ、税金(米)を巻き上げておればよかった。
本当はお上や社会に無関心な日本人(縄文人)!
庶民にしても、縄文以来の集団・村を守れれば、それでいいので村内では自治を行なって、税金だけお上に渡して、あとはお上まかせだったのだ。村の中や共同体内で、秩序を乱さずに、仲良くやれればいい、充足できていればよかった。
このようにして、支配階級の世界と庶民の世界は、あまり接点を持たずにやってこれた。社会のこともお上まかせで良かったのだ。
日本人の適応不全
しかし、今回の巨大震災と原発事故はそれでは、全く適応できないことを日本人に知らしめた。巨大な津波は町を消滅させ、より長期的でマクロな方針を必要とする。原発事故は、まだ収束しておらず、放射能を撒き散らし続けており、古来住み続けてきた村落を破壊し、恵をあたえてくれた土地や自然を汚染し続けている。これは、日本人にとってかってなかった事態だし、無能化したお上に従い続けた結末でもあるのだ。
このような事態には、共同性という体質や小さな共同体だけではとても対処できない。
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   原発事故は日本の将来に何をもたらすのか?
今回の震災対応・原発に限ったことではなく、バブルの崩壊、アメリカの言いなり→国富収奪、ガタガタの政治、ウソを垂れ流すマスコミ・・・・それらは全て自分達の権力維持という目先の目的しか頭にないからそうなっている。この暴走する統合階級をどうにかしないと日本はますますガタガタになっていく。どうする?どうしたらいい?という不全は、2008年のリーマンショック以降、この震災と原発事故でまた一段階高まった。
●根源的な当事者意識の生起、そして実現期待が生起し始める
1995年の阪神大震災の頃、ボランティアへの関心が非常に高くなったといわれている。今回の震災・原発事故では、ボランティアなどで直接活動したいという層も増えたが、それ以上に、何が本当の問題なのか?と考えはじめた層が多いのではないだろうか?ネットでの探索やつぶやきからそんな状況がうかがえる。
しかし、震災対応にしても、原発対応にしても、国家や科学の本性まで遡って考えなければ答えはでてこない。何も考えずに行動しては従来の市場や国家に取り込まれるだけである。
その意味で、どうするか?どうしたらいいか?という根底的な問いと追求が始まるかどうかがカギだと思う。

※以下は、数年後に起こると思われる経済破局時の意識潮流についての記事ですが、これは、震災と収束しない今回の原発危機時でもほぼ同様と考えられます。今後人々の意識どうなるのか考える道しるべとして引用し、締めたいと思います。

’70年以来の充足志向・安定志向の潮流は、すでにはっきりと「節約」意識へと収束している。云うまでもなく、節約とは、言葉の本来の意味での保守意識そのものである。
経済破局下においては、何よりも『食料の確保』『仕事の確保』etc実現能力が問われる。しかし、盲滅法に動くのは危険である。そこで、行動を導く道標が必要になる。
その時、初めて「どうする?」という根源的な当事者意識が生起し、みんなの期待に応えて、その答えを求める潮流=認識収束の潮流が生み出される。

そこで求められるのは、経済危機を突き抜けてゆく確かな見通し=この危機を導き出した近代市場と近代思想を根底から突き抜け、乗り越えてゆく新理論である。
ここにおいて、’70年、生存圧力の弛緩によって生起した40年に及ぶ充足・安定志向(女原理)は、目前の危機を突破する新理論の実現期待を男原理に委ねることになる。
かくして、男女を包摂した実現期待⇒認識収束の潮流は、当然、充足発の実現方針(⇒答えを出せる新理論)へと収束してゆく。そして、実現方針への収束が進むにつれて、’95年以来の危機発の秩序収束も、実現方針に基づく充足発の新秩序の中に完全に吸収されてゆく。

    潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流 より
(by Hiroshi)

投稿者 ihiro : 2011年07月02日 List  

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